案件を増やすには、まず必要性 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

案件を増やすにはどうすればいいのでしょうか。

時々次のような悩みをもらす営業がいます。
「営業って必要のないものでもお客様に売りつけるのが仕事なの?」
「必要って思えないものをどうやって売るの?」

多くの一般の方々の他に、営業職に就いている人にもこのような誤解が一部にあるようです。
営業は不要なものを売りつける仕事では断じてありません。
その商品が必要となる方を探し出し、その必要性を気づいていただくのが仕事です。

以前に 「大風呂敷を広げて夢を売れ!」と書いたことがあります。
この言葉を誤解する営業も時々いるんですよね。
「大風呂敷」を「嘘八百」と勘違いして、「嘘を並べて売ること」だと。

残念ながらこのような営業は自分が扱う商品を本当に理解してはいないのです。

商品のスペックは理解しているのかもしれません。
しかし、その商品がどういった方がどういう時に必要かということを理解していないのです。

たとえば私が長く経験したITの分野で考えてみましょう。
コンピュータ(サーバー)の処理速度が速くなったことを滔々と述べる営業がよくいます。
でも処理速度が2倍や3倍になったからといって、お客様は別にそのような必要性は感じないことが多いです。ごく一部の専門的知識が豊富で興味が強い人は「凄いね!」と言ってくれます。でもそれだけでは買ってはいただけません。まず社内稟議は通りません。
今の方には想像できないかもしれませんが、私が若い頃はコンピュータは数値データと文字データしか扱えませんでした。
処理速度が上がることによって、今なら当たり前の画像データも扱えるようになったのです。
当時、画像データが扱えることによってそれまでとは違った新しい使い方が出てくるわけです。それが新たな必要性です。
単に処理速度が3倍や5倍というのではなく、新たにこんなことが出来るようになるということを提案するわけです。

スペックではなくお客様にとっての必要性を語らなければいけません。
それが「大風呂敷」の意味です。

そうすることによって「今必要を感じていないと思っているお客様候補」の中から「必要性を感じるお客様」を発掘できるのです。
そうすれば案件の数は必然的に増えていきます。

では必要性をどう導くかですが、これを考えるのは苦しいけれども非常に楽しい作業です。実は私はこの作業が一番大好きです。
アイデア力を発揮できる場面です。

でもアイデアが思い浮かばない人もいますよね。実は、これにもある程度の定石があるのです。
それを次に説明します。