とじはぎなしのウェア | 佐倉編物研究所 公式ブログ

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編物をあらゆる角度から研究し、広く普及することを目指します。
所長は手あみ師範のアラフォー男性です。

所長の伊藤です。

 

当面の編物教室についてはこちらをご覧ください。受講の際はこちらにご協力ください。

また、感染症対策強化についてこちらをご覧ください。

※)記事末尾の講習案内に残席数を表示するようにしました。

※)近々では5月27日(金)銀座教室の午前、6月4日(土)西新宿教室の午前午後が比較的狙い目です。ぜひこの機会にご参加ください。

 

 

昨日の記事で、編物をする人でとじはぎが嫌いな人は結構いると書きました。

その証拠に、「とじはぎなし」を謳う編物の本はたくさん出版され、人気を博しています。

じゃあさ、いっそのことウェアものはとじとかはぎとかやめちゃって全部作ればいいじゃん?

実際そうはいかないのは、それなりの理由があると思われます。

 

ここで、とじはぎがあるウェア作品とないウェア作品の長所・短所、メリット・デメリットを考えてみます。

 

◎とじはぎのあるウェア作品

○長所、メリット

・身頃と袖を別々に編んでから組み立てるので、洋裁と同じノリで制作ができる

・一度に全体を編んでいくのではなく、パーツごとに作り始めるので、プロセスが考えやすい

・とじ、はぎが伸び止めの役割をし、型崩れしにくい

○短所、デメリット

・とじ、はぎの技法が難解で面倒くさいことがある

・とじしろ、はぎしろが残り、着心地やシルエットに影響が出ることがある

 

◎とじはぎのないウェア作品

○長所、メリット

・面倒なとじ、はぎが不要

・着心地がなめらかですっきりしたシルエットになりやすい

・輪編みで編む作品が多く、表を見ながら編むので編む操作がやりやすい

○短所、デメリット

・最初から立体で考える必要があり、構造的につかみづらい場合がある

・ストッパーがないため、伸びやダレを生じることがある

 

思いつくままに書き出してみましたが、当然ながら双方の長所・短所は表と裏の関係にあります。

そりゃ、なにもかもいいというわけにはいきませんな。

なので、目的や趣味・趣向によって、どちらかを選んでいけばいいと思います。

 

そうだなぁ、とじはぎなしウェアの最大の弱点は、やはり「伸び、ダレ」でしょうか。

これは、作品の耐久性にも影響します。

なので、作品作りにはこれを考慮し、素材や模様編み、構造を決める必要があります。

あまり重たい素材や復元力の乏しい素材で、重たくなるような模様編みをして、さらに丈の長い作品を編むと、高確率で伸びたりダレたりしてしまいます。

まぁ、最近はそういう伸びやダレが却ってウケたりすることもあるんですけど。

 

ちなみに、私は基本的には古典的なとじはぎありの作品が好きなんですが、たまにトップダウンなどのとじはぎなしの作品を輪針でガシガシ編むのを楽しんだりもします。

この本が出たときは、衝撃でしたね。

 

 

トップダウンのセーターというと、大抵はラグランスリーブ風だったり丸ヨークだったりするのですが、これはセットインスリーブのように仕上がるんですから、よく考えたなと思います。

私も何枚か編んだりデザインしたりしました。

 

それから、伝統ニットでもとじはぎがない(少ない)ものがありますよね。

たとえば、ロピーセーターは身頃、袖、ヨークいずれも輪でぐるぐる編み、とじはぎがありません。

フェアアイルのニットも、伝統のものは輪編みで、袖ぐりや衿ぐりはスティークというものを作っておいてあとで切り開く(!)という技法を取ります。

これは、編み込み模様は表を見ながら表目で編む方が、効率的で速く編めるというところから来ているそうです。

 

また、ベビー物はとじはぎがない(少ない)ものが多いですね。

胴着やベストなどは、脇は前後で編み続いているのがよく見られます。

これは、なるべくとじしろが敏感な肌に当たらないようにという配慮によるものと思われます。

そして、ドール服もなるべくとじはぎのないトップダウンで編まれることが多いです。

ミニチュアの作品は目数・段数が少ないので、とじしろやはぎしろが相対的に厚くなってしまい、シルエットに影響が出やすいのです。

 

 

編物の楽しみ方はいろいろですから、好みに合ったやり方でやればいいと思います。

ただ、とじやはぎを知っていると、作品の幅が広がるかな。

面倒くさいんだけどね。

 

 

 

 

 

※)テレビ東京「出没!アド街ック天国 千葉・佐倉」がいよいよ5月28日(土)21:00から放送されます!視聴可能な方はぜひご覧ください&録画予約を!(Paravi、TVerで見逃し配信もあります)

予告篇です↓

佐倉は江戸時代に佐倉藩が置かれ、その名残が今でも街に見られる、歴史を感じられるところです。

ゲストは、佐倉出身の故 小出義雄さんの門下生のマラソン金メダリスト・高橋尚子さんと、佐倉市出身の「冷やし中華はじめました!」AMEMIYAさんです。

 

 

 

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1) 銀座の編物教室(金曜日月2回、日曜日月2回)

銀座の一室を借りて、自由なスタイルでレッスンをします。

フリーレッスンのほか、(公財)日本手芸普及協会の手編みカリキュラムに沿った資格取得のためのレッスンにも対応します。

毛糸・編み図(本)の持ち込みは自由です。

定員は当面の間6名から5名に変更します。

この記事をアップした時点での残席状況↓

5月27日(金)(午前2、午後1)

6月5日(日)(午前2、午後満席)

6月10日(金)(午前3、午後4)

6月19日(日)(午前3、午後2)

6月24日(金)(午前3、午後3)

金曜日は午前の部10:15~12:45、午後の部14:00~16:30

日曜日は午前の部10:00~12:30、午後の部13:30~16:00

ご予約はメール(iton13579@gmail.com @は半角で入力。メールが不調の場合は各種SNSのDM(Instagram, Twitter, Facebook, Ameblo))で受け付けます。

詳しくはこちら


2) 東京都区内の編物教室(月2~4回程度)

土曜日を中心に山手線周辺の会議室を借りて編物教室を開講します。

フリーレッスンのほか、(公財)日本手芸普及協会の手編みカリキュラムに沿った資格取得のためのレッスンにも対応します。

毛糸・編み図(本)の持ち込みは自由です。

定員は原則として各部6名です。

この記事をアップした時点での残席状況↓

6月4日(土)西新宿会場(午前5、午後5)

6月18日(土)西新宿会場(午前3、午後4)

午前の部10:00~12:30、午後の部13:30~16:00

ご予約はメール(iton13579@gmail.com @は半角で入力。メールが不調の場合は各種SNSのDM(Instagram, Twitter, Facebook, Ameblo))で承ります。

 

3) 佐倉の編物教室(月1回程度)

地元・佐倉の貸しラウンジで編物教室を開講します(最寄り駅:京成本線志津駅)。

フリーレッスンのほか、(公財)日本手芸普及協会の手編みカリキュラムに沿った資格取得のためのレッスンにも対応します。

毛糸・編み図(本)の持ち込みは自由です。

この記事をアップした時点での残席状況↓

5月25日(水)(午前1、午後1)

6月22日(水)(午前1、午後満席)

午前の部10:30~13:00、午後の部14:00~16:30

※)昼休憩に室内で飲食ができるようになりました(ただし、黙食でお願いします)。

ご予約はメール(iton13579@gmail.com @は半角で入力。メールが不調の場合は各種SNSのDM(Instagram, Twitter, Facebook, Ameblo))で承ります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。