この記事も、施設長の若山三千彦が勝手なことを書くエッセイです。
日本人の国民食とは?という自己流のエッセイに、コメントを頂きありがとうございます。
やっぱり、お寿司が上がっていましたね。
そして、とんかつ、確かにそうかも!っていう感じです。
老若男女が大好きですし、北から南まで全国人気です。庶民の食卓にも上れば、専門店もあります。
もちろん、「がつん!」というパワーもあります。
そして、漫画「美味しんぼ」では、「とんかつが食べられる程度に偉くなりなよ」という名セリフがあります。
特別に偉くならなくてもいい、とんかつが食べられる程度に(稼げるように)なれよと、若者を励ますシーンです。
これはもう、とんかつ(ソース込み)は国民食で決まりですよね!
今回は、国民食と重なる話題として、海外で暮らしていた時に食べたくなった日本料理についてちょっと話させて下さい。
私は若い頃、1990年から1994年まで、ヨーロッパのアイルランドという国で暮らしていました。
イギリスの隣にある小さな島国です。
北欧のアイスランドとは違います。念のため。
当時のアイルランドは、日本人はまだ少なく、日本食レストランは一軒だけ。
日本の食材もほとんど手に入らないような状況でした。
だから、そこで長く暮らしていると、日本食が食べたくて仕方ないという思いに襲われることがありました。
そんな時に、どうしようもなく食べたかったのが…
寿司、すき焼き、天ぷら、ではありません。
そういう高級料理は、意外と食べたくならないんですよね。
当時から回転寿司も、小僧寿しもありましたが、それでも、しょっちゅうお寿司を食べている訳ではありませんから、海外にいて食べられなくても、あんまり日本にいた時と変わらないんですよね。
それに、新鮮な魚が手に入った時は自分達で寿司を作っていました。
春菊はなくても、牛肉と野菜ですき焼きは作っていました。
天ぷらもできます。
だから、これらの料理は特に食べたくならなかったんですよね。
食べたくなったのは、やっぱりラーメンです。
インスタントの袋麺を持ち込んでいたので、時々はラーメンを食べられたのですが…
ちなみに、私も含めて日本人は皆、カップ麺ではなく袋麺を持ち込んでいました。
かさ張るカップ麺はいくらも持てませんからね。
カップ麺10個を持ってくるよりも、袋麺30個を運ぶ方が楽ですよね。
そこまでしてラーメンを食べていたのですが…
そこまでしてラーメンを食べていても、日本のラーメン屋さんに行きたいなという願望、いえ衝動は強かったです。
カレーライスも同じです。
アイルランドでもお米は売っているので、ご飯は炊けます。
だから日本からレトルトカレーを持ち込めばカレーライスが食べられました。
レトルトばかりじゃありません。
カレーのルーを持ち込めば、肉もジャガイモも、玉ねぎにニンジンも手に入りますから、カレーが作れました。
そこまでしてカレーライスを食べていても、日本のレストランでカレーを食べたいなと感じていました。
から揚げは、どうしても食べたい!という衝動は沸きませんでした。
チャイニーズレストランで、から揚げに近い物を食べられたからだと思います。
牛丼も、自力で作れたので、あまり願望はしませんでした。
おでんは食べたかったですね。
おでんのネタは全く手に入らなかったので、自力では作れず、常温で持ち運べるレトルトもありませんでしたから。
特に一杯やっている時は、おでんが食べたいなーって、しみじみ思いましたね。
餃子は、チャイニーズレストランで食べられました。
チャイナマーケットで餃子の皮を買ってきて、自力で作ってもいました。
餃子は日本人の国民食に認定しましたが、基本は中華料理ですからね。
トンカツ&かつ丼は、食べたいなーって熱望しましたね。
自力で作ったみたのですが、似て非なる物で…。フライドポークでしたね、あれは。
だから、日本のトンカツが食べたかったです。
そして、他に食べたかったのは…
お煎餅です。
日本からのお客様は、皆さん、高級な和菓子をお土産に持ってきて下さるんですよね。
中には、浅草の老舗のアラレ、という場合もありましたが。
違うんです。
安い、袋菓子のお煎餅が食べたかったですね。
という訳で、お煎餅は国民食ならぬ国民菓子になるかなと思ったのですが…
私の場合、お煎餅が食べたくなったのは、海外で暮らしていた時だけでした。
日本に戻って、いつでも好きな時にお煎餅が買えるようになったら、意外と食べていません。
ということは、お煎餅は国民菓子ではなく、海外で懐かしくなる日本の味の代表ですね。