Focus on myself project 代表より終了のご挨拶 | 学生団体S.A.L. Official blog

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学生団体S.A.L.が一年間を通して行って来たプロジェクト、Focus on myself Project(http://sal.seesaa.net/article/114575516.html )が今回の代官山写真展終了をもって、"完成"を迎えました。

日本の子ども達とカンボジアの子ども達の視点の比較、お互いの相互理解、そして、第三者の意識変化という3つのテーマに置いて進めてきたプロジェクトは、カンボジアで1度、日本で4度の展示機会を持って、のべ3000人以上の方々と共有することができました。

ご来場いただいた方々、御協賛いただいた企業の皆さま、DAYS JAPAN様、本当にありがとうございました。

最後に、プロジェクト発案者,代表二人からの総括のご挨拶を掲載させていただきます。どうぞご覧ください。



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学生団体S.A.L.代表,Focus on myself Project代表

慶應義塾大学環境情報学部2年
籏智広太

代官山写真展の終了をもって、Focus on myselfがついに終わりを迎えました。

ほんの好奇心から始めたこの企画が、まさか3000人の方に見ていただき、共有されるような企画になるとは、初期段階では考えてすらいませんでした。
今回は総括と言うことで、僕が考えたことを項目別に書かせていただきました。よろしければご覧ください。

◎企画の発足
このFoMは、もとはパレスチナなどの中東のこどもたちに対する企画として、昨年の11月に奥田綾香と共に考案しました。
紛争などに巻き込まれているこどもたちの、そのままの視線をみたいという思いがあったからです。しかし残念ながら、現実的に中東でプロジェクトを開催するのは不可能ということもあり、大学生が渡航可能である東南アジアでワークショップを開催することにしました。いくつかのNGOにお願いをしたなかで、今回のNGO MAKE THE HEAVEN様が申し出を快諾してくださり、カンボジアでの開催を決定したのです。開催に至って、私たちはカンボジアに関する勉強会を何度か行いました。そして、このプロジェクトをカンボジアで行うべき理由はなんなのかなどについて、話し合いを重ねました。

◎僕が考える日本とカンボジアの子供達の違い
日本の子どもたちは、同じ写真というものがほとんどありませんでした。バサックスラムの子どもたちは、それが多く存在しました。そして、プレイクラン村の子どもたちは、ほとんどの子どもたちが同じ写真を撮ってきました。そこから、子どもたちが普段どういう行動をしながらどういう視点を持って動いているのかが、よく感じ取れると思いました。日本の子どもたちは、学校という場で「集まり、遊ぶ」だけ。普段は家族などと、様々な交通手段を使って、様々なところに出て行く。バサックスラムの子どもたちは、学校などの部分以外でも比較的一緒に行動しているが、子どもによっては町にでたり、遊びに行ったりする子もいる。プレイクラン村の子どもたちは、ほとんど一緒にいる。カンボジアでは外に娯楽が無いし、交通手段も少ないからというのが大きいのでしょうか。また、大切なものの写真は日本もバサックスラムも大きな違いがないのですが、つらいことの写真は双方でまるで違う写真となっていました。生活環境の違いは、いやなものであったりつらいことに出やすいんだな、そんな印象を受けました。

◎僕自身が子供達とのワークショップを通じて思ったこと
とにかく子どもたちが元気。これは両国共に感じます。よく、日本の子どもの笑顔よりカンボジアの子どもの笑顔だとかいう話を聞きますが、そんなのはまるっきりうそ。どちらの国の子どもたちも、人懐っこく、そして最高の笑顔を持っていました。自分を表現する楽しさは、世界共通。そしてそのまっすぐとした視点の素晴らしさも、やはり世界共通です。

◎ FOCUS ON MY SELF のこれからの目標
もっといろいろな国でワークショップを開催し、さまざまな国の子どもたちの、「等身大の自分自身」を見てみたいです。それぞれの国の子どもたちは、共通の視点も、まるで違う視点も持ち合わせているのだから、僕自身がとても気になるので。

◎この写真展を通して伝えたかったこと
僕ら側でなにを感じてほしい、と恣意的にしないのが今回の写真展の目的です。だから、「これを感じてほしい!」というものはありません。でも、カンボジアはこうた、日本はこうだ、というもとからある先入観にはあまり頼らないで、自分自信の目で「おなじところ」であったり、「ちがい」であったりを、判断してもらえたら、と僕達は考えていました。

◎最後に
こんなつたない文章を読んでくださってありがとうございました。この企画がこうして終わりを迎えることができたのも、ご来場いただいた皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。この企画は、まだまだ個人的には続けて行きたいと考えています。これからも、いろいろな国の子どもたちの視点を、それぞれの自分自身を、見てみたいから。
こんな思いつきの企画を後ろから全力でサポートしてくれたS.A.L.のメンバー、特にFocus on myselfに携わってくれたプロジェクトメンバー、そして企画の設立から共にがんばってきた、もう一人の担当者にお礼を言いたいと思います。そして、御協賛いただいた企業の方々、DAYS JAPAN様本、本当にありがとうございました。



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Focus on myself Project代表

慶應義塾大学総合政策学部2年
奥田綾香

こんにちは、FOCUS on MYSELF企画者の奥田綾香と申します。先日、S.A.L.で長い期間行ってきたFOCUS on MYSELFというプロジェクトが代官山での写真展をもって終了致しました。企画の構想をもう1人の企画者と練り始めたのが2008年12月なので、総じて約11ヵ月間このプロジェクトを行って来たことになります。

この企画は、日本とカンボジアの子ども達に使い捨てカメラを渡して撮ってきたものを通して、それぞれの国の子ども達が普段考えていること、感じていること、どのような生活をしているのかをより“リアル”に触れるというプロジェクトです。それらを見てどのような判断をするかは直接ご覧になった方にお任せしますが、できればどちらの子ども達も素直な感性を持っていて、キラキラした笑顔で生活している、と感じて頂けていれば幸いです。

この企画を通して私自身も様々な経験をさせて頂きました。それを通して心から思うのは、やはり私達は“生きている”ということです。確かに暮らしている場所によって、直面している問題はそれぞれ異なります。日本で心を病んで自殺する人もいれば、途上国で1日の食事もままならない人もいます。けれども、それぞれの場所にそこならではの素晴らしい所もあります。そしてそこでみんな自分自身の人生をそれぞれ一生懸命“生きている”のです。その事に何も変わりはありませんし、国の違いも関係ありません。それはその国に暮らしている子ども達の素敵な笑顔が教えてくれました。この企画に触れる機会のあった方々にも同じようなこと、そして自分の知らない場所の人々を身近に感じて頂き、少しでもそこに暮らす人々のことを、ふと心に思いだす人が増えていくことを願います。

最後に、今までの展示にご来場くださった方々、この企画を一緒に進めてきた方々、S.A.L.のみんな、そして一緒に頑張ってきたもう1人の企画者の仲間に心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。