先月下旬、長崎港。
早朝通りかかったら、灰色の船が港内に。
三菱重工業長崎造船所岸壁に係留していた艦番号115あきづき。
タグボート2隻でじーんわりと動かされていた。
艦首に波も立たないほどの最微速。
我がコンデジとの間に小舟進入。撮影阻止の構えか。
ものすごい数のアンテナ。てっぺんのはGPSか、それにしてもデカい。
海上自衛隊艦船、建造と点検、修理の一大拠点、三菱重工業長崎造船所の威容。
係留中の艦は、FFMと自衛隊が呼ぶ新タイプのステルス艦。
一年に2隻のペースで20年間建造を続ける。そのほとんどをここでつくる。三菱は割が合わないと考えた客船や商船事業から撤退し、艦船建造に注力する。
諫早で魚雷製造も続けて、大村湾の試射場も継続。民間企業との競争が生じる商船建造では勝てないとあきらめ、戦前回帰の軍事産業へ。
土佐の人、岩崎弥太郎が長崎へ来て事業を始めた。
小船は係船ブイに寄り、2人が乗り移った。
ナルホド、これにつなごうということか。
じんわり、じんわり、こんな遅い船は初めて見た。
キー―ン 猛烈な熱気を吐き出しながら、
ジェットエンジンで走るジェットフォイルが五島へ出航。
海上保安部の前を過ぎたあたりからスピードを上げ、水中翼で浮き上がる。こちらは川崎重工業の作品。
戦前は陸軍の戦闘機や爆撃機をつくっていた会社。軍事関係では神戸で自衛隊の潜水艦を建造していることくらいしか知らないが、民生品としてはこのジェットフォイルやオートバイを販売。
タグボートは1人で操船。
全体的な指揮はあきづきのブリッジでとっているのだろうか。あきづきのエンジンは動いていなかったようだから、2隻のタグが動きをコントロールしていたことは確かだ。
造船所でのこうした作業に海上自衛隊員は加わっているのだろうか。少なくとも甲板上に隊員の姿は見えない。ブリッジに幹部隊員が来ているのかもしれないが、こうした作業には不慣れだろうから造船所の人たちが取り仕切っているのだろう。
主砲とは呼ばれなくなった大砲。
武装のメインはこの後にあるミサイル32本。甲板上には蓋しかないため、この角度からは写らない。
右端の人はヘッドランプ着けていたから、前夜から準備作業していたのかも。青い服の人たちが三菱社員で、違う色の服を着ているのは下請け会社の人たちらしい。
撮り始めてから約20分、500mくらいを移動してようやくブイのところに着いた。
750億円の軍艦だ、どこかへぶつけでもしたら大変なことになるはず。
緑色のロープとは珍しい、自衛隊特製か、それとも三菱特製か。
艦首のこの人はナニする人ぞ?
時々、単眼鏡のようなものを両手で持ってこちらを見ていたようだった。テロ警戒?上空にはミサイルやらロケットやら、うるさいだけのJアラート。当方の近くにいた7、8人の釣り人もテロリストと疑われたか。
「今朝長崎港で、テロリストとみられる約10人を自衛艦が発見し‥」、 誤射、誤爆はなにとぞご勘弁を。
今日昼頃、長崎港を出て行った軍艦があった、おそらくこの艦。
定員200人を乗せて佐世保へ向かったか。それとも回航要員だけで、戦闘要員は佐世保で待っているのか。
これだけを見ていても、戦争をするにも時間と金、労力が莫大にかかることが実感される。すべて税金で賄われる。