さて、コミット、チャレンジ、ストレッチの考え方が理解できたら、それをどのように活用していけばいいのでしょうか?
期初から期末に向かって日々営業活動を行っていると、コミット案件がどんどん受注していきます。
そして期初に受注額が目標を達成する。これが理想的な姿です。
ただ、自然に任せただけではコミットが受注できるわけではありません。
また、期初のコミットの総額が目標より低ければ(一般的にはこれが普通です)、コミット案件を受注するだけでは足りません。そのためにはチャレンジ案件をコミット、さらには受注にもっていかなくてはいけません。
私が永らく活動したIT業界では四半期ごとの目標管理が一般的でした。
したがって13週間の単位で管理をします。
私が行っていた方法を書いてみます。
期初にはコミット、チャレンジ、ストレッチの総額が目標の1.5倍になるようにします。すなわち前の期から活動がはじまっています。
第1週~第4週は、受注済 + コミット + チャレンジで目標を上回るようにします。また、受注済 + コミットで目標の50%となるようにします。
第4週~第8週では、受注済 + コミットで目標の80%となるようにします。また翌期の案件総額(コミット + チャレンジ + ストレッチ)を翌期の目標値を上回るように案件の発掘をします。
第9週~第10週では受注済を目標の80%、受注済 + コミットが目標値を超えるようにします。また、翌期の案件総額を目標値の1.5倍を目指します。
第11週~第13週は受注済で目標達成をします。
上に書いた第XX週や、%などは一例です。
大事なことはその期の中でもタイミングによって優先順位を考えることです。
13週間の間ずっと(ダラダラと)目標値だけを念仏のように唱えているだけでは、目標達成はできません。
目標をブレイクダウンして細かく見ていく必要があります。
管理職はそのタイミングに応じて適切なチェックとアドバイスを行うようにします。
例えば受注済み + コミットが重点項目となる時は(上の例で言えば第4週以降)、チャレンジ案件をコミットにもっていくための活動のチェックとアドバイスに重点を置きます。
受注が重点項目となる時は(上の例で言えば第9週以降)、コミット案件を受注するための活動のチェックとアドバイスに重点を置きます。
しかし、並行して翌期の案件発掘にも精力を注ぐことを忘れないようにしてください。
多くの営業部隊が、その期の目標達成のみに気を取られて、一つの期が終わって次の期が始まったときに案件が全くなく一から案件発掘を行っている自転車操業をしています。このようなことでは長期的・安定的な営業活動はできませんし、お客様から見るといつも短期的に購買をせかされる感じがして信頼関係を損ねます。翌期以降を考えていれば、今すぐは買っていただけないお客様にも信頼していただける対応が行われ、長期的にはプラスとなります。
この点については営業部門の管理職はもちろんですが、経営者および財務部門の理解が必要ですので、そういった人々に対しての理解を深めてもらうことも営業管理職の重要な仕事です。
次回は営業活動の細かいことなどわからない財務部門などとの調整に使うための指標、「イールド値」について述べてみたいと思います。
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