無宗教? | 学生団体S.A.L. Official blog

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こんにちは。慶應義塾大学環境情報学部の武井ヒロアキです。
今日はあるマンガの話をします。

中村 光の『聖☆おにいさん』っていうマンガなんですが。

このマンガ、読みかたによっては非常に危険な事態を招きそうな代物でありまして。。

ですが、いつもは堅苦しい話題の多いこのブログで、サブカルであるマンガを使って、ちょっと宗教ってやつをラフに考えてみます。


『聖☆おにいさん』は世紀末を無事に乗り越えた「ブッダとイエス」が東京・立川でアパートをシェアし、下界でバカンスをするというストーリーです。

マンガに登場する二人は、衝動買いをしたり、スーパーの安売りに走ったり、漫才に挑戦したり、とても人間臭いキャラクターで表現されています。

その人間臭さに、「水が怖くてプールの水を割ってしまうイエス」や「ジェットコースターでお経を唱えはじめるブッダ」の「聖人っぽさ」が交わることでマンガに独特の面白さと味を出しています。

まあ、これだけ紹介しただけでも見る人が見ればヤバそうな雰囲気全開なんですが。

そんな中でも「これはヤバいだろ」と思わざるを得ないと同時に、
宗教について「感覚的」に考えさせられたセリフがあります。



そのシーンは二人が街を歩いているところから始まります。

「アナタハー 神ヲ シンジマスカ?」
と神父はイエスに話しかけます。

イエスと神父が関わることを危険に思ったブッダは
「イエス!」と答えてしまいます。

それに対してイエスは
「君が信じているわけないでしょ!」
「なんか今日 ブッダ おかしいよ!」と疑問を投げかけるのですが、

ブッダは
「おかしくなんかないよっ!」
「私は君を信じているもの!」
「そういう大きな意味で私はキリスト信者だよ!」
と自分の思いを不意にイエスにぶつけます。

最初このシーンを読んだときは、「うわー、ヤバいでしょ」と面白半分に読み流したのですが、
よく考えてみるとなるほどなーとも感じられました。



「なるほど」とは、宗教って本来こういうものなのかな、ってことです。

日本人は無宗教と言われるのと同時に、稀に見る信心深い国民性だとも言われます。

これはつまり、日本人の「宗教」ってものへの考え方が真面目すぎるってことの現れではないでしょうか。

宗教を信仰するってことは、何か偉大で壮大な世界やそのルールに自らを閉じ込め、自由を奪われ、自らを捧げること、これくらいの感覚で宗教を考えている人も多いはずです。

でも実際、日本人にだって無意識のうちにアニミズムであれ儒教であれなにかしらの「教え」が刷り込まれています。

しかし、そこに閉塞感や嫌悪感を感じる人は少ないです。

それは宗教という意識はなく「信じていることが確か」だからではないでしょうか。


ブッダがキリスト教信者なはずはありません。
でもブッダがキリストを信じているなら「ブッダは『キリスト』信者」
これも真だと思います。


宗教とは信じること。

ここまで言い切るのは危険すぎますが、自分が信じたものを学び続けるのは宗教の性でしょう。


って考えると結局、宗教ってなんじゃいってスタート地点に戻ってきちゃうんですが。

まあ、「自分は何を信じてるんだろう」って一度くらい皆さん考えたことはあるんじゃないでしょうか。


そうなると、ある意味で、

日本人もあながち無宗教ってわけじゃないんじゃない?

そんなふうにも考えたりもしています。