Rは舌を巻かない | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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次のサイトでRの調音方法で舌を巻かいないと説明しています。

 

http://eigoism.jp/leon-005

 

言語の正しい発音とは
言語の発音は母語であれば誰でもできるのですが、実際には発音や聞き取りに関してはあまり分かっておりせん。調音音声学で言うような単純なものではありません。
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◆英文 I don’t think you are right.

◆和訳 私はあなたが正しいとは思いません。
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解説:この文章はI think you are not right.と同じ意味なのですが、この表現は使われません。それは英語では肯定や否定を先に言う傾向があるからです。
音のストリームで覚えてしまえばそのような事を覚える必要もありません。このような否定形が先にくるパターンをいくつか覚えてしまうと、何等のかの規則性らしきものが見えてきます。

 

Rの正しい発音
言葉の発音とは考えてみると大変難しいものです。その理由は母語である日本語でも実は誰にもどう発音するかを教えられてないからです。そしてその発音を矯正された事はあまりありません。すると何が正しい音の出し方であるかは、日本語であってもだれ一人分かっていません。
聞いて理解できればそれで良いのです。それは英語でも同じで、調音方法と教えると言っても自分が発音している方法なのです。

 

音声学のRの調音
英語の発音で最も問題になるのはRです。事実Rが単語の最初にくる場合と後にくる場合は大きく違います。英国人と米国人でも大きく違います。調音音声学では「もり舌のR」とか「巻き舌のR」などと記述してあり、少なくともRの発音方法は一つでない事が分かります。Rの理想の発音はどうなんでしょうか。

 

舌先がつかないR
“いちかわ家の英語の発音物語”ではRの発音を次のように説明しています。[r]と「ラ行」の決定的な違いは舌の先が上顎を弾くか弾かないかにあります。私たちはおよそ年齢に応じた分量日本語を話してきたわけです。長い間「ラ行」は舌の先を上顎に付けて弾くようにして発音してきたのです。この技術はあまりに単純なゆえにそれをそうやすやす変更することはできません。

言い換えれば我々の脳の命令には「ラ」行=舌は上あごに当たる、という公式が硬くインプットされているのです。そのルールを壊すことは、口を閉じないで「マ行」を出したり舌の先を上あごに当てずに「タ行」を出す訓練を強いる愚行、危険なことと糾弾せざるを得ません。似た音が出せる可能性はゼロではないでしょう。この訓練方法は百害あって一利無し。今、この場であっさりお別れを言いましょう。

 

さて、[r]の音を毎日毎日、一生懸命吟味してみますと見えてきます、見えてきました。我々が日常難なく出している音の中に、舌の先が上顎に付かないでも出る音がありました。それは母音です。「ア」行です。やっと見つかりました。
でも、ここでよりよく[r]に近づけるためちょっとした味付けが必要です。さあ、「ぅワ行」を創設しましょう。

 

巻き舌のR
いちかわ家の英語の発音物語で巻き舌のRの発音も説明しています。ではなぜ巻き舌という亜流のフォームでちゃんとした[r]の音が出るのでしょう。答えは簡単。[r]を出すための要素、つまり口腔内の空気(息)の通り道を十分に狭めること、がきちんと整っているからです。ですから舌に限らず何か適当な大きさの、たとえば果物でもほおばりながら「アー」と言えばほとんど[r]に近い音が出ます。
しかし、考えてもみてください。リンゴをほおばれば[r]の音が出るからといって英語で話すとき[r]の音に来るたびいちいちリンゴをほおばる人はいませんね。巻き舌はこの「リンゴをほおばる」ようなものだといえなくもなさそうです。

ではどうするか。ただ舌を喉の方へ引き戻すだけ、これだけです。決して舌の先をカールさせようなどと面倒なことを考えないことです。「巻き舌」しなくてはと自分を呪縛してはいけません。

 

ネイティブのRの発音
藤村靖氏の本、「音声科学言論」の143Pで感激の写真をみました。それはアメリカ人にpourと発音させ、Rの発音状態を保持してもらい、その話者の顔の横からMRIで映像にしたものです。その映像で舌の形状を見ると全部が違うものです。舌先が上にあがっている人もいれば、舌先が下のままの人もいます。舌が平べったい人も
いれば、舌の先が尖った人もいます。

舌を顔の横から見た形は全部違うにも関らず、全員が同じ発音しているのです。実際に聞こえる音を音響工学的に分析すればすべて違う音に聞こえるはずです。しかし、それが同じ単語や文章に聞こえているのは音のストリームを音素ではなく、ストリームの特徴で認識しているからです。
こう考えるとRの発音にはそれほど拘る事はない、拘る意味が無いと言えます。

 

調音音声学の問題
調音音声学で教える発音の方法が間違いではありませんが、発音をRの音素として限定した発音方法を教えるのは間違いです。英語ネイティブのRの発音を見れば、舌の形に拘る必要はなく、それよりは音のストリーム全体が重要なのです。だからRをいろいろな方法で発音すればRだけの音を取ればいろいろな音になっているのに単語や文章が間違いなく聞き取れるのは全体の音のストリームの全体的な特徴を捉えているからなのです。

 

発音し易い音
音声学での調音法のように特定の音にこだわるのが効果的でないのは、音声は全体的な音を認識しようとしています。すると全体的な音のストリームを発音するためにどうしても前後の音が調音結合で変化します。Rの静的な音でさえ大きく違うのでから、音が繋がった場合の発音方法はかなり違うと思います。それなれば、イメージした全体音を発音するためには自分の発音し易い方法が、一番発音としても自然な音になります。

 

リスニングでの対応
英語を聞く場合にはかなりの部分が予測して認識している部分があります。すると発音の本にあるようなRの音を予測すると、予測通りにその音がこない場合が多くなります。そのためには全体音、つまり音のストリームで捉える必要があります。

また発音練習ではいろいろな発音方法を試して、その場合の音の聞こえ方を覚えておけばいろいろなRに対応し易くなります。

 

正しいRの発音とは
既に説明したようにこれが正しいRの発音方法だと言うのはありません。単語や文章として理解される発音で十分です。そのためには自分の発音を録音して聞いてください。不意自然な部分を直してください。音のストリームを自然に発音するためには、発音し易い発音を心掛けてください。

 

LとRについて
こう考えるとLとRに関しては、発音においてもリスニングにおいても、単語が理解される、単語を理解すると言う意味では神経質になる必要はありません。音素を聞いて判断しているわけでなく、RやLは単語や文章で認識しているのであり、LもRもストリーム音の一部でしかありません。

しかし、RとLを完全に発音をし分けできるとか、高いレベルで聞き分けできる事は英語力が高い事を意味する。それができれば満足感も高まり、モチベーションの維持にもなります。

その意味ではLとRの発音練習やリスニング練習は大きな意味があると思います。