今回の一般質問で、障害者施策については、6月に施行された条例をふまえて学校教育での対応を聞いたのと、精神障害のある人の地域生活支援について質問しました。今回のブログでは前者をご紹介します。

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(かとうぎ桜子)

障害者施策について伺います。

まず、障害者の意思疎通支援について伺います。

練馬区では6月に「障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例」が施行されました。

これを機に様々な場面で障害のある人の意思疎通支援と手話言語の普及が進むことを期待したいと思いますが、今回はその中でも、学校教育との連携について伺います。

区立の小中学校には、発達障害や聴覚障害をはじめ、多くの障害のある子が通常学級に通っていると思います。

学校教育の中で障害のある人のことを学ぶ機会を作ることは、一般的な啓発として必要なだけではなく、通常学級に通う障害のある子に対する合理的配慮を進めるためにも重要です。

以前議会で、学校教育における手話の教育について質問した際の答弁では、「小中学校の学習指導要領には、手話の学習は記載されていないため、基本的には教科で手話は学習しない。総合的な学習の時間で取り上げることはある。」ということでした。

障害のある人とのコミュニケーション方法や配慮のしかたを教育の中でどのように取り扱うのが有効か、福祉やユニバーサルデザインのノウハウを教育現場に活かすことができるよう、指針を示すなど進める必要があると考えますが、区の見解をお聞きします。

 

【回答:教育振興部長】

区立小中学校における障害者理解を深める取り組みについては、練馬区教育・子育て大綱の重点施策に掲げています。

都教育委員会の人権教育プログラムを参考に、小中学校の総合的な学習の時間などにおいて、特別支援学校の児童生徒との交流や、アイマスクや車椅子などを活用した障害疑似体験を行っています。また、小学校の国語や道徳では、点字ブロックや信号機の音声案内を題材とした学習を通じて、視覚・聴覚障害者への理解を深めるとともに、中学校の国語や社会では、障害がある方の社会参画や共生社会を題材とし、互いに認め、尊重し合う社会について考える活動を行っています。

区立小中学校に送付した、練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例のリーフレットについても、授業などにおいて活用してまいります。

こうした取り組みを着実に進め、障害のある方とのコミュニケーションを図ることをはじめ、障害特性を踏まえた配慮を習得するよう指導の充実を図ってまいります。

 

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授業の中でどのように取り上げていくか、ということは、色々な意見があるかもしれません。ただその中で、アイマスクや車椅子体験ではない方法が良い、という意見もあります。というのは、普段障害のない人がいきなりアイマスクをして見えなくなったり、車椅子に乗っても、それは障害のある人と同じ体験ではないからです。生まれたときから見えない状態で生活している人と、今いきなりアイマスクで目をふさいだ人が同じ状況なわけがないですよね。いきなり見えないと怖いし、不便ばかりを感じる。障害があるってこんなに怖くて不便なことなのか、というネガティブなイメージを持たれるのでは、障害のある人の実態とは違うから、そうじゃない体験をしてほしい、という意見があります。

なので、今やるべきことは、どんなプログラムをすることがより良い形の障害理解につながるのか、当事者の意見を聞いてプログラムを作る機会を作ることではないかと思います。ぜひ、条例ができたのを機に、障害のある当事者の意見を聞いたプログラム作りなども取り組んでほしいなと思います。