「イスラム国」による人質事件は最悪の事態になってしまいました。
お二人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
さて前回も書きましたが、慎重さを欠いた政府あるいは安倍首相の言動がこの問題の引き金となったと私は感じています。
ネットなどでも私と同様の意見を発信している方も多くおられます。
それに対して、悪いのは「イスラム国」であって安倍首相に責任を求めるのは元々安倍内閣批判の輩だとの意見もあります。
悪いのは「イスラム国」であるのは当然のことです。
しかし、問題視しているのは相手に口実を与えてしまった軽率な言動について述べています。
政権の好き嫌いの問題ではありません。
このような問題をきちっと検証し、反省するべきは反省していかないと同じような問題を何度も犯します。
「李下に冠を正さず」と言う格言があります。
果物の木の下で頭にかぶっている物を触ると、泥棒と間違えられると言う意味です。
誤解を与えるような言動を慎む戒めの言葉です。
いくら泥棒でないと言ってみても疑われてしまえば厄介なことが生じます。仮に裁判となって無罪となったとしても無駄な時間と労力を費やすことになってしまいます。ましてやアメリカの銃社会ではその場で射殺されてしまうかもしれません。
今回はまさに李下に冠を正して銃殺されたようなものです。
日本を「平和ボケ」と称する人がいます。
李下に冠を正せば銃殺されるかもしれないということに頭が回らないことが、「平和ボケ」なのではないでしょうか。
安倍首相はさらに「罪を償わせる」などとも発言しました。
このような軽率な発言に危険を感じます。
これでは相手に宣戦布告をしたようなものです。
CNN等を見ているとこの言葉がクローズアップされているような気がします。まるで西部劇の保安官です。
「イスラム国」も観るでしょう。
このような戦闘的な発言は問題を解決するどころか、火に油を注ぐ気がします。
後藤さんのお母様が「悲しみが憎悪の連鎖となってはならない」と仰いました。
我々はこの言葉をかみしめなくてはいけないと思います。