施設長の若山三千彦が書く犬のエッセイです。
私は、読売新聞社が運営する、福祉医療情報サイト・ヨミドクターで、コラムを連載しています。
先月までは毎月2回の連載だったのですが、今月からは月1回、第1月曜日の連載となりました。
今月のコラムは、10年前に8ヶ月だけ暮らした、もえちゃんの思い出について書いています。
保護される前のもえちゃんの悲惨な生活など、具体的なことは、そのヨミドクターのコラムで書きましたので、
こちらのブログのエッセイでは、思いつくままに、もえちゃんの思い出を語っていきたいと思います。
「もえちゃん」の幸せな8か月間…悲惨な繁殖犬が最期につかんだ楽しい日々 | ヨミドクター(読売新聞) (yomiuri.co.jp)
もえちゃんは10年前の2012年4月、まだ開設間もないさくらの里山科にやってきました。
2-2ユニットに最初に入居したワンコです。
とっても可愛い柴犬の女の子でした。
ちなみに、ホームに最初に入居したワンコは文福です。
2012年4月、ホームの開設直後にすぐやってきたのが文福です。
だから、文福は、ワンコと猫と人間と、全てを合せて一番最初の入居だったんです。
文福の次がもえちゃんだったか、大喜だったか。
もえちゃんも大喜も、文福の少し後、4月半ばに入居しました。
多分、文福→もえちゃん→大喜、という順番だったのだと思います。
ご覧の通り、とっても愛らしいルックスの芝ワンコでした。
外見の通り、とっても優しい性格で、ご入居者様皆さんから愛されました。
とっても優しかったのですが、それでもやっぱり女の子!
同じ2-2ユニットに入って来たプーニャンに対しては、しっかり姉御として仕切っていました。
プーニャンも、いつも、もえちゃんを姉御として立てており、慕っていました。
もえちゃんとプーニャンは、姉御と弟のナイスコンビになりました。
ちょうど体格も同じ位。
どちらも穏やかな性格。
2人は相性は抜群でした。
共に穏やかな性格だったので、ワンコプロレスはあまり見られませんでしたが、
よく寄り添って寝ていました。
残念ながら、肝臓も腎臓もかなり悪い状態だったもえちゃんは長生きできませんでした。
4月にホームに入居して、わずか8カ月後の12月、突然倒れて、虹の橋に旅立ってしまいました。
私が、もえちゃんの悲惨な過去を知らされたのは、もえちゃんが亡くなった後のことです。
あまりにも悲惨な人生を送って来たからこそ、
ホームでもえちゃんは、あれほど幸せそうだったのでしょう。
そして、その微笑みは、最高に幸せそうなのに、どこか儚げだったのでしょう。
わずか8ヶ月ですが、私達の心に決して忘れ得ぬ印象を与えたもえちゃん。
もしかするともえちゃんは天使になって、今でもさくらの里山科を守ってくれているのかもしれません。