一昨日、2月12日月曜日は、建国記念日の振り替え休日でお休みでしたが、
実は日本の伝統では、別の意味もある日だったんです。
2月12日は初午(はつうま)の日だったんですよ。
初午の「午」は、干支の「午」のことです。
昔は、干支を年だけでなく、日にちにも当てはめていたんですね。
もちろん干支とは、子、丑(うし)、寅、卯、辰、巳、午…と続くあれです。
江戸時代までは、今日は寅の日とか、次の巳の日にとか、そう言って日にちの区別をしていたんですね。
考えてみたら、月曜、火曜…と続く一週間の考え方は西洋のものです。
きっと明治になって入ってきたものでしょう(すみません、ちゃんと調べていないので推測です)。
それまでは干支の日の12日間が一週間みたいなものだったのかもしれません。
そんな昔の呼び方では、2月12日が初午の日だったのです。
初午の日とは、2月最初の午の日を意味します。
そして、初午の日には、ある食べ物を食べる習慣が奈良時代からあったのです。
その食べ物とは…
お稲荷さん=稲荷寿司です。
奈良時代に、稲荷大神が京都の伏見稲荷に降り立ったという伝説があり、
そのため全国の稲荷神社では、初午の日に稲荷大神を祝うお祭りをしていました。
それが一般家庭にも広がり、初午の日にお稲荷さんを食べる習慣が伝統になったのです。
初午の日にお稲荷さんを食べると縁起がいい、商売繁盛、家内安全になるという伝統です。
だから、一昨日のお昼は、もちろん稲荷寿司をお出ししました。
お稲荷さんはご高齢者様の大好物です。
いえ、違います。大大大好物です。
だからご入居者様は大喜びして下さいました。
ご入居者様の世代、すなわち80歳代、90歳代でも、初午の日のお稲荷さんを覚えている方は少数派なのですが、
まあ、そんな縁起の良しあしなど関係なく、大喜びです。
しかも、うちのホームのお稲荷さんは2種類あったのです。
こちらが普通のお稲荷さんです。
見た目も中身も普通のお稲荷さんです。
うちの厨房手作りなので、と~っても美味しいですけどね。
そして、こちらが、ちょっと変わったお稲荷さんです。
見た目からして変わっていますよね。
こうして2種類並べてみると、外見の違いがはっきりわかります。
このお稲荷さんは、油揚げを裏返して使っているんです。
だから外見が異なるんですね。
そして中身も違います。
左のご飯が、裏返した油揚げに詰められます。
紅ショウガと白ゴマを入れた酢飯なんですよ。
ちょっと風味が異なったお稲荷さんに仕上がります。
2種類のお稲荷さんが楽しめて、ご入居者様は一層喜んでくださいました。
ちなみに、油揚げを裏返したのは、違いがわかるようにするためであって、調理上の意味はありません。
今回、一番大変だったのは厨房の皆さんです。
ショートステイも合わせて120人分。
お一人4個ずつですので、合計480個ものお稲荷さんを手作りしてくれたのです。
本当にありがとうございます。