コロナの5類変更について ~ヨミドクターのコラム~ | さくらの里山科公式ブログ ご入居者様とワンちゃん、猫ちゃん

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この記事は、昨日アップした物を加筆修正した物です。ご了承下さい。

 

 

施設長の若山三千彦が書く福祉エッセイです。

 

私は読売新聞が運営する福祉医療情報サイト「ヨミドクター」で「ペットと暮らせる特養から」というコラムを連載しています。

今は、毎月第一月曜日の掲載なのですが、今回は番外編なので、急きょ掲載日を変更して、昨日アップされました。

 

下にURLを貼ります。

 

コロナ「5類」決定、特養施設長の生の声…うれしいが、サポートなくなれば介護現場崩壊 | ヨミドクター(読売新聞) (yomiuri.co.jp)

 

また、本日、その記事が、ヤフーからも配信されました。

 

コロナ「5類」へ 特養施設長「うれしいが、サポートなくなれば介護現場崩壊」…入居者は2か月で4人亡くなる(読売新聞(ヨミドクター))のコメント一覧 - Yahoo!ニュース

 

今執筆しているブログは、このコラムと連動する内容ですので、まずそちらをお読み頂いてから、この記事をお読み下さると嬉しいです。

 

ヨミドクターで急きょ掲載したコラムは、コロナの5類変更に関することです。

しかし、限られた時間と文字数で、焦って書いたために、不十分な内容になってしまった部分があります。

そこで、この記事を書く事にしました。

ちなみに、番外編でなく、本来2月に掲載を予定していたコラムは、虹の橋に旅立ったチロに関するものです。

そのコラムは、2月20日(月)にアップされることになりました。

チロが余命3カ月の飼い主さんと一緒に入居してから、先月虹の橋に旅立つまでの日々を描いたものです。

ルイとの絆に関する話も入っています。

我ながら、なかなかいいコラムを書くことができたと思っていますので、ぜひご覧頂けると嬉しいです。

 

本題に入りましょう。

 

私が書いたコラムは、ヤフーでは既に多数のコメントが寄せられています。

予想していたことですが、賛否両論で、激しく批判するコメントもあります。

その批判内容には、私も同感できるものが多いです。

私も自分が書いた意見が正しいと自信を持っている訳ではなく、反対の意見を考えることもあります。

それ位、これからのコロナ対応は難しい問題だと思っています。

 

さて、コロナが2類から5類に「格下げ」されることになりました。

ヨミドクターで書いた通り、基本的には嬉しいことです。

ご入居者様に、逼塞した生活をこれ以上強いるのは限界ですから。

しかし、政府が発表している、「コロナは季節性インフルエンザと同レベル」という点には同意できません。

これもコラムで書いたことですが、うちのホームでは昨年11月から今年1月までの2カ月間で起きたクラスター感染で、23名のご入居者様が感染し、その内4名がご逝去されました。

それに対して、ホームの創設以来の約11年間で、インフルエンザに感染したご入居者様は10名未満。ご逝去は0です。

うちのホームの経験では、現在のコロナとインフルエンザが同じ感染力とは到底思えませんし、致死率、重症化率は比べ物になりません。

 

しかも、コロナ感染については、感染者(陽性になった方)を厳重に隔離し、同じユニットで感染していないご入居者様も準隔離体制をとっての結果です。

コロナ禍前もインフルエンザやノロウィルスを警戒して、一般よりはかなり厳しい感染予防策をとっていましたが、それは現在の感染予防策とはレベルが違います。

インフルエンザの感染したご入居者様については、緩やかな隔離療養体制をとっていましたが、今のコロナ感染者に対する厳重な隔離体制とは、やはりレベルが異なります。

 

例えば、現在のコロナ感染者は、申し訳ありませんが、お部屋にポータブルトイレを置いて、それを使って頂いています。

以前のインフルエンザ感染者は、部屋の外にある共同のトイレを使ってもらっていましたが、現在のコロナ感染者はトイレも部屋の中で行い、一切部屋の外には出ないようにしています。

 

このような厳重な隔離体制をとっていても、感染は広がってしまい、上述の結果となってしまいました。

かつてインフルエンザに感染したご入居者様がいた際は、そこまで厳重な隔離体制をとっていませんでしたが、感染拡大は起きませんでした。

私の経験に基づく主観的な意見になりますが、現在のコロナは、感染力、致死率、重症化率が季節性インフルエンザより、はるかに高いと実感しています。

 

実は、上記のような厳重な隔離をすることは、ご入居者様の人権を侵害しています。

それができたのは、コロナが2類だったからです。

緊急事態宣言や、まん延防止措置が適用されいる期間はもちろん、適用されていなくても、コロナが2類だったから、通常は許されない特別措置ができました。

 

しかし、コロナが5類になり、インフルエンザと同等の扱いとなると、特別措置ができなくなる恐れがあります。

感染者の完全隔離を初めとする、厳しい感染対応ができないとなると、一気に感染拡大する恐れがあります。

感染するご入居者様が何倍にも増える恐れがあります。

その結果、死者数も激増するでしょう。

そうなったら、ホームは崩壊してしまいます。

もちろん、うちのホームだけの話ではありません。

日本中の老人ホームが壊滅してしまう恐れがあると思っています。

 

もちろん、政府も、無策でコロナを5類に格下げするとは思っていません。

高齢者のコロナワクチンと治療費の無償化をはじめ、様々な施策を検討しているものと期待しています。

そこでは、高齢者の入居施設のご入居者様がコロナ感染した際の対応方法を必ず検討して頂きたいです。

感染したご入居者様の完全隔離をしていいのか(人権侵害にならないのか)、

隔離をしていい場合は、隔離期間はどうするのか、

感染したご入居者様のケアをする職員は防護服を着用していいのか(防護服等を装備して対応することが、感染者の差別だとみなされる恐れがあるので)

このような点を検討し、私達介護施設側に、一定の指針を示してほしいです。

 

その指針なしにコロナが5類になったら、介護施設は大混乱しますし、感染爆発で崩壊してしまう所が多数出るでしょう。

 

うちのホームでも、4名のご入居者様がコロナで亡くなってしまいましたが、私達はご入居者様の命を守るために全力で戦っています。

全国全ての介護施設の職員達が全力で戦っています。

ご入居者様の生活を取り戻すために、コロナを5類にすることは大賛成ですが、コロナと戦うための武器を奪われてしまっては困ります。

政府にはぜひ、このことをしっかり考えて頂きたいです。

 

もう一つ重要なことがあります。

私は、コロナが5類になった後も、厳しい感染対策を常にとる必要があるとは考えていません。

コロナ感染に波があることは、私達はもう、よ~くわかっています。

現在は感染の第8波ですよね。

今後、感染の波が来ている間は、ある程度厳しい対策をとり、波が収まっている間は、できるだけコロナ前と同じ生活を送りたいです。

それも、どこまで厳しい対策をとっていいものか、あるいはとるべきなのか、公的な指針が必要です。

 

感染したご入居者様に対する対応方法と、感染の波が来ている間の感染対策方法

この2つの点に関する公的指針を示してほしいという、非常に重要なことを、ヨミドクターのコラムで書き洩らしてしまいました。

ただ、ヨミドクターのコラムにも、医療面のサポートが必要など、重要なことを書きましたので、ぜひヨミドクターと合わせ読んで下さい。

 

私の勝手な思を、ここまでお読み下さった読者の皆さま、ありがとうございました。