リスニングパワーへの質問状 | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

  音声英語、つまり英会話、リスニング、発音に関して音のストリーム・ベースで学習するサイトです。

横田 力様



私は横田様のように英語を教えている者です。英語関連ではインチキ教材が多く、大変に英語学習者の混乱を招いております。横田様の教材もそのような可能性があるとメールを出しております。私は過激なネットのクレマーではなく、自分では誠実な英語教育者だと自認しております。



もちろん私の主張する事に胡散臭さが存在するのであれば、ご指摘ください。当然の事ながら、私のブログやフェイスブックで紹介させてもらいます。私を含む業者は英語学習において何が正しいのかをはっきりすべきだと思っています。



もちろん私に間違いがあればサイトやブログやフェイスブックでその間違い認め、謝罪し、速やかに訂正する事を約束します。



私自身としても、横田様のようにブログやサイトやフェイスブックで英語の学習方法を啓蒙しております。私はネットを使い科学的な事実を追及して、正しい事実を英語学習者に届けたいと思ってメールを出しております。科学的な事実は英語教育者にも英語学習者にも大事な情報であると信じております。

トマティス理論
音にはいろいろな音があり、人間は11オクターブにおよぶ幅広い音のスペクトル中すべての周波数が誰にでも同じように認知されるわけではなく、”パスバン”と呼ばれる、言語によって異なる優先的な周波数帯が存在すると考えているトマティス理論です。



現在のトマティスのサイトではバスバンドはほとんど言及しておりませんので、現在のトマティスではトマティス理論を取り下げた格好になっております。科学的な根拠がないと理解したのかも知れません。



http://www.npo-tomatis.jp/method.html



貴社のサイトでは次のように説明しております。
なぜリスニングパワーを聞きながすだけで、大人になってからでも英語耳ができるかというと、実は、その秘密は「周波数」にあります。

英語と日本語では周波数が異なります。日本語の周波数は、英語に比べて低く、世界の中でも一番低い周波数の部類に入ります。

その一方、英語の周波数は、世界でもっとも高いのです。

日本語の最高周波数が1500ヘルツであるのに対し、英語の最低周波数は、最低でも2000ヘルツなので、周波数に関しては、日本語と英語では交わるところがないのです。

ヨーロッパ人など他の民族に比べて日本人が英語に弱い理由は日本語の周波数にあったのです。



それは真っ赤な嘘です。つまりそのような科学事実はまったくありません。それが嘘である、科学的な根拠を上げましょう。



日本語と英語との比較
本当にパスバンドに高いとか低いとかがあるのでしょうか。日本語と英語の音英を比較するとき、まず基本周波数(声の高さ、ピッチ)を比較 します。この基本周波数は、人によって個人差が大きいのですが、一般的に日本人 の方が英語ネイティブよりピッチ(声)が高い傾向にあります。
これは「英語リスニング科学的上達法」。(P148~149参照) からのデータで日本語と英語の 母音を比較してみます



このあたりの詳しい説明については、下記の本が比較的易しく書かれていますので、参照下さい。



講談社ブルーバックス 英語リスニング科学的上達法
山田恒夫、足立隆弘、ATR人間情報通信研究所
    
第1フォルマント周波数(F1)  第2フォルマント周波数(F2)  
日本語
あ      1.0 kHz辺り      1.2kHz辺り
い      0.4 kHz辺り      2.8kHz辺り
う        0.5 kHz辺り      1.2kHz辺り
え      0.7 kHz辺り      2.0kHz辺り
お      0.7 kHz辺り      1.0kHz辺り



英語
A      0.8 kHz辺り      1.5 kHz辺り
I       0.3 kHz辺り        2.5 kHz辺り
U        0.3 kHz辺り       0.8 kHz辺り
E      0.9 kHz辺り      2.0 kHz辺り
O       0.6 kHz辺り       0.8 kHz辺り



これで見ると、少しの違いはあるとはいうものの、日本語も英語も、母音については、非常に近い周波数域を使用しています。もう一つ、注目して欲しいのは日本語でも結構高い周波数を使用していることです。



