上司と部下の間の責任問題  -  大阪観光局長のニュースに想う | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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大阪観光局長が辞任したとのニュースがありました。

関西以外の方は経緯などはご存じないかと思いますので簡単にご紹介します。

昨年春に大阪観光局が主催した音楽イベントで9,000万円を超える大きな赤字が出たのですが、それを観光局長が自腹で2,700万円を借金して補てんするというニュースが昨年の11月にありました。
個人で補てんするなど、何か腑に落ちなかったのですが、先週新たな情報が公表され、大阪府と局長の間に「損害が生じた場合には個人で負担する」という覚書が交わされていたそうです。

毎日新聞によると以下のようです。
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覚書は昨年2月20日付で、松井知事、観光局の母体である大阪観光コンベンション協会理事長と加納氏個人が結んだ。松井知事によると、加納局長が「赤字にならない」と強く開催を主張し、松井知事が「責任も局長ですよ」と応じて結んだという。
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皆さんはどう思われますか?

部下が強く主張したことを最終的には上司は承認したわけです。
失敗すれば責任は上司にあると私は思います。
その責任がとれないのであれば、上司は承認をするべきではないのではないでしょうか。

承認した以上は責任は承認権限を持つ人が負うものです。

かつて私は「理想の上司」の項で書きましたが、私のある上司はいくら私と上司の意見が違っても最終決定した後は責任はすべて上司がとりました。
この大阪観光局のケースのように部下の熱意にほだされて上司が折れた形でも責任はすべて上司自身が負ってくれました。
このような上司には、「この人のために役に立ちたい」、「ついて行きたい」と思うものです。

覚書があるのであれば法律的には責任は部下にあるのかもしれません。
しかし人の上に立つ人がこのような責任逃れの予防線を張るようでは下の人がついて行くのでしょうか。はなはだ疑問に思います。

組織がモチベーション高く仕事をするには上司の意識は非常に重要だと思います。
辞任した局長の後任にどのような人が任じられるのかはわかりませんが、モチベーション高く仕事をするというよりは事なかれ主義になってしまう懸念を持ってしまいます。

「人の上に立つ」、「組織の長である」ということは、本当に厳しいものです。