素材の成分 | 佐倉編物研究所 公式ブログ

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編物をあらゆる角度から研究し、広く普及することを目指します。
所長は手あみ師範のアラフォー男性です。

所長の伊藤です。

 

 

先日の取材旅行で鳥羽のミキモト真珠島に行ったとき、展示で真珠の成分の解説がありました。

真珠は、核に貝を使用し、その表面に真珠層を付着させて作られているので、主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)、残りはごく微量のたんぱく質から成っています。

つまり、構成元素としては、カルシウムCa、炭素C、酸素Oがほとんどで、あとは微量の水素H、窒素N、硫黄Sが含まれているようです。

 

ここでふと、編物に用いられる素材の成分について、ちょっと確かめてみました。

 

・ウール

主成分はたんぱく質の一種であるケラチンだそうです。

たんぱく質はアミノ酸が縮合してできているので、構成元素としては、C, H, O, N, そしてS。

ケラチンは含硫黄アミノ酸のシステインを含むので、燃やすと硫黄の独特なにおいがします。

これは、ウールとその他の繊維を判別する特徴のひとつでもあります。

 

・アクリル

アクリロニトリルを主成分とした合成繊維。

ということは、主たる構成元素はC, H, Nですな。

なお、C, H, Oが主成分のアクリル樹脂とは別のものです。

 

・ナイロン

ポリアミドともいわれるように、アミド結合(-CONH-)で重合した合成繊維。

主たる構成元素は、C, H, O, N。

 

・ポリエステル

エステル結合(-COO-)で重合した合成繊維。

主な構成元素はC, H, O。

ちなみに、ペットボトルもポリエステルに分類されます。

 

・綿、麻、レーヨン

主成分はセルロース、つまり糖がいっぱいつながった構造です。

構成元素は、おもにC, H, O。

 

・絹

たんぱく質が主成分ですので、構成元素はC, H,, O, N, S。

 

 

ウールの項で述べたように、化学組成によって繊維の鑑別ができたりします。

あ、繊維の鑑別について、今度ちょっとまとめておきましょうか。

手に取った組成不明の毛糸が「これウール? アクリル?」と見分けがついたら嬉しいですよね。

では、後日。

 

 

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