イールド値 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

イールド(Yield)値について述べます

営業部門は業績見通しの判断にはこれまで述べたコミット、チャレンジ、ストレッチといった基準を使います。
ただ営業の素人である経営者や財務管理部門と話しをする上では、これだけではなかなか理解してもらうのは困難です。
下手にコミット、チャレンジなどとの言葉を使ってもその意味が分かっていないので、ただただその数字を大きくしろと言ってくるだけです。そうすると本質を見失ってしまいます。おそらく東芝もそのようになってしまい、言葉が独り歩きしてしまったのでしょう。

そこで私はイールド値というものを用いて財務管理部門と話をします。
たとえば期初ではコミットの80%、チャレンジの20%、ストレッチの5%が受注に結び付くと想定すると、
受注見込みは、 Y = 0.8×コミット + 0.2×チャレンジ + 0.05×ストレッチ
 となります。これをイールド(Yield)値と呼んでいます。

このイールド値が目標値を上回るように活動をします。
財務管理部門や経営者に対しての業績見込みにはこの数字を報告します。

それではこの0.8や0.2や0.05といった数字はどこから出てきたのでしょうか?
これは定数として決まっているものではありません。
過去の直近何期かの実績に基づいて決めます。
たとえば、前期の期初のコミットの何%が最終的に受注できたのか、チャレンジの何%が受注できたのか、ストレッチの何%が受注できたのか、を調べます。これを過去3~4期調べて平均を取り、使用します。

コミットやチャレンジの考え方を導入した当初はこの数字は低いのが普通です。それは阻害要因の把握や判断が未熟なためです。
きちっと指導していけば徐々に精度は上がっていきます。
したがって、この数字は毎期毎期見直していきます。ある程度経って数字が落ち着けば恒常的にその数字を使ってもいいかもしれません。

また期初と期中、期末間近では異なってきます。
ですから期初と同様に、たとえば第4週目と第8週目などでも同じように数字を算出しておきます。

このように根拠のある数字で社内で議論することにより、信頼を得ることができ無用なプレッシャーを減らすことができます。
私自身管理部門や生産部門との社内交渉を何度も行ってきましたが、彼らは一様に営業が提出する見込みの数字を根拠がない「イケイケの数字」とみています。そのため、彼らの組織内の議論では営業が提出した数字を彼らが勝手に変更して計画を立てたりしているようです。
この状態を改善するためにこの考えを用いてきました。

営業は科学だ!!!



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