【話す速度を上げるとofがonになってしまったり。不正確になります。】
1.速度を上げると、ひとつひとつの単語を発音しきれないばかりか、特に前置詞などはつい間違ったものになってしまいます。ライティングでは前置詞が変わると意味がまったく変わってしまうことがよくありますが、そのような話し方で相手に正確に通じるのでしょうか?
2.また、練習中には単語を正確に拾えないのできちんと文章を覚えられないのではないでしょうか?
【桜井氏のアドバイス】
1.ヒアリングでは、ライティングのように意味を取り違えることは無い
・・・会話において、聞き手は全体の話の流れや、ストリーム音の特徴から内容を掴んだり、脳内に記憶している会話表現を瞬時に引き出し来たりしている。
だから、発音記号どおりに話すよりも、自然なストリームで話す方が相手に通じるし、話し易く聞き易い。
多少の言い間違いや、聞き取りにくさがあったとしても、自然なストリーム・音の特徴・全体の流れがあれば通じる。
(会話文には約30~40音素/秒 の音素が含まれているが、人間の脳は約1/20秒までの音の聞き取りが限界。それ以上はつながった音として認識。話す時も正しい音素を並べることは不可能。)
2.文字に頼らすに音だけで覚えること
・・・その理由は私達の脳で九十数パーセント以上の言語情報は音情報として持っているはずだから。文字は音声の後からついてくる。
(ちなみに、文章-ライティングの能力を上げるためには、別の学習が必要。読み書きと音声とは脳の作業領域が全く別だから。ただし、自然な学習順序は母語習得プロセスと同様、音声が先。)
*************************************************
私は高校時代、イギリス人に対してlaneと言ったのをrainと誤解されて、何度言い直しても通じませんでした。
その経験から、クイーンズイングリッシュではlとrの違いでさえ許されないほど正確な発音が重要なものと思っていました。
しかし、思えばあの時は殆ど単語を並べるだけに近い英語だったのだから、相手は前後の流れから予測するという方法もとれず、唯一意味のありそうな名詞lane(rain)を手掛かりに私の訴えを理解しようとしてくれていたのでしょう。問題はlとrの発音ではなかった!
*************************************************