所長の伊藤です。
世の中には、「マイクロニッター」という、とにかく細い糸をとにかく細い針で編むのを好む人がいるとかいないとか。
具体的に言うと、手縫い糸よりも細い糸を、針金よりも細い棒針(日本の0号(2.1mm)より細い針、すごい人はアメリカの00000号(1.00mm)ぐらい)やレース針(12号より細い針)で編み、虫眼鏡で見ないとわからないほどの超ミニ作品を作るということです。
実は私も、小さく編むということには興味があって、細い編み糸や編み針を見つけたら、とりあえず買うようにしています。
今、レース糸の中でも特に細い部類に入る「80番」で作品を編んでいます。
レース針は12号(0.60mm)です。
レース糸の番手は、数字が大きいほど細くなります。
一般的に、はじめてのレース編みでよく選択されるレース糸「エミーグランデ」は20番ぐらい、慣れた人がより繊細な作品を編むときによく使うのが40番。
ですから、80番というのはちょっとマニア向けの細さと言えます。
この80番、パッケージをふと見てみると、驚くべき数字が書いてありました。
なんと、標準ゲージが書いてあったのです!
標準ゲージとは、最も一般的な風合いの編地を編んだときに、10cm四方に何目何段入っているかを示す数字です。
通常の毛糸は、棒針のメリヤス編みのゲージを表示しますが、かぎ針で編むことが多い場合は、長編みのゲージで示すこともあります。
この80番レース糸、さすがに棒針で編むことはまずないので、長編みゲージが書いてありました。
その数字とは、76~86目・34~37段!
普通の手編み糸ならば、目数ゲージは20目前後ですから、かなり異常な数値であることがわかります。
それにしても、これ、実際に編んで算出したのでしょうか…
通常、レース糸にゲージなんか表示しないですから、こんな細~いレース糸で律義にもゲージを示した横田株式会社さんには、私は敬意を表さずにはいられません。
ちなみに、おふざけ半分で、既製服のニットのゲージも測ってみました。
この記事で登場した、ユニクロのカシミヤセーターです。
工業用編み機で編んでいて、とても細かいメリヤス編みの構造をしています。
工業ニットでいうゲージと手編みニットでいうゲージは定義が異なるのですが、無理やり手編みニットとして捉えて数えてみました。
そしたら、10cm四方で62目86段!
一般的な手編みニットに比べて、約3倍も細かいことがわかります。
この細さ、とても手では無理ですね。
ひょっとして、こんな細いのも手で編む「マイクロニッター」がいたりして!
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