大塚家具の株主総会が終わり、長女である現社長が引き続き経営を担当することとなりました。
以前にも書いたように、一旦退いた創業者はぐっと我慢して後継者のすることに口出しをするべきではないと思います。
その点では今回の結論は当然のことだと思います。
ただ、創業者が過去の成功体験にとらわれていて、長女である現社長の近代経営について行けていないといったコメントも一部で見られます。その結果が株主総会に反映された、と。
なるほど確かに近代経営なのかもしれませんが、現社長の方針で会社がうまくいくかどうかははなはだ疑問です。
報道されているものを見ると、非常に教科書的でありきたりな戦略だと思わざるを得ません。定石通りの手といったところですか。
これでは競争相手に勝てるとは思いません。カジュアル路線が他社も同時にスタートすれば互角かもしれませんが、後発になります。勝負としては難しいでしょう。今の大塚家具の強みをどう生かすかがなければ単なる後追いでは勝ち目はないでしょう。
創業者で企業を大きくしてきた人は、他にはないユニークな発想があったから実績をあげることができたわけです。この発想をおろそかにし、捨て去ってしまうことはもったいないことです。
二代目や三代目で会社が傾くのはそのような点からだと思います。
企業を相手とする営業ならば、今回のような創業者と後継者、同族企業の世代交代、あるいはたたき上げとプロの経営者、などの違いを十分に理解しておく必要があります。
次回はそのあたりについてもう少し突っ込んでみたいと思います。