意見の異なる人とのコミュニケーション | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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先に「営業に必要なコミュニケーション」で、三つ目に「意見の異なる人とのコミュニケーション」を挙げました。
それについてお話します。

自分の意見がA、それに対して異なる意見Bを持っている人とのコミュニケーションです。
私は以下のような五つに分類しています。
(日本語がどうも実態とかけ離れているような気がしますので、主に英語を使います)

① ディベート(debate)  
「論争」、あるいは「討論」と訳されています。
これは自分の意見の方が正しい、あるいは優れていることを認めさせようとするものです。
言いかえると、A>Bを証明しようとする行為です。
法廷での検察vs弁護人やアメリカの大統領選挙の候補者同士の討論会などがこれにあたりますが、日常生活で行うのは極めて危険な方法です。

② ネゴシエーション(negotiation)  
「交渉」と訳されています。
これはお互いがそれぞれ利益をもたらすように妥協点を探すものです。
言いかえると、A’=B’となるようにAがA’、BがB’という修正した意見を導き出すわけです。

③ ディスカッション(discussion)  
「議論」と訳されています。
これはお互いに話し合って双方にとってさらに良い意見を共同で作り上げることです。
すなわち、C>A、C>Bとなるような新たなCという意見を作り上げます。

④ アサーション(assertion)  
「自己主張」と訳されますが、ちょっとニュアンスが違います。
自分の意見はAであるということを対立的でなく分かりやすく表明することです。
この言葉はなじみがうすいかと思いますが、私は最も重要だと思っています。

⑤ 意見をのべない
相手が自分と異なる意見Bを持っているので自分の意見Aを述べない。
これは日本人が諸外国人に比べて多くとる行動です。これが結構誤解を生んだり、あるいは自分の意見と全く違う行動を強いられることになってあとあと不満を残したりすることがあります。特にグローバル化の現代においては不利になることが多々あります。
しかし、時と場合によっては意見を述べないことが良いこともあります。この判断ができないと、「KY」だとか「大人げない」などとの評価を受けてしまいます。

国会は本来「議論」すなわち「ディスカッション」を行い建設的な意見を作り上げるべきところなのですが、残念ながら日本では党利党略による「ネゴシエーション 交渉」しか行われていないような気がてなりません。

さて結論を述べてしまうと、まずアサーションを身につけるのが第一だと考えています。
そして次に意見を述べないのが適切なのはどういう場合かを学びつつ、ディスカッションとネゴシエーションを学んでいきましょう。
上にも書きましたが、ディベートは非常に危険なところのある方法ですので、学び方にも注意が必要です。急いで学ぶ必要はないと私は思っています。

その理由については次回に述べます。