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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

こんにちは。広報局の武井ヒロアキです。

季節はもうすっかり秋ですね。


体調管理が難しい時期ですが、皆さんお気をつけください。





さて、僕は9月にドキュメンタリーの撮影のためにカンボジアを訪れました。

そして、メインロケ地としてタサエンコミューンという地雷の多く残る地域で撮影を行いました。





実は、このタサエンを訪れるのは2度目で、前回に訪れたときに僕は大きな矛盾を感じずにはいられませんでした。



その矛盾とは、内戦時、敵同士だった兵士達がいまでは一緒に地雷除去活動に当たっているということです。


そして、彼らは笑いながら本当の友達として同じ時間をすごしているのです。




今回の撮影の大きな目的はこの矛盾を解消することでもありました。








そこで、ぼくは次のように聞いてみました。


「内戦当時敵だったヤツと同じチームで働くことに違和感はないのか?」






すると、デマイナーは、

「彼らも我々も、内戦当時はカンボジアを守るために戦ったことは同じだ。だから、今もカンボジアのために戦っている。何も変わらない。」




こう言われたとき、僕は内戦というものの複雑さをまったく理解していなかった、と反省させられました。


そうです。



カンボジア内戦は、普通の戦争とは違います。
第一次世界大戦でも、第二次世界大戦でも、敵は国の外にいました。




しかし、内戦は違います。

敵はすぐとなりにいるかもしれません。
同じ国民を敵として殺さなくてはなりません。


そのため、カンボジア内戦はその悲惨さえも類をみないほどにまで悪化したのかもしれません。





内戦とは「国を守りたい」という同じ目的のために、多くの人々が数々の正義を掲げて戦うことになります。


つまり、最終的な目的はみな同じなのです。
しかし、なにかの歯車が狂ってしまったために、彼らはぶつかってしまいました。






だからこそ、内戦が終わった今となっては、敵を敵として見る事はないのかもしれません。

もちろん、心の奥底では渦巻くものがあると思います。


しかし、「国を守りたい」、この意志が、今、彼らをひとつにしています。






カンボジアにはいまだ多くの地雷が残ります。
政府の目標では2020年に完全撤去としていますが、実際にどうなるかは予想もつきません。



しかし、いま、ひとつになりつつあるカンボジアに僕は大きな期待をしています。