アサーション | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

意見の異なる人とのコミュニケーションについてもう一つ述べておきたいと思います。

それは「アサーション (assertion)」についてです。

辞書などでは「自己主張」などと訳されていることもあるようですが、「自己表明」と言った方がふさわしいのではないかと思います、。
あまり聞きなれない言葉ではないでしょうか。
私も昔は全く知りませんでした。ひょんなことからその言葉を知って勉強してみました。

他の人と異なる考えを持っているのにこんなことを言ったら嫌われるのではないかと思ったりしたことはありませんか。
実は自分の意見なり要望を述べるのは非常に大事なことです。
遠慮して言いたいことを言わなかったばかりに話がこじれて、後から相手の人に「な~んだ。それなら最初から言ってくれればよかったのに。」といったことはよくあります。

以前、私の部下でお客様に「契約をください」(Ask for Order :  AFO)が言えない営業がいました。
お客様とも関係が良好で何の阻害要因もないのにいつまで経っても契約に至らないのです。
状況を聞いてみると、お客様に契約をお願いすると今までの関係がこわれてしまうのではないかと恐れているのです。
何度言い聞かせてもAFOができないので、期末も近くなったのでショック療法を施しました。
「今期中に土下座してでも契約を頂いて来い! それまでは会社に来るな!」
彼はためらいながらも意を決してお客様に向かいました。そして土下座をする腹をくくってお客様に契約をお願いしました。
するとお客様はいとも簡単に「いいですよ。今日契約書は持って来てるの?」
彼は拍子抜けしたようですが、結局契約書を頂いて帰社してきました。
これで彼も一皮むけました。
(なお、このようなショック療法は場合の手であって、日常的には使わないように注意してください。)

アサーションの方法論については専門の本などで勉強して頂きたいのですが、非常に重要なコンセプトがあります。
それは「人は自分の意見を述べる権利を有する」ということです。
これは逆に言うと相手もその意見を述べる権利があるということです。
したがって自分が意見を述べたからと言って必ず相手がそれを納得してくれるとは限らないということを肝に銘じてください。
そう思うだけでも自分の意見を述べることに対しての恐れや緊張が楽になり、感情的にならなくてすみます。

技法について少しだけ書いておきますと「DESC法」と呼ばれるものがあります。自分で調べてみてください。
  Describe: 状況を客観的に描写する
  Explain:  自分の気持ちを説明する
  Specify:  具体的な提案をする
  Choose:  代案を述べる

では自分の意見を述べてそれからどうするのか。
実は先の営業の例のように、ある程度の場合「な~んだ、そうだったのか」ということがあります。
またそこで意見の違いがはっきりすることで次のステップであるディスカッションやネゴシエーションに進むことが出来ます。

私が営業のバイブルとしてお勧めする本にデールカーネギーの「人を動かす」というロングセラーがあります。
その第三部 「人を説得する法十二」 の第十章 「美しい心情に呼びかける」を読むとコミュニケーションは性善説に立つ方が良いなぁとつくづけ感じます。性善説にたつとアサーションもやりやすくなると思いますがいかがでしょうか。