ゴールドラッシュから学ぶ | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

{泊りこみのセミナーに行っていたので少し間があいてしまいました。}

19世紀のアメリカのゴールドラッシュをご存知でしょうか。
1848年にカリフォルニア州で砂金が発見されました。
翌1849年から一攫千金を夢見て多くの人が西部をめざしました。この人たちを俗に49ers (forty-niners)と呼びます。(アメフトのNFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズの名前はここに由来しています。)

このゴールドラッシュは典型的な「自由競争と自己責任」の姿です。
ご想像がつくかとは思いますが、夢見た通りに一攫千金を当てた人も数多くいましたが、「野垂れ死に」してしまった、あるいはそれに近い人も数多く存在しました。格差社会そのものです。
ビジネスを考える上で非常に参考になる現象ですので、それを少し見てみましょう。

まず第一に挙げられるのは、「早いもの勝ち」だということです。
最初のころに行った人達はすぐに砂金を見つけ大儲けしました。
少し遅れて行った人は最初のグループよりは苦労しましたが、やはり幾らかは儲けました。
多くの人が西部に向かった時点では、カリフォルニアの川という川は砂金を探す人であふれかえっていたそうです。もう砂金はとりつくされてしまい、後から乗り込んだ人達は北へ北へと向かい、オレゴン州からさらにワシントン州にまで行き、シアトルまで到達しました。この人たちは砂金を手にすることもできず、野垂れ死にをしたり、借金に追われたりして苦労しました。結局砂金ではなく漁業を始めて生きていく人が多かったそうです。シアトルって元々はそういう人たちの街のようですね。

営業やマーケティングも同じです。
最初に見つけ出した人が多くの利益を得ます。
世の中皆が動き出した時から動いては利益を得ることはできません。
人と同じことをやっていては案件などを増やすことはできません。

経理部門や総務部門が行うコスト削減のようなことはA社が行って成功したことをB社が行っても効果が出ます。しかし、営業やマーケティングはA社が成功したことをB社が行っても同じように成功することは稀です。強大な資金力やブランド力がある場合のみ可能性があります。

株の世界では「人の行く裏に道あり花の山」との格言があるそうです。
囲碁では「石音の反対に打て」という格言もあります。相手が打った近くには打つなという意味です。
他人の後をついて行って良しとするようでは多くの案件を発掘することはできません。
受け身の営業や御用聞きの営業しかやっていないと、いつの間にか競争相手の営業が新しい案件を貴方のお客様から見つけ出して儲けていますよ。

もうひとつよく言われているのは「シャベルを売れ」ということです。
ちょうど最近のテレビドラマで「ブラックプレジデント」というのがフジ系列で放映されていますが、その中で主人公が何度もこの話しを出しますので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。

ゴールドラッシュで砂金を見つけられなかった人の中でも儲けた人がいました。
それが砂金掘り達に砂金を掘るためのシャベルを売った人達です。
多くの人のニーズ、必要性を察知しビジネスに結びつけたわけです。需要があるものを供給するという単純なことです。

「そんなにうまい話はころがっていないよ、たまたまでしょう。」と思われる方もいるでしょう。
いえいえ、世界の名だたる大企業もこれで儲けているのです。
それを次回ご紹介します。