「風の王国」の舞台を訪ねて、傘堂から二上山 | 柴犬さくらの旅日記

柴犬さくらの旅日記

yahooブログ終了によりこちらに引っ越しました。
九州から北海道まで全国を旅する柴犬のさくらです。
緑豊かな美しい日本の自然探訪と山歩きを中心に
旅で出会った皆さんとの触れあいを綴っています

11日の二上山リハビリ登山は、と言ってもひと月前の先月の11日だけど

読書中の五木寛之の歴史ロマン「風の王国」に登場する場所の聖地巡礼で
奈良県葛城市からの道を辿った。

二上山の山裾に鎮座する當麻山口神社からスタート。
当社は『延喜式』神名帳には大社とあり古くは有力な神社だったらしい


 

すぐ近くに江戸時代初期の左甚五郎の作といわれる傘堂が在る。
本瓦葺・宝形造の屋根が中央の1本の太い柱によって支えられた独特の建築物だ

 

二上山雄岳山頂には謀反の疑いで非業の死を遂げた大津皇子の墓が在るが
実は麓に埋葬されたという説もある鳥谷口古墳を過ぎる

 

やがて渓流沿いの山道に入ると、
道沿いに並んだ三体の石仏には瑞々しい花が供えられていた

 

その三体の石仏の手前に在る小さなお堂には裏向不動明王の扁額が掛かる。

この「裏向」に怖いものを感じたのでちょっと調べてみると

『役の行者が三十二歳の時に二上山に入り、現在、祐泉寺のある二本松の
地に草案を結び、不動の滝で難行苦行の末、ついに大日如来を感得し、
密印真言を授けられて神力自在の身となられた。
それでみずから不動明王の像を石に刻み滝のほとりに安置して滝の不動
と称した。ところが、この不動尊の御霊力があまりに烈しく、人はその
前を通ることができないで倒れ、あるいは転げ落ちるので、像を地に埋

めて裏向きにしたので、いつの間にか裏向不動明王と呼ばれるようにな
った。今はこの近くに祐泉上人が永延二年に開いた祐泉寺がある』
(出典: 当麻村誌)

 

祐泉寺手前で道は雌岳㊨と岩屋峠㊧に分かれる

 

直進して祐泉寺

 

緑に染まる無住の祐泉寺

 

 

 

ユニークな石像が面白い

 

蝸牛と遊ぶ

 

さくらが決まって水浴びを楽しんだ渓流の小さな淵

 

道を少し登ったところに五木寛之の異色の歴史ロマン小説「風の王国」に
出てくる石柱が立つ。

「南無阿弥陀 佛の御名を よぶ小鳥 あやしや たれか ふたかみの山」

と彫られた無学の歌は、僕の使い古したコンデジでは写し取れなかった


小説の一文から
『登り道の左に、上の方に四角い窓をくりぬいた石柱があり、その一面には
「二上獄南叡山修学院祐泉寺」と彫られ、山上方向の面に「南無阿弥陀 
仏の御名を呼ぶ小鳥 あやしや たれか ふたかみの山」と彫られた老僧無学の
歌を見出す。速見は馬の背を越えて雌岳へ駆け登り、「どちらへ行こうかと
すこし迷って、雄岳のほうをふり返ったとき、彼は信じられないものを見た。
霧の中にぽっかり浮かんでいる雄岳の山頂ちかくを、すばらしいスピードで
登って行く姿があった』

 

祐泉寺を過ぎると道は少し険しくなって山道らしくなって来る

 

 

 

馬の背に着いて大阪側を眺望

まずはわが町

 

北の方に目を転じるとアベノハルカスや超高層ビル群が遥かに見えた。
今日はここまでにして、帰りは岩屋峠に廻り傘堂へ下山した