「見たいなう」「知りたいなう」 | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。


こんにちは。

広報局1年の近藤まりこです。

街の中も秋めいて、空と紅葉の綺麗な季節になりました。
おいしいものを食べるにも、読書にふけるにも素敵な時期ですが、
みなさんいかがお過ごしですか。



最近人気を集めている本に、
『20歳のときに知っておきたかったこと(What I Wish I Knew When I Was 20)』
というものがありますが、

「ああ、あのときこれを知っておきたかった」と思うことはありますか?



私は今、19才です。

「19歳」よりも「19才」が似合うような半人前ですが、
来年には制度上成人し、様々な権利と責任を手にします。

今、知っておきたいこと、見ておきたいもの。
あるいは、知っておくべきこと、見ておくべきもの。

それって、何でしょう。



***

今日までの1週間、
学園祭の準備期間には大学の講義は休みになるため
友人とふたり、どこか国内旅行へ出かけようと計画を始めたのが10月。

パンフレットやウェブサイトを見ながら、
あっちでもないこっちでもないとしばらく悩んでいました。


「どうせ行くなら、今だからこそ行くべき場所がいい」
「見るべき何かがある場所がいい」


そうして、目的地は広島に決まったのでした。



私が19才のうちに見ておきたかったもの、
それは原爆ドームでした。




東京駅から新幹線に乗って4時間ほど、
小雨の降る広島駅に到着した私たちは早速その地へ向かいました。


初めて間近で見る原爆ドームは、思っていたよりも街に馴染んでいながらも
やはり象徴的な雰囲気を放っているようでした。

そして不思議に「きれい」と言ってしまう自分がいました。

Hiroshima2.JPG


それから資料館へ足を運び、
世界で初めて原子爆弾が落とされた「ヒロシマ」について学びました。

すでに知っていたこと、知らなかったこと、心打たれること、
目を背けたくなるもの、恐ろしくなるもの、見入ってしまうもの…

1945年8月6日8時15分、その瞬間の意味を
今までよりも少しだけ深く理解することができたように思います。




そしてその夜に、ふたたび原爆ドームを訪れました。

Hiroshima.JPG


ライトアップされて浮かび上がる、また昼間とは違った姿。
少し見る者を圧迫するようでいて、やはり美しい姿に見えました。


しかし、なぜ美しいと思ってしまうのでしょうか。
ドームという形の所為なのでしょうか。
考えを巡らせてみたところ、ひとつ思い浮かぶ理由がありました。



あの瞬間にも存在していて、今もここにある。

そのとうとさを感じられるからこそ、美しい。



平和記念公園には、この他にも様々なモニュメントや鐘、時計塔があります。
献花台や文字の刻まれた石碑などもあります。

それでもこの「廃墟」が抱いているメッセージ性と美しさは群を抜いていました。


残っていてくれて本当によかった、
そしてこれからもこの水辺にたっていてほしい。

平和への祈りもこめつつ、
そう思わずにはいられませんでした。


そして19才でこの地を訪れたことの意味の大きさを感じました。


***



書店には面白そうな本が並び、
旅行代理店の棚には無数のパンフレットが用意されています。

お金を出さずに経験できることもたくさんあります。



今だからこそ知っておきたいこと、見ておきたいものを
探してみてはいかがでしょうか。


これかもしれないと思ったら、その機会を逸しないでください。

とうとくて美しい、と、今の自分が思うものがきっと見つかるはずです。





読んでいただいて、ありがとうございました!

[文責:広報局1年 近藤 まりこ]