所長の伊藤直孝です。
◎お知らせ
・記事末尾の講習案内に残席数を表示するようにしました。特に狙い目の枠をピンク色で示してありますので、ぜひご受講ください。
・編物講習受講(予定)の皆さまは、以下の3つの記事を一度お目通しください。
「講習シートについて」、「ご協力ください」、「スケジュールについて」
私はこうして編み物講師をするようになってかれこれ十数年になりますが、これまでたくさんの受講者の皆さんを見ていると、編み物のやり方やアプローチの仕方は実にさまざまだと感じます。
特に、昨今は国内外を問わず情報を得やすくなったり、さまざまな糸や編み針、道具を入手できるようになったりして、その多様さは目覚ましく広がっているように思います。
たとえば、作り目。
日本では古来から、指でかける作り目(一般的な作り目と言われてきた)やゴム編みの作り目、別鎖の作り目ぐらいしかあまり知られていなかったのが、フェアアイルの作り目、トルコ式の作り目、ジュディ式作り目、アイスランドの作り目(ガーター編みの作り目)などなど、実にさまざまな作り目のやり方の情報が入ってきました。
引き返し編みもそう。
少し前までは、かけ目・すべり目のいわゆる日本式引き返し編みがもっぱら使われてきたところがあり、しかもこれに苦戦する人が多く、肩下がりとか靴下のかかとなどの形成はよく嫌われてきました。
それが、ラップ&ターンやジャーマンショートロウなどの外国のやり方が知られるようになり、引き返し編みに対する苦手意識が消えたという人も多くいるようです。
道具もそう。
付け替え式輪針、つまり輪針の針部分とコードの部分がネジなどで脱着可能な輪針が登場して、所持する道具を最小限のとどめるいわば編み物ミニマリストというような人も出てきました。
また、この付け替え式輪針をはじめとする輪針の進化によって、マジックループという技法(周の小さい輪を長い輪針で編む)が広く用いられるようにもなりました。
針の素材も、日本では従来は竹がメジャーでしたが、ある種の木材だったり金属(真鍮やアルミ)、プラスチック(アクリル樹脂など)、カーボンファイバーなど、さまざまな素材が使われるようになってきています。
編み物の学び方も多様化しています。
以前は技法の説明にはカット図(イラスト)が用いられることがほとんどでしたが、今は写真や動画による説明が多くなりました。
それに伴い、説明のしかたの好みも分かれるようになってきたようです。
これはあくまで私の肌感覚ですが、割と昔から編み物をしている人は、カット図がわかりやすく動画は見てもわからないという人が比較的多いような感じですが、近年新しく独学でYouTubeなどを見ながら編み物を始めたという人は、古来のカット図の説明ではわからないという人が結構いるようなのです。
編み図・記号図か文章パターンかというのもあります。
編み方の説明は、日本では古来から編み図や記号図でなされるのがほぼ当たり前でしたが、海外では逆で文章パターンによる説明がほとんどでした。
海外の編み物が容易に日本に入ってきたことにより、文章パターンで編み物を始める人が増え、そういった人は編み図や記号図の説明だとかえってわからないという声がよく聞かれます。
ここまでいろいろな編み物が混在してくると、教室での教え方はもちろん、出版、キット販売などもあり方が変わってくるように思います。
従来通りのやり方だと、ついて行けない人が増えてしまうような感じ。
教える側も、情報や技能をアップデートしていかないと、教えるのに詰まってしまうことも。
もちろん、さまざまなやり方・スタイルに寄り添って対応するのは、プロデュースする側の労力やコストが増大するので、すべてをカバーするのは限界がありますが、もしかしたら今そのあたりで岐路にあるのかなと感じます。
利用する側がそれぞれのやり方に合わせればいいのでは?という声もあるかもしれませんが、それはなかなか大変なこと。
私だって、もう長いこと編み物に携わり、しかもなるべく幅広く吸収・マスターしようと努力していますが、なかなか追いつかないし、好みや適性もあるのでどうしても理解しにくいものもあります。
昔は(特に日本では)編み物がどちらかというと画一的に発展してきたところがありますが、今はより個人的なアクティビティになってきています。
そこにはいいところも課題となるところも混在しています。
多様化することにより、技法や作品の幅が広がる一方、そもそも言葉や意味が通じないということも。
編み物に携わる者に要求されることがどんどん大きくなってきているような気がします。
それを広く果てしなく追い求めていくか、それとも守備範囲を区切って深めていくか。
そのあたりがちょっと悩ましいなと感じるところです。
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自由なスタイルでレッスンをします。
フリーレッスンのほか、(公財)日本手芸普及協会の手編みカリキュラムに沿った資格取得のためのレッスンにも対応します。
毛糸・編み図(本)の持ち込みは自由です。
受講料は、1コマ2時間半で3,000円です。
ご予約はメール(workshop@sakuraknittinglab.com 迷惑メール対策のため@は全角で書いてありますので、半角で入力し直してください(そのままコピペしただけでは送れません)。メールが不調の場合は各種SNSのDM(Instagram, X(旧Twitter), Facebook, Ameblo))で受け付けます。
原則として2営業日以内に返信しますが(制作に没頭しているときや体調不良時、休業日などはさらにお時間をいただく場合があります)、返信がない場合はアドレスに間違いがないか今一度お確かめください。アドレスがGmailから独自ドメインに変わりました。
※)前日、当日など急ぎの連絡の場合は、従来通り iton13579@gmail.com (@は半角で)にお願いします。
1) 銀座の編物教室(金曜日月2回、日曜日月2回)
銀座の会議室を借りて講習をします(最寄り駅:銀座一丁目駅、京橋駅、宝町駅、銀座駅など)。
この記事をアップした時点での残席状況
6月28日(金)(午前1、午後1)
7月7日(日)(午前2、午後満席)
7月12日(金)(午前1、午後2)
7月21日(日)(午前満席、午後1)
7月26日(金)(午前3、午後2)
金曜日は午前の部10:15~12:45、午後の部14:00~16:30
日曜日は午前の部10:00~12:30、午後の部13:30~16:00
詳しくはこちら
2) 東京都区内の編物教室(月2回程度)
この記事をアップした時点での残席状況↓
7月6日(土)東新宿教室(午前満席、午後2)
7月20日(土)東新宿教室(午前3、午後3)
午前の部10:00~12:30、午後の部13:30~16:00
基本事項は銀座教室と同様です。
※)東新宿会場は靴を脱いでスリッパで入室していただきます。
※)16時完全退室厳守のため、午後は可能ならば少し早めにお越しください。
※)東新宿会場へは必ず東新宿駅A3出口のエレベーターからアクセスしてください。ここからなら横断歩道も交差点も渡らずに済みます。これ以外の出口から出ると道に迷いやすいです。
3) 佐倉の編物教室(月2回程度)
地元・佐倉の貸しラウンジで編物教室を開講します。
「さくら住建」のSAKULOUNGEまたは別館リビングで行います(最寄り駅:京成本線志津駅)。
この記事をアップした時点での残席状況↓
7月3日(水)ラウンジ(午前満席、午後2)
7月17日(水)ラウンジ(午前1、午後満席)
午前の部10:30~13:00、午後の部14:00~16:30
※)別館2階リビングは靴を脱いでスリッパで入室していただきます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。