2019年9月30日の決算特別委員会、全款補充質疑では、男女共同参画について質問しました。

以前にも議会で取り上げましたが(こちら)、来年度に向け、次期の男女共同参画計画の策定の検討を進めていて、現在は区民の方たちが参画する男女共同参画推進懇談会で議論されています。

その中で、「懇談会としてパートナーシップ制度を検討すべきと提言しているのに、素案にはまったく触れられていない」ということが課題として出されていました。区がいうように制度化することへの課題があるにしろ、それも含めて検討を進めるべきテーマであることは計画に盛り込むべきではないかと指摘しました。また、女性活躍推進法に基づく計画部分が、どちらかというと女性に努力を求める記載のように読み取れるという点も懇談会で指摘がありました。そうではなく、女性活躍推進に向けての社会的障壁をどうなくすかという目標設定が必要ではないかという趣旨で取り上げました。そして、健康、福祉などの分野に関しては、それぞれの分野の計画に書かれていることをただ再掲するような形で取り上げるのではなく、男女共同参画の観点からの捉え直しが必要であるという点も(これは前にも指摘しているのですが)改めて指摘しました。

 

(かとうぎ桜子)

男女共同参画施策経費について伺います。

以前、男女共同参画推進懇談会が提言をまとめるという段階で、懇談会の委員からの意見の内容や男女共同参画計画の策定に向けた検討状況を伺いましたが、その後の進捗の状況について、まず伺います。

 

(人権・男女共同参画課長)

本年3月に懇談会から提言をまとめていただきました。第5次の男女共同参画計画に対しての提言です。9月の第5回の懇談会におきまして、事務局、区の方からたたき台を出してご議論いただいている状況になっています。

 

(かとうぎ桜子)

今、ご説明いただきましたけれども、今、資料として計画素案のたたき台と、あと、資料の中に委員からの意見をまとめたものも出されています。その中からいくつか伺いたいと思うのですけれども、まず、パートナーシップ制度については、提言の中でかなり述べていたのに対して、今回のたたき台には全く載ってない理由として、現行法規との整合性などさまざまな課題があるから、今回は記載していないということが書かれているのですけれども、それに対して、既に他の自治体でも取り組まれている中で、議論や検討の必要性すらも全くふれられていないのはいかがなものだろうかという意見が委員から複数出ています。そのことについて、区の考えを伺います。

 

(人権・男女共同参画課長)

パートナーシップ制度につきましては、議会でもさまざまなご答弁させていただいたところです。いわゆる性的マイノリティの方に対することについては、大きな人権課題の一つと区としては考えています。まずは区民への理解促進との事業を進めていく考えです。

ただいまありましたけれども、現行法規との整合性ですとか、効果について国や都の動向を注視していく考えです。

 

(かとうぎ桜子)

さまざまな課題があるにしても、「取り組んでいかなければいけない問題である」ということについては計画の中に盛り込んでいくべきではないかと思いますので、今後、計画を策定する中ではしっかり検討していっていただきたいと思います。

 

計画の中に、女性活躍推進法に基づく市町村推進計画も含まれるようですが、区としてはどういう点を計画のポイントとして考えているのかお聞きします。

 

(人権・男女共同参画課長)

女性活躍推進法に基づく市町村推進計画については、現行の計画でも取り組んでいます。ハローワーク池袋との連携事業の充実ですとか、事業者、産業団体等の意見を踏まえまして、事業者向けのセミナーなどさらに力を入れていきたいと考えています。

 

(かとうぎ桜子)

この部分に関する計画の中の記載についても懇談会の中ではさまざまな意見が出ているようですので、女性が働いたり社会で活動する際の課題はどこにあるのか。地域でできる取り組みについて明確にしていくという形で取り組みをしていただければと思います。

 

たたき台の中で、特に健康や障害者支援、高齢者支援、外国人への支援という点については、男女共同参画の観点があまり含まれておらず、この計画の中に位置づける意図が明確ではないのではないかという意見も出ていました。私もそれぞれの項目について、男性であることや女性であること、あるいは、それぞれのらしさを求められることと関連して生じる課題をもっと明確にするべきではないかと思います。

例えば、障害のある女性が障害者差別と女性差別とが複合した困難を持つことや、高齢の男性の自殺死亡率が高いことなど、男女共同参画の視点から見えてくる社会的課題を明確に捉える必要もありますし、都の計画には、性差に留意した医療といったことも取り上げられていますので、こうした観点も含めて今後の改善目標をしますことが計画には求められているのではないかと考えるのですが、区のお考えをお聞きします。

 

(人権・男女共同参画課長)

懇談会でも、今、委員のお話にありましたように網羅的であるといったご意見があった一方、男女共同参画に特化すべきといった意見、さまざまございました。今後、実施いたしますパブリックコメント等も総合的に勘案いたしまして、区として第5次男女共同参画計画を策定していく考えです。

 

(かとうぎ桜子)

せっかく作る計画ですので、しっかり男女共同参画の観点での課題を整理して今後の計画づくりをしていっていただければと思います。

 

時間がなくなってしまったのでこれで終わります。