ブルネロ・クチネリ社への企業訪問記
Part 1・2からの続きです。
※カオラボメンバー様へ
この記事最後に【カオラボシェア会】の
お知らせがございます。
このような企業が育つ土壌
クチネリ社内ツアーをしている中
ふと
「時価総額いくらくらいなのかしら」
と思ってその場にいらしたアナリスト
村瀬氏にうかがいましたところ
一兆円企業とのこと。
これまたびっくり。
そもそも日本では生まれにくい
企業の形かと思われますが
仮に日本に存在したとして
”人口500人の小さな村で
アパレル企業として
地域と共存しながら展開”
と聞くとイメージできる規模は
そう大きくありません。
ですからこの企業が
時価総額１兆円まで成長できる
（イコール、見守り育てることができる）
成熟した土壌がある
ということに驚きとともに感動します。
ヨーロッパ、そして
このイタリアという国の
長い歴史に裏打ちされた
奥深さに触れたような気もした瞬間でした。
カシミア企業との繋がり
カシミアの商品から出発した企業ですから
質の良いカシミア素材を
どのように調達しているのか
についても興味があるところでした。
ファクトリーに飾ってあった広告写真。
動物好きの私の目に飛び込んできました。かわいい。
カシミアはこの子たちのうぶ毛を漉いて作られます
IR担当ピエトロさんは
こちらから聞くまでもなく、
そのあたりももれなく
説明してくださいました。
上質な素材を提供するCARIAGGI社。
株式の半分を経営家族が保有
残り半分をCHANEL(シャネル)から
”半々で持ちませんか”と打診され
現在シャネルとクチネリ社で
出資保有しているそう。
製品のクオリティを
絶対的に上質に保つには
上質素材の安定的な調達が欠かせないもの。
カシミアの質と伝統を守る
この会社に投資することで
素材も相手企業も守れる。
理想の形に思えます。
ちなみにこのカリアッジ社の素材は
質の高さやイタリアならではの
素晴らしい発色で世界中のブランドに
使われています。
地域社会との共生・真の幸福を追求する姿
古城を改装したブティックは
静謐さが漂い、深呼吸したくなるような
すがすがしく、素晴らしい空間でした。
ソロメオの工房で丁寧に作られた
製品が整然と並び、
私たちを迎えてくれます。
クチネロ社はこの村の400の工房と契約し
また地域の公園や建物の整備も
財団で手がけながら
地域全体との共生を図っています。
この広告写真のランチテーブルは実際に
この村で行われたイベントだそうです。
素晴らしくて映画のよう！
このように地域社会と
なにより働く人たちへの配慮など
人の真の幸福を追求する姿勢が
この企業の根底にあると感じます。
創業者の掲げる「人間資本主義」の理念に、
心から共感します。
絶対的ラグジュアリー
一昨年あたりからファッション界で
ささやかれはじめた
”クワイエット・ラグジュアリー”。
”静かなるぜいたく”
それは
うるさすぎない佇まいで
静かにひっそりとしている
わかる人にはわかる
たまらなく上質で実はぜいたくな衣類
そんなブランドも注目されているのです
以前こんな記事を書かせていただきました
このクワイエット・ラグジュアリーの
ひとつと言われるブルネロ・クチネリ社は
今のこの時代の潮流を
まさしく捉えていないでしょうか。
わかりやすいアイコンやロゴのある
既存のラグジュアリーブランドとは
あざやかな一線を画し、
本来のラグジュアリーさを求める
顧客層に向けて発信し続けています。
内面的な豊かさ、
品質への深いこだわり、
そして社会への貢献を重んじる姿勢。
これらは、SDGsに関心の高い
現代の若者も含めあらゆる消費者が
今求められるラグジュアリーの形の
ひとつだと思うのです。
ピエトロさんがおっしゃった
一言が忘れられません。
「私たちが目指すのは
絶対的ラグジュアリー」
そこにあるのは
価格が高いものを目指すのではなく
価値が高いものを提供していく姿勢。
この旅は、単なる企業視察を超えた、
深い学びと感動の体験でした。
訪問記はここまでとなります。
お読みくださいまして
ありがとうございました。
素敵なリカルドさんと記念写真
Riccardo Stefanelli Co-CEO/
Co-Managing Director at Brunello Cucinelli Spa.
末筆ながら関係者のみなさまへ
普通願っても叶うことのない
企業へ視察に同行させていただけたこと
さわかみ投信の澤上龍社長はじめ
スタッフの皆様、参加者の皆さまに
心からの感謝を申し上げます。
現地で私たちを案内してくださった
ピエトロさん（Mr.Pietro Arnaboldi
Investor Relations & Corporate Planning Director）
そしてずっとついてくださった
ミラノ在住の通訳の方にも心から御礼申し上げます。
皆様の今後ますますのご活躍ご発展を
お祈りいたしております。
ブルネロ・クチネリ社公式サイト
https://www.brunellocucinelli.com/ja/
https://www.brunellocucinelli.com/ja/home.html
下記参考までに
音声「ブルネロ・クチネリ」図書館とG20でのクチネリ氏スピーチについて
経済産業省「これからの時代のラグジュアリーと 海外需要獲得に向けて」
ではまた！
チャーちゃん部長のあくび