人種差別について | 学生団体S.A.L. Official blog

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こんにちは、慶応大学2年生の瀧川美紀です。

皆さん人種差別と聞いて何を思い浮かべますか?

ナチスによるユダヤ人大虐殺や、アメリカにおける黒人貧困層の増大、そしてアパルトヘイトなどあらゆる差別を思い浮かべると思います。

先日、中国人の差別意識について記載されている衝撃な記事を見受けたので、今回は私なりの人種差別に対する考えについて書きたいと思います。




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ロウ・ジン(Lou Jing)さん(20)は、上海オペラを歌い、流ちょうな標準中国語を話す。
だが、中国の芸能人オーディション番組に彼女が出演したとき、文句をつけられたのは、彼女の声ではなく、肌の色だった。

彼女がオーディション番組『Let's Go! Oriental Angel(レッツゴー!オリエンタル・エンジェル)』の上海地区予選で5人のファイナリストの1人に選ばれると、彼女は一躍「時の人」となった。

実際には、「黒い肌の彼女が中国のテレビ番組に出演すること自体、ふさわしいことなのか」、国中で激しく時には悪意に満ちた論争が沸き起こったのだ。

全国大会に進んだロウさんだが、次のラウンドには進めなかった。審査員たちの判断には驚いていない。

ただ、ウェブに数千通寄せられた投稿の中身にショックを受けたという。その多くが否定的で、人種差別がむき出しにされていた。


「思わず泣いてしまった。傷つきました。わたしは誰1人、傷つけようと思ったことはなかったのに」 


中国は多民族国家とはいえ、かつては外国人との結婚が禁止されていたこともあり、外国人とのハーフが存在するという状況を知らない人も多い。

しかし現在では広州市だけで10万人ものアフリカ系住民が存在するなど、外国人が中国に居住することが決して珍しいことではない。

しかし黒人の容貌を持った人が表舞台に登場したことに多くの人々が驚きを隠せず、ネットでは人種差別的な言葉が飛び交うなど中国人の人種差別意識が浮き彫りとなった。
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私はこの記事を読んだ時、肌の色が何故人を判断する基準になるのだろうか、肌の色はそこまで重要なのであろうか、と不思議でなりませんでした。


そして、日本における人種差別はどのようであるかとふと疑問に思いました。


黒人演歌歌手として注目を集めたジェロやタレント兼お笑いとして数々のテレビに出演しているボビーオロゴン等多くの外国人が日本では活躍していますが、表面的な差別は見受けられないことと思います。


しかし、日本はかつて鎖国していたこともあり、外国人に対して閉鎖的で、に滞在する外国人に対する差別はあらゆる場で見受けられます。



その一つとして外国人児童に対する差別を例に挙げてみたいと思います。


外国人児童の不就学率や犯罪率が増大している等の理由から治安悪化を招く、と児童に対して排他的差別を抱いている日本人は多く存在します。


例えば、東京の某S区の小学校の6割は外国人ですが、日本人の両親は風土が乱れる、学力低下を招く、子供に悪影響を及ぼす、等の排他的差別を抱き、自分の子供をその小学校に入学させることを拒み別の学校に入学させる親が多いようです。


そして現状として、このような考えを持つ大人が増えることで外国人と日本人のコミュニティーが完全に別れ、外国人児童が日本の環境に溶け込むことが困難になっています。


私は外国人児童が日本人の子供に悪影響を及ぼすとは決して思いません。

むしろ、小さいころから外国人と接することで視野が広がると同時に、大人になって排他的偏見を抱くといった行為を防げると考えます。


では、差別をなくすためにはどうすればいいのでしょうか?


他人に差別は良くないからやめなさい、と促せば、言動や態度など表面的な差別はなくすことができるかもしれません。

しかし、このように上辺だけ差別を解消しても潜在的な差別意識をなくすことは出来ず、何の解決にも繋がりません。

差別をなくすには、偏見を持ち、優劣を決めるのではなく、それぞれが違って素晴らしいことを理解しようと心掛け、お互いを尊重し合うことが不可欠であるのではないでしょうか。


相手を理解することは決して難しいことではありません。
ただ、日本人は相手を理解しようという努力を怠っているだけだと思います。


相手を知ろうとしなければ何も始まりません。

相手を理解しようと心掛けるだけで、排他的な偏見が消え、相手に対する考えが変わってくるのではないでしょうか。


お互いが心を開きお互いを尊重ることで、表面的ではなく、無意識のうちに差別がなくなるような社会がくることを望みます。