大変お買い得です、どうぞご利用くださいませ? | 学生団体S.A.L. Official blog

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こんにちは、総合政策学部2年の原口さとみです。

もう今年も残り1カ月を切り、世間は安売りシーズンに突入しつつありますね。
この景気ですし、店々の飛び交う情報を見極めて、いい買い物をしたいものです。



…「いい買い物?」

今回のブログのテーマはこれでいきたいと思います。


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私事ですが、私はいま某アパレル企業でアルバイトをしています。
先日、勤務中に突然ある罪悪感に襲われました。


「通常価格○○円のところ、本日限り××円と大変お買い得です!
 どうぞご利用下さいませー!!」


…ちょっと待って、私たちには大変お買い得だけど、これの影響受けてる人いない

わけないじゃん。

直接的ではないにしろ、自分は少なからず世界のどこかの人の生活を苦しめている

んじゃないか?私も加害者なんじゃないの?そんな罪悪感がどっと押し寄せてきた

のです。


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戦後、日本は繊維業を国内生産から海外輸入に一気にシフトチェンジし、数年前までは大多数を中国に頼り、ここ数年ではベトナムやカンボジアからも輸入をするところが増えてきています。私の勤めているところもそうです。


なぜ国内生産にせずに外国産業へ頼るのでしょう。ご存じの通り、人件費も材料費も安く済むからです。削れるところはとことん削って、国内で商品として売る時に極めて安い価格にし、自社の利益をあげるためです。


自社の利益。
それって、どこに使われるんでしょうね?


最近CSR(=Cooporate Social Responsibility;企業の社会的責任http://ja.wikipedia.org/wiki/CSR)という言葉をよく耳にしますが、自社が生み出す多少なりともマイナス要素がありそうな部分に、それを補完する行為を行うのはとても素敵なことだと思います。
賛否両論ありますが、私はその行為の根底に会社のイメージアップからの成績向上を狙う意思があっても、誰か困難な状況にいる人を少しでもポジティブな方向に持って行けるならその行為に賛成だと考えています。持続的なことなので。


でも、それは「誰か困難な状況にいる(なる)人を少しでもポジティブな方向に持って行けるなら」です。
その利益を「お客様のために、さらなる品質の向上を!」といって開発費に使うことに、どうも私には違和感を覚えてなりません。なぜなら、うちの店で服を買うようなお客さんは、今日も命からがら生きている、という方ではないから。世界中を巡ってきたお金という貴重な利益をたくさん得たのであれば、それは必死に求められている場所へ還元するべきだと思うのです。


例えば、インドから綿花を輸入しているのであれば、綿花の状態で終わらせずにmade in India のブランドを立ち上げる機会を生み出すなど。

後進国の自然産物は、大体先進国の大手企業の元へと流れます。手数を多く踏むわけです。
そこで児童労働や搾取が行われていなければいいのですが、実際のところそこは透明化されていないのが実情です。近年だと、スポーツメーカーのNIKEで行われていた児童労働の話が身近なのではないでしょうか。


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すっごくお買い得な買い物した後って、なんだか満足感に浸れますよね。
私も欲しかったものが安価で買えたらテンションがあがります。

でも、それって本当に「いい買い物」で、合ってますか?
もちろん全部だなんて言いません。
しかし、その「お買い得」の背景には何があるのか、そこを見極めた上で自分の好きなものが買えた時こそ、「いい買い物」をした、と言えるのではないでしょうか。
モノの裏側を見る、って大事です。


長くなりましたが、売る側に立って感じたことを、ちょっと書いてみました。




みなさんよい年末を!