本日(10月27日)、議院運営委員会で会計検査院の検査官の候補者の所信を聴取し、所信に対する質疑を行いました。

桜井シュウは持ち時間を3分(質問時間のみ、答弁時間は算入)いただいて質問しました。

 

 会計検査院は検査官3名の合議制で運営されます。今回はそのうちの1名が定年退職で退任するので、新しい検査官の任命にあたり、国会に同意を求められました。退任する岡村肇検査官は、会計検査院のプロパー職員で会計検査院事務総長から検査官になりました。後任の検査官候補の原田祐平氏も現職の会計検査院事務総長です。外部招聘の候補であれば、未来志向の質問になりますが、現職の事務総長ということで、過去の課題についても触れながら、検査官になったときの意気込みを尋ねました。

 

 

 

 

(質問1)会計検査報告の時期の前倒しについてお尋ねします。会計検査報告は毎年11月ですがもっと早く、具体的には9月にできませんか。予算の効率的かつ効果的な執行を確保するためにはPDCAサイクルを回すことが重要です。すなわち、決算を翌年度の予算に反映するためには会計検査報告は遅くとも9月末には必要です。そもそも上場企業は3月末に会計を締めて、6月末までに株主総会を終えています。会計検査の11月というのは遅すぎませんか。ちなみに、立憲民主党は「国家財政におけるPDCAサイクル確立のための法案」を6月に提出しております。この法案の中で会計検査の前倒しを盛り込んでいます。

(答弁1)これまで12月だったのを国会からの要請で前倒しして、11月になった。答弁は、各省庁で決算を行い、それを財務省が取りまとめて決算書を作成し、それから会計検査なので、会計検査院だけで前倒しできるものではない。とはいえ翌年の予算に決算を反映させるべきであるのはその通りなので引き続き努力したい。

 

(質問2)森友学園にかかる決裁文書の改竄問題についてお尋ねします。森友学園問題にかかる会計検査では、財務省が決裁文書を改竄していたことを会計検査院は見抜けませんでした。文書の改竄はもちろんいけませんが、会計検査のプロが文書の改竄を見抜けなかったのも大問題です。文書の真贋を見極めるための検査能力強化に、どのように取り組むおつもりですか。

(答弁2)改竄を見抜けなかったことは反省。職員研修を行うなどして検査能力強化に努めている。

 

(質問3)予算執行の効果の検証についてお尋ねします。岸田内閣はEBPMを謳っています。各事業について評価手法が的確か、エビデンスが適切に収集できているか、などEBPMをどのように検証しますか?

(答弁3)各省庁でEBPMを実施していると承知。EBPMそのものを検証することは会計検査院の直接の所掌ではないが、予算執行の有効性などを検証するためにエビデンスを確認する。こうした検査プロセスを通じてEBPMも検証したい。

 

(質問4)資産についての検査についてお尋ねします。会計検査では、資金フローだけでなく、資産(ストック)についての検査も充実させるべきと考えますが、どのように取り組みますか。

(答弁4)各省庁に設けられている基金などの検査を行うなど、ストックについても検査を行ってきた。民間の貸借対照表に相当する国の財務諸表についても検査の精度をあげていく。