母なるガンガーを前に | 学生団体S.A.L. Official blog

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インドなんて二度と行きたくない・・・


そう思ったつい先ほどの1500ルピー(3000円)を騙し取られた瞬間。


今はプロジェクトを無事に終えヒンドゥー教と仏教の聖地ヴァラナシにいる。

目の前には母なるガンガーが流れ多くのヒンドゥー教徒が沐浴をし

火葬場では人が焼かれ町には絶え間なく煙が上がっている。

一昨日までいたプリーより道は牛の糞とゴミが散乱し

これぞ自分が想像していたインドという光景が広がっている。

このヴァラナシこそが自分にインドに対して嫌悪感を感じる考え方に転機を与えてくれた町である。


ここで自分が1500ルピー(3000円)を取られた話しを簡単にしたい。

自分はインド組メンバー2人と火葬場で人が焼かれるのを目の当たりにしていた。

そうすると火葬場の関係者と名乗るインド人がやってきた。

「ここは家族しか立ち入ることができません。観光客はあそこの建物から見てもらっています。」と言う。

そこで自分たちはこのインド人に案内されその建物の中の通された。

彼は別れを告げそこに待っていた別のインド人が自分たちさらに案内する。

火葬場を遠目で見る自分たちにこの者は火葬場、シヴァ神、カルマなど様々な事を教えてくれた。

そうしているとふいに自分たちの隣に一人の老婆が現れ座り込んだ。

彼が言うにはこの老婆の前に座り自分と家族の名前を彼女に告げると幸福が訪れるという。

自分たちはその通りにやった。

すると彼は火葬場で人を燃やすために必要な薪代1500ルピーを要求してきたのだ。

いつの間にか新たなインド人5、6人に囲まれ恐怖と宗教が絡んでいるという理由から自分たちは敢え無くその金額を払ってしまった。

これが自分を冒頭の気持ちにさせた最大の要因である。

それまでちょくちょく騙されてはいたがここまで高額で断ることのできない状況に陥れさせられたのは初めてだったのだ。


心を落ち着けるため宿泊しているホテルの屋上でガンガー眼下にチャイを飲んでいると

冷静になったのかある気持ちが湧いてきた。

こう騙そうとしている人たちも生きるのに必死なのだと。

彼らにとってはしょうがないことなのだと。

仕事がなかったり家族を養わなければならなかったりと様々な環境が彼らを生み

騙し取られた金は社会の中のサイクルに入りまた新たな環境を形作り

そうして日々世界は周り弱者は少なからず生きているのだと。


そう考えているとインドという国に対する嫌悪感は一切消えていった。

これは宗教心のない自分をなんともいえない力で自分の心をを引きこむガンガーと

自分の体内に広がった一杯のチャイが自分の心をある意味沐浴してくれたのかもしれない。


最後にヴァラナシで出会った一人の青年の言葉を紹介しよう。

「一つの国は1週間ではわからない。一つの町は1日ではわからない。」

自分の人生で最低で最高に魅力的な国、インド。

また訪れよう。

新たな刺激を求めていつか知り尽くしたと言えるように。



母なるガンガーを背におよそ20時間の陸路のネパールへの旅がこれから始まる。

【文責 広報局1年瀬谷健介】