誤解に基づいた主張に対して -  イスラム国やナッツリターンに想う | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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イスラム国の事件は悪い方向に行ってしまいました。
これ以上状況が悪化しないように祈るばかりです。

前回少し書きましたが、「日本は2億ドルを人道支援として考えているがイスラム国はそれを誤解している。」というのが日本政府の言い分です。しかし、誤解だと主張しても相手がすでに進み始めた言動を覆すのは難しいのではないでしょうか。

少し話は変わりますが、最近の話題で韓国の「ナッツリターン」というのがあります。
大韓航空のオーナー令嬢である副社長が客室乗務員のナッツの出し方に激怒し飛行機を引き返させたという話です。

報道を見てみますと、副社長はナッツの出し方がマニュアル違反であるということで客室乗務員を叱りつけたそうです。責任者を呼びつけてマニュアルを調べさせたところ、マニュアルが改訂され現在はその客室乗務員のやり方が正しかったそうです。
ここで副社長はいわゆる「逆切れ」を興しました。
責任者の説明が悪いと追及し、彼に飛行機から降りるように命じたということです。

この例を見れば分かるように、クレーム等はしばしば誤解から生じます。
しかし、それが誤解だとわかったとしてもえてして前言を覆さずにクレームを続けるケースが多いものです。

残念なことに多くの人は器が大きくありません。
私自信を省みても、一度クレームしてしまった以上、それが自分の誤解によるものとわかっても挙げた拳をどうするかに困ってしまい、結局は別の難癖をつけてしまったことがあります。
人間とはそんなものです。

イスラム国も同じかもしれません。
日本政府が言うように誤解かもしれませんが、おそらく誤解であることを認めることはないでしょう。

営業の立場で考えてみましょう。
ひとたびお客様に誤解を与えてクレームになってしまうと、いくら誤解を解いたとしてもすんなり治まることはあまりありません。お客様は別のクレームを言い始めます。
ですから営業にとって重要なのは、お客様に誤解を与えないということです。
自分の考えを述べるだけではなく、それを相手がどのように受け止めるか、誤解が生じないかということを常にシミュレーションして準備しておくことが大切です。
お客様とのコミュニケーションは裁判ではありません。自分が正しいという証拠をいくら出したところでも何のメリットもありません。
このあたりを心しておかないとお客様との信頼関係を築くのは難しいこととなります。

もう一度言います。
重要なのは正しいか否か、言った言わないではなく、誤解を生じさせない配慮です。