日本語の方が基本周波数(声のピッチ)が高く、第1フォルマントと第2フォルマントの使用周波数の高さも十分に高いのです。



子音は本来音としては雑音のようなもので、母音の一時的な逸脱に過ぎません。定常的な周波数をもっていないため計測は不可能です。



パスバンドの理論の致命的欠陥
このような周波数測定(パスバンド)には致命的な欠点があります。それでは言語音の周波数を計るとどうなるでしょうか。するとどうも子音の多い英語は周波数が高く計測されるようです。どうもこの数値で高いとか低いとか言っているようです。しかしこれは見掛け上の周波数であって、子音を含む音声を周波数で計測する事は不可能なのです。



これは、音を全て正弦波の和で表現し、どの正弦波が主に含まれているかを測定し、その正弦波の「周波数」で表現するものです。音の形が正弦波に似ていなければ いないほど、この測定法では誤差が出ます。正弦波とは音叉等が出す規則正しい音です。



しかし無声子音などは規則的な周は数を持ちません。敢えてS、K、F、TH、Tなどの音は正弦波で測定すると非常に高い周波数が測定されます。正弦波となじみが悪いため、より周波数の高い正弦波の和で表現しようとするためです。英語の音にはこれらの 音は頻繁に現れるため、平均周波数が日本語より英語の方がはるかに高くなるためです。



言語音は周波数で計れない
このように英語の周波数が高いと言うのは誤りです。あらゆる音は周波数を持っていますが人間が発する音は大変複雑な波形を示します。声帯が音源である母音も複雑ですが子音は更に複雑で人には聞こえない超音波まで含まれています。例えばささやく声はすべて子音になりますが、いろいろな音のミックスであり周波数で計る事はできません。



周波数とは周期する数の事で、ある現象が一定の時間をおいて同様に繰り返されるさまを言います。音声認識でいろいろな音を扱うために、よく音声をフーリエ変換して変数を算出しますがあくまでも周波数が一定である各種の音を対象にしております。



人間が聞いている音声の重要な要素
人間が音声を認識する際には音の周波数ではありません。人間は相対音感で話しておりますので、ある周波数を聞く事は得意ではありません。近代科学により音声認識もかなり解明されてきました。人間は音声の周波数を聞いて認識するのでなく音のストリームの動的変化を分析しているようです。詳しくはフォルマントの時間的な遷移が重要な要素のようです。

私は上記の理由から貴社の主張される言語音に周波数の違いがあるというのは科学的な事実ではありません。それを根拠にしている教材であれば、それはインチキ教材です。もし貴社がそれでも正しいと主張するのであればどのような科学的な測定が行われ、その測定を他のどのような機関が認めているか、その測定法や数値の正当性を説明してください。



私の個人的な見解としては大変に日本人をバカにした教材であると思っています。



埼玉県ふじみ野市北野2-11-1
桜井恵三
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返信:



桜井様

こんにちは。

>質問フォームからの質問状の答えは開発者であるスコット氏からの
お答えを待っております。
私は言語学者のスコット氏に質問し、開発者からの解答が欲しいのです。

上記の件、了解いたしました。

お手数ですが、スコットペリーは、下記の内容を日本語のまま理解できないので
スコットペリーからの回答をご希望されるとのことですので、下記の内容を
全て、英語に直してご連絡いただけますでしょうか?

>私の個人的な見解としては貴殿の教材は大変に日本人をバカにした教材であると思っています。

私が言えることは、この教材がきっかけで、英語が聞き取れるようになった方が
販売者の私も驚くほどいるということです。

他の英会話教材でも同じようなことを言われていますが、他の教材は、
ただの英会話を聞くだけのものが殆どですよね。

私は、自分でも英語が上達した経験があり、個人的にも英語を教えています。

私の経験から初心者がいくかただの英会話CDを聞き流しても
英語が上達しないと思っています。そして、私もそうでした。

お手数ですが、英語で、スコットペリーにお聞きしたい内容を
ご連絡いただけますようお願いいたします。

宜しくお願いいたします。

横田