2月27日に予算特別委員会のこども家庭費の質問の日に、児童虐待を防ぐために地域でできることについて質問しました。

要支援ショートステイのことは今までも何度か取り上げていて(こちら)、その進捗の確認からの質問です。

---------

〈かとうぎ桜子〉

子ども家庭支援センター維持運営費に関連して伺います。

今年度から要支援ショートステイが実施されていますが、実際始めてみての実施の状況をまずお聞きします。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

要支援ショートステイ事業は、12月から練馬区母子生活支援施設で実施を開始いたしました。12月から1月末までの間に2名の児童が延べ32日間利用させていただきました。

事業の利用にあたりましては、保護者および児童の支援目標を立てています。

これらの児童については、保護者の著しい育児疲れからの休息、また児童においては、基本的な日常生活ができるようになったという報告を聞いております。

 

〈かとうぎ桜子〉

今回の予算の資料の中に、「要支援ショートステイの対象年齢の拡大を検討する」とあります。

具体的にどのような検討を進めていくお考えかをお聞きします。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

今年度の事業は、2歳から12歳を対象としていますが、0歳から1歳および13歳から17歳の児童におきましても、同様の支援が必要な場合があると考えております。

0歳から18歳までの児童虐待を防止するために年齢の拡大が極めて必要であると感じております。現在、区のショートステイ事業を受託しています、他の2施設の事業者とも今後、同事業が実施できるよう平成30年度以降協議を開始していく予定としております。

 

〈かとうぎ桜子〉

少なくとも児童福祉の対象となる18歳までの年代の中で、支援の切れ目が生じないような対応を考えていく必要があると思います。

児童虐待というと、一時保護を要する事例が注目されがちかと思いますが、それだけではなくて、地域の中で親子をどうサポートできるかも重要で、そのために地域の生活の中で子どもと家庭を支える体制づくりが重要だと思います。

そこで、現在行われている見守り訪問事業と施設巡回の実施状況についてお聞かせください。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

今年度から、見守り訪問事業と施設巡回を地域の子ども家庭支援センターに委託して開始をしております。

見守り訪問事業については、12月末までに20名の児童を対象に延べ65回訪問をいたしました。

また、施設巡回は、区内の103施設を巡回しました。

来年度は、見守り訪問の対象を子育てのひろばを利用している方、または、赤ちゃん訪問を実施した後で、さらに支援を必要とするような保護者にも拡大していくことを検討しております。

 

〈かとうぎ桜子〉

以前の議会で、「見守り訪問については保護者の同意を必要とすることから、必要に見えるご家庭であっても、同意が得られなければ実施できないという課題がある」と言われていたかと思います。

そういった点については、どのようにお考えでしょうか。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

継続的な支援を、子育て支援サービスを通じて見守れる場合には、継続して支援をしてまいりたいと思いますが、保護者の家庭の中で見守ることが危険と判断した場合には、児童相談所の援助要請をしてまいりたいと考えております。

 

〈かとうぎ桜子〉

地域の子どもと家庭を支えるためには、こどもと家庭の福祉にかかわるさまざまな立場の人が見守ることが大事です。

一方で、児童虐待のおそれというとてもデリケートな問題を扱うことから、個人情報の問題もあると思います。

そこで、例えば保育園とか、委託をしている子ども家庭支援センターであるとか、子育てのひろばなど、こどもや保護者が日常的に来る場所で心配な状況が発見されて、子ども家庭支援センターの方への相談につながった場合に、その後の組織間連携や情報共有はどのように行なわれているのかを伺います。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

今、お話がありました、保育園や地域の子育てのひろばは、練馬区の要保護児童対策地域協議会の構成機関となっております。

見守りが必要だと判断した場合には、情報を共有しながら継続的に地域で見守りをしてまいります。

 

〈かとうぎ桜子〉

あと、教育の分野であるとか、民間との連携についても伺いたいと思います。

学校とか、子ども食堂、あるいはプレイパークといった民間で実施しているこどもにかかわる場といったような、区の直接かかわっている児童福祉とはまた別の機関との連携は、なおさら個人情報の面で難しいかと思います。こどもの日常の様子を継続して見られる場所との連携が大切だと思います。

そういった点について、どのように行なっているかをお聞かせください。

 

〈練馬子ども家庭支援センター所長〉

今、お話にありました、民間の事業者等で私どもの協議会の構成機関でない場合であって、継続的な見守りをお願いした方が効果的だと判断した場合には、協議会の趣旨を説明し、書面で守秘義務の巡視の手続を行いながら協力を仰いでまいります。

 

〈かとうぎ桜子〉

こどもも親も立ち寄れる、相談できる場が地域にたくさんある子とは、とても虐待防止に重要だと思います。よろしくお願いします。

-------

最後、残り時間2秒、とかになってしまって、とっさに「よろしくお願いします」と言ってしまったのですがあせる

 

児童虐待が心配されるご家庭があったとき、児童相談所や子ども家庭支援センターに通告して、様子を見てもらって、必要なら保護してもらって…というのが、一般的によく考える「児童虐待の解決方法」なのかなと思います。私もかつてそう思っていたし。

でも、それだけでは問題は解決しないなと今は思っています。

児相や子ども家庭支援センターが介入した後も、その親子の人生は続くから、介入しただけで終わりではないわけですね。

 

今日は親御さんがご飯作れてない。じゃあ今日はここで食べていく?

今日、親子だけで家で一緒に過ごしたら暴力になってしまいそう。じゃあ今日はここに泊まっていく?

…という活動をしている、大阪のこどもの里に、2016年の年末に5日間、行っていたのですが、そうやって、しんどい日もある親子が地域で過ごせる場がたくさんあったらいいなと思います。

 

民間で先駆的な取り組みを進めていくのも大事だけど、それがきちんと行政と連携できていることも大事だと思います。

行政が、個人情報のことや万一のリスク管理ばかりを考えている状態でのかかわりしかしなかったら、親子に本当に必要なサポートにはならないから、柔軟な対応とリスクマネジメントのバランスを考えた対応を、しくみとして作っていく必要があると考えて質問しました。