前回のブログでは、学校の休校対応を迫られた放課後等デイサービスの対応状況について質疑した内容をご報告しましたが、今回は介護保険の通所について。

 

 

今回のコロナウイルスによる介護保険の通所事業所の疲弊は、放課後等デイサービスとも成人の障害者の通所とも少し違うような感じがして(あらゆる事業所の話を聞いているわけではないので、私の主観でしかありませんが)、それは何なのかなぁと考えながら調べていたのですが。

 

質問をした2020年6月の段階での、介護保険の通所施設に出されている国からの文書

①台風被害の時の対応に準じて、事業所が利用者のニーズを確認し、清拭・部分浴など入浴介助に準ずるサービスを提供していると認められるときは、入浴介助加算又は入浴介助体制加算の算定が可能。2月17日第1報

http://www.sakurako-nerima.com/2020217kourou.pdf

②提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分(通所系サービスの報酬区分)を算定する。

当該利用者に通常提供しているサービスに対応し、1日に複数回の訪問を行い、サービスを提供する場合には、それぞれのサービス提供時間に応じた報酬区分を算定できるものとするが、1日に算定できる報酬は居宅サービス計画書に位置付けられた提供時間に相当する報酬を上限とし、その場合は、居宅介護サービス計画書に位置付けられた提供時間に対応した報酬区分で算定する。

2月24日第2報

http://www.sakurako-nerima.com/20200224kourou.pdf

③休業要請を受けた場合、通所系サービス事業所が、休業の要請を受けて、健康状態、直近の食事の内容や時間、直近の入浴の有無や時間、当日の外出の有無と外出先、希望するサービスの提供内容や頻度等について、電話により確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日については、1日2回まで、相応の介護報酬の算定が可能である。

休業要請を受けていない場合、通所系サービス事業所が、健康状態、直近の食事の内容や時間、直近の入浴の有無や時間、当日の外出の有無と外出先、希望するサービスの提供内容や頻度等について、電話により確認した場合、あらかじめケアプランに位置付けた利用日については、1日1回まで、相応の介護報酬の算定が可能である。

4月7日第6報

http://www.sakurako-nerima.com/20200407kourou.pdf

④在宅支援についてまとめたリーフレット

http://www.sakurako-nerima.com/20200428leaf.pdf

 

区からの通所の取り扱いについての説明

http://www.sakurako-nerima.com/20200501nerimaku.pdf

 

3月~6月の間の時期によっても違いがあるようですが、私が質問した6月中旬の段階で練馬区内で休業している通所施設は1か所だけだということでした。

今回、(1)感染者が出たなどの理由で行政からの要請を受けての休業、(2)事業所としての自粛としての休業、(3)また事業所そのものは休業しないけれど利用者が自粛する場合ということが考えられます。

(1)はない。(2)は1か所だけ。そうするとほとんどはあるとしたら(3)ということになります。

利用自粛をしている利用者に訪問や電話で支援をした場合に報酬が算定できますが、介護保険のデイサービスの報酬区分は「3時間以上4時間未満」「4時間以上5時間未満」というように、1時間単位の利用時間で決められています。そして、訪問、電話での支援が2時間未満であれば、報酬算定できるのは「2時間以上3時間未満」となります。1日2回訪問した場合は、2回分の訪問の支援時間を合計した時間で報酬算定をします。

通常、通所する場合、2時間ちょっとで帰る人は多くはないと思いますので、多くの利用者の場合、在宅支援になったら事業所にしてみたら報酬減になります。また、事業所自体が休止しているわけではない中で、何人かの利用者が在宅支援を利用している場合、通所事業も運営しつつスタッフを訪問に割くことが困難な場合も多いと思われ、その場合は電話による支援になるでしょう。そうすると確実に訪問支援よりは支援時間は短くなり、報酬も少なくなります。

一方、利用する人にしてみれば、介護保険サービスは利用料がかかります。普段通所していた事業所が声をかけてくれるのはうれしいけど、電話が来ただけで2時間通ったのと同じ利用料を払うというのは納得がいかないと思う方もいるのではないでしょうか。

そして、介護保険については、前回ご紹介した放課後等デイサービスのように、利用料の助成ということは今回の補正予算にはありません。

 

利用料を払うことに躊躇すれば在宅支援も利用しないという状況になった人にはどんな代替の支援がとれたのか、あるいはとれなかったのか。今後再度コロナが流行した時に、どんな支援があれば利用者にとって最も良い状態になるのか。しっかり検証していく必要があります。

また、介護保険という保険制度のしくみの中で、利用料助成という形での支援を入れることの難しさもあるようです。国の制度設計も含め、問題提起が必要であると思います。

 

これだけの内容のことを、質問時間の残り短い中で早口で質問しましたので💦、以下のような短い質疑となりました。

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(かとうぎ桜子)

介護等従事者等特別給付金に関連して伺います。

これは介護事業所で継続したところの支援ということですけれども、事業所自体継続していても利用者が利用を自粛しているという場合っていうのが放課後等デイサービスと同じようにあると思います。

特に、介護保険はやっぱり皆さん利用料金が発生しているので、在宅支援というところがなかなか理解が得られづらい部分もあったのではないか、それが介護事業所の厳しさにも繋がるのかなというふうにも思います。

利用料の助成や事業所に対する支援の充実も必要ではないかというふうに思います。

今後に向けて、通所できない期間が生じた場合に利用者に対する支援策どんな支援が一番利用者にとって望ましいものなのかという検証と充実が必要ではないかと思いますけれども、区の考えをお聞きします。

 

(介護保険課長)

介護サービスについては自立支援や重度化予防に資するものであると考えております。

区としては利用者が利用自粛をしたサービスまたその理由、サービス再開を現在しているかの有無、現在の心身の状況等のサービスの利用に関して、ケアマネジャーの団体と連携して調査を行う予定です。

今後のこのようなサービス利用者の実態を把握した上で新型コロナウイルス感染拡大の第二波第三波の到来を見据えて、利用者の心身の機能の維持に必要なサービスについて検討していきたいと考えております。

 

(かとうぎ桜子)

感染対策もとても重要ですけれども、やはり障害のある方やご高齢の方にとって望ましい生活ができるような支援を考えていっていただければと思います。