今月初旬、BSNHKで「浮世絵ツアーお伊勢参り」が放映されていました。
江戸時代の暮らしや風俗、文化を伝える貴重な“記録映像”である「浮世絵」。
「浮世絵ミステリー」は、それらを手がかりに、知られざる江戸時代の謎を解明する
歴史エンターテインメント番組です。
6月4日放送回でスポットを当てるのは、江戸っ子が熱狂し一大ブームを巻き起こした
“伊勢参り”の謎!
とのことで興味を持ってテレビを見ていた僕は、伊勢参りをする善男善女の浮世絵の
中に一番見たかったものを見付けました。
「伊勢参宮 宮川の渡し」を描いた浮世絵ですが、それが何か分かりますか(^^)
時間が勿体ないので、手っ取り早く拡大すると伊勢参りをする民衆の中に一匹の白い犬が
描かれています。首にお札をつけているので、参宮を済ませた帰りだと思われます
こちらは歌川広重によって描かれた「東海道五十三次」のうち「四日市日永村追分参宮道」の
浮世絵です。
ここにも首に荷物を結んだ白い犬が描かれています。
多くの人が伊勢を目指しましたが、体が弱いなどの事情で伊勢参りができない人もいました。
その主人に代わりに参宮した犬が居て、明和8年(1771年)に初めて犬が代参したという記録
が残っているそうです
こうした犬は「おかげ犬」と呼ばれていました。
おかげ犬の出で立ちは飼い主の所書(住所)と伊勢代参の犬であることを示す
木札を首から下げ、紐に通した銭を首に巻いていたそうです。
当時はおかげ犬にエサをあげたり寝床を提供するなど手厚くもてなすと、自らも
功徳を積めると信じられていたそうで、犬でも無事に代参を果たせたようです。
交通事故に遭う危険は無かったでしょうが、途中には橋の無い川も在ったりする
のでにわかには信じがたいですが、凄いですね
こうした伊勢参りのブームの中で記録に残る一番遠方から代参した犬はなんと奥州黒石
(青森県黒石市)の犬で、往復3年を掛けて嘉永四年(1851年)5月19日に戻って来た
そうです。
その距離はざっと2,400kmに及び、2013年に『犬の伊勢参り』を執筆した仁科邦男氏
によると日本における犬の長距離単独旅行記録とか
「松阪もめん」で作られた「おかげ犬」、これ欲しいです(^^)
本には犬の伊勢参りの数多くの事例が紹介されていますが
一番興味を持ったのが、先述の青森県の黒石から往復3年
かけ2,400キロを歩いて参宮した犬の話です。
これは日本における犬の長距離単独旅行記録とか。
なお、当時「伊勢参りするのは白犬」と噂されていたそうで
挿絵の犬がさくらに似ているのも嬉しいです(^^)
次回はこの黒石から伊勢参りした犬の記録を確かめに9年前の秋に
黒石市の図書館を訪ねたさくらの記事を加筆編集してリブログします