オカンが光に帰って今年で14年になろうとしている。

以前のブログでお解りいただけたかもしれないが、ウチのオカンという人もかなりスピリチュアル(…いや、むしろオカルトかもしれない)が好きな人だった。


(そのブログです↓)



心霊、UFO、未確認生物、占いなどなど、子供の私達兄弟よりもテレビにかじりついて観ていた。
お寺の末っ子として生まれ、子供の頃から不思議な体験もしていた事もあったからかもしれない。

また「見える人」ではなかったが、不思議な力も持っていて、特に左手からは変なパワーが出ていて、怪我をしたり、身体の不調な箇所に触れていると症状が改善されるのであった。


そういった母の力は、弟に強く出たようで、弟はバリバリの「見える人」なのだ。


まぁ、弟に関しては最近、特殊な魂?(生命体⁇)であるらしいと判明したので、また違う話かもしれないけれど…。

(弟についての詳しいブログです↓)



以前に、弟に聞いた事がある。



「幽霊ってどんな風に見えるの?」



これは人によって違うと思うが、弟の場合は大体のパターンは
 



最初はボンヤリとしたものが見える。
それは煙の様な、モヤの様な、またはピンボケした様に見えるので、それを「第3の目(サード・アイ)」を凝らして見る。
すると、形がハッキリと姿になる。





「おでこに集中してチューニングしていく感じ」




だと、言うのだ。

でも、たまにチューニングしなくても、最初から普通に生きている人と同じように現れている事もあるらしい。



その話を知ったオカンは


「おでこに集中はわかる!お母さんは見えないけど、わかる!」


と、とても納得していた。


私はというと否定はしなかったが、私の敬愛する神様・手塚治虫先生の名作「三つ目がとおる!」を思い出していた。







やがて、オカンに卵巣ガンが見つかり、闘病生活が始まった。


「抗がん剤が効かなければもって2〜3ヶ月」


という末期宣告から始まった闘病だったが、幸い抗がん剤が効いて、大きな手術も2回乗り越えて、再発を繰り返しながらも、オカンは6年頑張った。



オカンが何度目かの再入院をしたある日、弟がいつになく、真剣な表情で話し出した。




「オカン、今回はヤバイかもしれない…。」


「え?なんで?」


「昨日、台所にいた」




昨夜、弟がトイレに起きると台所のガス台の前にオカンが立っていた…と言うのだ。

オカンはジーッとガス台を見ていたらしい。



「ついにこの日が来てしまったのかもしれない」


と弟はガックリとして部屋に入っていった。




ウーン、人間が死ぬ前にいろんなところに現れると言われる現象か?

でも、それにしても病院からは何の連絡もないし、死ぬ前に来る所が、自宅の台所でガス台の前??



なんだそりゃ?



腑に落ちなかった私は、洗濯物を届けに行った時に本人に聞く事にした。


病室に私が入っていくとオカンは

「ヤッホ!」

と、いつものように手を上げてニコニコしながら出迎えた。




元気やんけ!


すこぶる調子良さげである。



「オカン!昨夜、あいつが台所でオカンを見たってまた変な事を言い出したんだけど、来た?」


私はド直球でオカンに尋ねた。


「あ、見たって?うん、ちょっとガスの元栓が気になったから行った」


オカンはさらりとニコニコしながら言った。




は?





すると、そこへ弟がやって来た。

昨日の今日で気になったから来たのだと言った。





「昨日、ガスの元栓が気になってそっちへ行ったからビックリしなくていいよ」


オカンの言葉に弟も一緒ビックリしていたが、すぐに




「どうやってやるの?」





興味深々で聞き返した。

オカンは得意そうに


「気になったりした人や場所を思い浮かべて、おでこに集中していると行ける」


とニコニコしながら言い、さらに


「これはおばあちゃん(オカンの母)に教えてもらった」


と、得意げに付け加えた。




つまりは、


昨夜、オカンはガスの元栓が気になって


生き霊


になって見に来たというのだ。

オカンいわく、100%ではないし、戻れなくなるのも恐いからあんまりやらないとの事だった。


話を聞いて、弟は


「いい事聞いた!今度やってみよう!」


とやる気満々だったが、私はリアクションに困っていた。

否定はしないが、にわかには信じられない話だが弟は見たと言っている。

私がオカンに言ったのは


「オカン、この先、生き霊でも幽霊でも何でもいいけど、出てくる時は『ありえない場所』から覗いていたり、突然黙って立っているのはやめてくれ。」
(ありえない場所→地上3階の窓の外とか高い鴨居の上など)


「あい!わかった!」


と、オカンは言ってアハハと笑った。


ウチのオカンとばーちゃんは「生き霊」を飛ばせる人だった。





そして現在。


いまは別々に暮らしている弟はたまに会うと


「そういえば、オカンがそっちへ行かなかった?」


と言う時がある。


「いや、知らない」

「あ、そう。この前、うちに来て『そっちへ寄っていく』って言っていたから行ってたと思うよ」


オカンはたまに、ウチのアパートに様子を見に来ているらしい。
ウチのアパートには虹の橋を渡った愛犬もいるらしいので、そいつの様子を見に来ているのかもしれない。

私は相変わらず、見えないので、そんな時は弟に

「なんか言ってた?」

と聞いたりする。
本当なら「左肩の傷」の話を聞きたいのだが…。

弟によると、オカンも時々現れるおばあちゃんも現れる時は

「ビックリするなよ」

「ヤッホ」

とか、声をかけてドアから現れる事が多いそうで、生前話していた事を律儀に守ってくれているらしい。



弟の話を聞くと元気そうだ。

故人に対して「元気そうだ」はおかしな話だが、正直な気持ちである。


私には見えないが、頻繁に話を聞くせいか、未だに身近に感じる。

でも、時々オカンは夢に出てくる。

たわいもない話をしたりするのだが、その中で

「あれ?オカンって死んだんじゃなかったけ?」

と、思うと目が覚める。

成仏していないのかと心配にもなるが、生前サード・アイを上手く使っていたので、あちらに行っても、また上手く使っているのだろうと思っている。

所詮、今の身体などは「魂の入れ物」にすぎないのだから。


そんな訳で、うちのオカンは今も元気なのである。




信じるか、信じないかは貴方次第です!