自分を犠牲にして他人に尽くすということは、
決して『優しい』ということではない。
自分をしいたげている虐待にちがいないばかりか
自分が悪者になることに怯え
正義を振りかざす、
弱き犬が懸命に吠える姿に等しい。
その姿は実に怠惰で、傲慢極まりない。
人由来に産まれついた私にとって。
それを能力として磨き
仕事に生かせた事で、救われた思いでいたけど。
もうその能力に振り回されず
断ち切るという局面を迎えたのだと思う。
他人の気持ちや、その心の傷が
自分の胸にダイレクトに刺さる私にとって。
それでもなお自己を主張するということは。
他人を斬るような恐ろしさと共に
殺人犯級の罪悪感を伴う。
そして他人に押し入るという強姦罪をも犯す感覚になる。
その道を自ら進むということは、私の人生の中で
死よりも怖いものだったはず。
超えるべき時が来た。
いや。超えられるかどうかは分からない。
進む覚悟を決めるだけ。
唯一希望があるとしたら。
どんな深い傷を負っていようと
どんな境遇に生まれようと、
そしてどんな死を迎えようとも。
人は誰しも必ず、幸せになる道をもって産まれている。
ということを信じることだけ。
その他人の『感情』というナイフがこの胸に突き刺さり、
このカラダから血が流れても。
その痛みに怯まず、己の声に耳を澄ませ
その他人の感情と相反する道を突き進む。
という、
私にとってはまさに
修行のような挑戦なのです。
この世で一番やりたくなかったこと。
逃げ回るばかりで
まだ、一度もできた試しのないことです。
