「心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究」というデータ厚生労働省をご存知でしょうか?
研究データの一つですが、18歳未満の自死に関するデータであり、結論から言うと、
① 自死した子どもの80%が何らかの精神心疾患の状態が見られる。
これは、自死に関しては、いきなりそうなるのではなく、自死に向かう前には極度の抑うつ状態になって、行為に及ぶと言われます。
穏やかな精神状態ではそのようなこうはしないので、希死念慮と生きようとする狭間の中で抑鬱状態になるのだと私は思います。
衝撃的なのは2つ目です。
② 自死した子どもの多くは不登校を経験しており、そのほとんどが再登校していた。と言う事実です。
これは、再登校して学校生活に戻った後に何らかの要因で自ら命を絶っているのです。
「再登校できたので解決した。これで安心だ」と思うことはとても危険なことだと言えます。
再登校だけを目的としてしない今の学校の支援法は、周知が進んでいるでしょうが、普通は学校もどうにか登校や教室に入ってほしいと願い支援すると思います。もちろん、親御さんもそうでしょう。
子ども自身もどうしなければと思うことも多いでしょう。
このような意味では不登校の支援は難しいなあ、と改めて思います。
なんせ、命に関わることなのですから。
ことの本質何か?
それは、不登校は、あらゆる要因の結果であり、それ自体が解決の的ではないのです。
スポットを当てないといけないのは、「不登校の背景にある要因」なのです。
いじめ、学習の遅れ、仲間や先生などとの関係、音や集団に対する心理的負担感、発達の課題や特別な支援が必要な子に対する誤った指導、
進路など様々です。行かせようではなく、「要因の軽減や解決」がひいては不登校の状態を改善することにつながります。
最近、「短期間で学校復帰させる」という手法が取り上げられています。
親が変われば。と言われます。
ただ、健全な学級集団であることが大前提で、学級内で先生方の指導ができなかったり、反抗的であったり、いじめが放置されているような学級では、復帰して日々を重ねていくほど、親の喜びと裏腹に、子どもの心は弱っていきます。
こうなると、命に関わる危険な状態となります。
じゃあ、どうすればいいんだよ! と言われそうですのでスバリ言うと、
「親は再登校は後回しにして、生活リズムと心の健康を取り戻し、自己肯定感を高める支援をする。また、不登校の背景に目を向け、
負担になっているにはどんなことか、軽減できそうなことはないかを考える。時にドクターや学校外施設の力を借りる。学校に行けてない我が子でもかけがえのない私の宝というメッセージを送り続ける。」などがあります。
学校も、その子がもし学級に再登校した時、マイナスなメッセージにつながるような雰囲気や掲示物、ロッカーの中や机の中は綺麗に整理してあるかなどに気を配る。周囲の子がその子に対し、理解をし,心から受け入れ、一緒に過ごすことができる仲間が戻ってきてくれたよ喜べるような学級の雰囲気になっているか、からかいやいじめが起こる要素はないか。などに左右線の気配りをする必要があります。
学校外施設も「学校は行かなくてもいい」などと言い切らずに、子どもの幸せを家庭と学校と力を合わせる支援が必要です。
学校で最優先に気を配るべきことが、全くできていない場合、子どもは絶望し、ここに自分の居場所はないと感じ、いてもいなくてもいい存在であるのだと思うと私は考えます。
そうなると子どもの人生を歩もうとするエネルギーは枯渇していきます。
もしかしたらこうなった結果が最悪の結果になるのかもしれません。
大人が本当に考えないといけないことだと思います。