施設長の若山三千彦が書く犬のエッセイです。
今回も、大喜と文福の続きですが、ミニエッセイになります。
★11年前の大喜&文福
大喜と文福がホームにやってきたばかりの頃は、私が散歩に行くときは、2匹を一緒に連れて行っていました。
数年後、現在のドッグトレーナーの先生(横須賀警察犬訓練所の先生です)から、2匹一緒だと、1匹、1匹をしっかりコントロールできない。
その結果、犬達がわがままな行動を覚えてしまい、結果として犬達が苦労することになる、と指導を受けて、人間1人に対して、中型犬は1匹まで。小型犬は2匹までと散歩のルールを定めました。
だから、その後は私1人で大喜と文福を散歩に連れていくことはなくなりました。
だから、2匹一緒に散歩に行ったのは、最初の頃だけの思い出なんです。
2匹一緒に散歩に行くと、文福は大喜に負けるもんかっ!と先を歩こうとします。
大喜は我関せずと悠々と歩いています。
しかし、文福はすぐに、がさ薮に頭をつっこんだり、小さな原っぱに突進しようとしたりと、脇道にそれてしまいます。
だから結局、大喜が先頭を歩くことも多いんですよね。
2匹一緒に連れて行くとコントロールできないと後に指摘されることになる訳ですが、
大喜は2匹一緒でも、リーダーウォークがほぼ完ぺきにできていました。
教える必要もありませんでした。
クールな大喜は、教えられずとも、人の隣で、歩調を合わせて歩いていたんですよ。
それに対して文福は、未だにわちゃわちゃです。
ぐいぐい引っ張りますし、あっちこっちに首を突っ込みますし、リーダーウォークどころではありません。
※リーダーウォークとは、飼い主(散歩する人)に従い、その斜め後ろ(通常は左後ろと言われます)を歩調を合わせてついていく犬の散歩法です。
だから、そんな2匹を一緒に連れて行くと、ぜんぜんペースがあいません。
クールでマイペースな大喜と、あちこち動き回るハチャメチャな文福。
文福に引きずられ、私も脇にそれていくと、仕方ないな、という顔をして大喜もついてきてくれます。
文福が茂みに顔をつっこみ、ガサガサやっていても、大喜は素知らぬ顔で歩き続けます。
大変な散歩でしたが、この上なく楽しかったです。
何よりも2匹とも若かったっ!
ホームに来た11年前、2匹の推定年齢は2~3歳。
現状を比べると、大喜はもう少し年上なのだと思いますが、当時は文福と同じように若かった!
あの、ハチャメチャな散歩も、大喜と文福の青春時代だったのだなと、懐かしく思い出しています。