語彙増強、音読、多読の正しいやり方はこうだ | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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courrierで安河内哲也氏が「純ジャパ・中学英語で世界に翔べ!」と言っております。

英語のカリスマ講師、安河内哲也による超・実践的連載。「純ジャパ」がいますぐ始めるべき正しい学習法をわかりやすく解説します!


前回は、純ジャパのビジネスパーソンが真に使える英語を身につけるには、「使うか」「必要か」を常に自分で判断しながら能動的に学習していくべきという話をしました。

今回は学習方法をさらに明確にするために、「語彙をパッシブとアクティブに分類し、違ったアプローチで語彙増強に励もう」「量ではなく質が大切な音読の正しいやり方」「多読は2段階レベルの低い読み物を選ぶべき理由」について説明したいと思います。

 

What are active vocabulary & passive vocabulary?

英語には、読んで・聞いてわかればいいパッシブなボキャブラリーと、読む・聞くに加え、言える・書けるようにもしておきたいアクティブなボキャブラリーがあります。英語で前者をpassive vocabulary 、後者をactive vocabulary と言います。

パッシブ・ボキャブラリーは、文字を目で追ったときに、音声が耳に入ってきたときに理解できればOK。アクティブ・ボキャブラリーは話したり書いたりと、使うことも前提にしています。

この2つのボキャブラリーは、はっきりと区別して勉強すべきです。 でないと、大きな無駄が出てきてしまいます。ところが残念なことに、まったく区別をせずに学習している純ジャパが非常に多いのが現状です。

アクティブ・ボキャブラリーは、汎用性が高く、仕事や日常生活でよく使う単語と考えてください。ただし、アクティブ・ボキャブラリーかそうでないかは、人によってある程度変わってきます。

たとえば、キャビンアテンダントを生業にしている人であれば、飛行機関連の用語や機上のアナウンスに使う単語は間違いなくアクティブ・ボキャブラリーになります。しかし、そうでない人にとっては、パッシブ・ボキャブラリーと考えてOKです。

 

単語だけでなく、 フレーズに関しても、聞いて読んでわかればいいパッシブなものと、話したり書いたりもできるようになりたいアクティブなものが出てきます。ですから、単語帳や例文を使って学習する場合は、なるべく自分の仕事や趣味とシンクロしたものを選ぶことが大事になります。

スピーキングの一環として、大統領の演説などを丸ごと覚えてそらんじて言えるようにするといった学習法があります。もちろん、とっかかりとしては素晴らしい勉強法です。

でも、どうせ丸ごと覚えるなら、自分の仕事関連のスピーチやプレゼンのトピックにより近い題材を選んだほうが得策とも言えるでしょう。

 

自分の英語の用途に合わせて、アクティブ・ボキャブラリーを選び、重点的に学習していくクセをぜひ身につけてください。

 

音読するときは、まず内容の吟味を!

音読をずっと推進してきた英語教師としては、音読がブームを通り越し、すっかり定着している状況はうれしい限り。でも実は、音読の仕方がデタラメな純ジャパが少なくありません。

音読が大事なのは間違いありません。ただ正しいやり方でやらないと、効果が薄れるばかりか、逆効果になってしまうことさえあります。

 

音読もまず、どんな英語をどのように読むかが重要になってきます。 大人の英語学習のご多分にもれず、音読についても何をどのように進めるかを、自分である程度意識してください。

パッシブなものに関しては、自分が聞く・読むことができる必要性の高い分野を音読の教材として選んでください。たとえば、100年前の文学を読めるようになる必要がある現代人はほとんどいませんから、生活と直接関係ない古い文章は音読教材としてはオススメできません。

仕事の文書が読めるようになりたいなら、オンラインでも書籍でもいいので、あなたの仕事と関連性の高い記事を選ぶとよいでしょう。

 

音読は回数や時間ではない! ダイエットと同じく“数値(理解度)測定”を!!

音読をするときに10回、20回と回数、または1時間読むといった時間ばかりを気にしていませんか? これはナンセンス。

音読の目的は、声を出して読んでいる英文を、左から右に聞いて理解できるようにすることです。そのためには、1回の音読で何パーセント理解できたかを毎回記録することが大切です。

しかし、純ジャパの音読のやり方は、体重計に乗らないダイエットのようになってしまうことがしばしば。どのくらい理解できるようになったかという数値を、まったく測っていないんですね。

100%わかるようになったら、もう音読しなくても理解できるようになったという証拠。つまり、すでにゴール地点に到達しているのです。こうなったらもう音読はストップしてOKです。

リスニングにも言えることですが、(聞いたとき、または読んだときにだけ理解できればいい)パッシブの場合は、100%聞こえるようになったら、いったんゴールは達成なのです。

 

初心者はサイトラからスタート!

音読しても英文の意味がほとんどわからないという初心者レベルの純ジャパのみなさんは、一文を意味のかたまりごとに訳していくサイトラ(サイトトランスレーション〈sight translation〉)から始めましょう。

 

音読は受験にのみ有効です。中学英語の音読で世界に翔ぶのは無理な事です。それ以上に日本の恥でもあります。点数を稼ぐ方法を教えるのが塾の先生の仕事、その先生が社会に翔ぶための英語を教えるのは絶対に無理な事なのです。