SUMIKA Project 見学レポートその1 | 在りし日の日記

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建築の企画展や展覧会、国内外の建築名所巡りの感想などを中心に 趣味や身の回りの出来事などを書いていこうと思います。


先月の2月21日(土)に東京ガスによる「SUMIKA Project 」の一般見学会に参加してきました。

「SUMIKA Project 」とは、プリミティブな暮らし・五感を楽しむ生活の実現をテーマに 4名の建築家が「ガスのある」新たなコンセプト住宅およびパビリオンを東京ガスの所有する栃木県宇都宮市内の社用地に建設して、未来の住まいを考えるというプロジェクトです。

2月21日と3月14日に特別一般公開されるということで、ネットによる申込受付の開始時間ちょうどにアクセスしてみたら、やはりと言うか、回線が混み合って繋がらない状態でした。

4人の著名な建築家(伊東豊雄・藤森照信・西沢大良・藤本壮介)の住宅作品が一度に見れる機会は、そうはありませんからね・・・。

それでも、何度もアクセスしているうちにようやく繋がり、10時開始の第1回に申込みをしましたが、各回定員60名、第1回~第6回の募集は2時間後にはすべて定員が埋まっていました(^_^;)
(その後、追加で3月28日に第7回~第9回が行われることになりましたが、こちらも既に締め切られています)


宇都宮駅から程近い「東京ガス今泉整圧所」に集合し、送迎バスに乗り込んで最初の見学地「星が丘用地」へと出発。
約10分の移動中に、車内でプロジェクトのプロモーションDVDを鑑賞し、実物を見る期待が増してきます。

そして、よくありそうな普通の住宅街の中にプロジェクトの住宅が見えてきました。




最初の見学は西沢大良さんの「宇都宮のハウス」
真っ黒な箱の上に載る、厚みのある白い大屋根が特徴的な平屋建ての住宅です。





建物に入って、まず最初に目が向うのが天井でした。
厚みのある屋根(約80cm)の仕組みがよくわかります。
45cmの大梁の向きは、この敷地の風向きに合わせてあり、軒下の通風口から取り入れた風が屋根の中を通ることで冷却効果を生むとのこと。
天井のルーバーはプラダン(プラスチックダンボール)だと思われます。





屋根材はFRP折板
屋根の白いのは半透明の断熱材で黒っぽくなっているところがトップライト





建物を支える鉄柱は、地中に打ち込まれた杭を延長したものであるということです。





鉄柱が細く目立たず、数も少ないので、とてもすっきりとしたワンルーム空間になっていました。





この家は外周のほとんどが開閉可能な建具で構成されていて、窓がありません。しかし、屋根のトップライトから日差しを享受できるので、明るさは十分でした。





ユーティリティの前が芝生になっています。
外部空間が内部に侵入してきたようで、不思議な感覚になります。





キッチンはダイニングテーブル兼用タイプ
ステンレスのトップにベニヤ貼りのキャビネット、高さを合わせるためシンクと調理台の部分が高くなっています。
キッチンとダイニングとで床の仕上げがコンクリートからフローリングに変えられています。





この住宅のテーマは屋根全体からの採光で太陽の動きに合わせた生活のリズムを生むように計画されています。
トップライトは3ヶ所あり、敷地周辺の日照時間や角度をシュミレーションして計画されているということで、
朝8時頃に寝室に光が差し込み、12時頃にキッチンを照らすようにレイアウトされているようです。