毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。
本来は桜が皆さんからの質問にお答えする、Q&Aコーナーなのですが、ご質問が集まるまで、別の企画をしています。
題して、
『大人バレエ クイズ』
今週は先週の答えあわせです。
Q.もし私が今でも生徒でサクラバレエに通っていたら、初心者クラスはきっと一生受け続けます。
本当の初心者ではなく、バレエ歴10年、20年になっても、私がプロのバレエダンサーだったとしてもそれは同じです。
特に4~10月の第1週目(バレエの基礎となる動きやステップを1つずつ説明してもらえる)と、第3週目(身体の基礎的な使い方をテーマを決めてじっくり教えてもらえる)は、どんなに忙しくても出来るだけ受けようとしますが、それはなぜでしょうか?
A.クラシックバレエには厳格な『型』があり、その『型』を一瞬でも外れると、バレエではなくなるから。
そして、その『型』を正確に表現するためには、身体の正しい使い方が必須だから。
この場合の『型』とは、普段のレッスンと関係が深いもので言えば、
『ポジション』(例:脚の第1ポジション/腕の第3ポジション、又はアン・オー)
『脚・腕・目線を含めたポーズ』(例:クロワゼ大きいポーズ・第3アラベスク)
『動作』(例:プリエ/タンデュ/アッサンブレ・ソテ/エシャペ/第4ポール・デ・ブラ/タン・リエ)
『教室の8つの方向』
などです。
他にも、『表情』 ・ 『髪型』 ・ 『メイク』 ・ 『衣装』 ・ 『音楽』 ・ 『小道具』などもあり、この『型』があるからこそ、クラシックバレエだと言えるでしょう。
ところが、大人でバレエを習っている人の多くが、なんとな~くはわかっていても、
「あなたが毎週がんばっているレッスンは、“何”を目指してレッスンしていますか?」と聞かれても、明確には答えられない人が多いと思います。
「え~っと、回転?いつか、クルクル回りたい!」
「脚を高く上げたい?」
「柔軟性?」
「良い姿勢?」
「素敵な先生と素敵な音楽でリフレッシュ?」
ほとんどの人がこんな感じではないでしょうか。
もしかしたら、中には、
「上手になるために!」
「ヴァリエ―ションを上手に踊れるようになるために!?」
と明確に答えてくれる人もいるかもしれません。
・・・では、その“上手”って何ですか?と質問して、具体的に答えられる人はどのくらいいるでしょうか。
中には、
「先生くらい素敵に!」
「プ、プロみたいに上手に!」
と、がんばって答えてくれる人もいるかもしれません。
では、先生やプロは、具体的にはあなたと何が違っていて、何を練習したから、“素敵”で“上手”なのでしょうか。
それこそがこの、バレエの『型』なのです。
先生やプロダンサーは、“何をやっていてもすべてがバレエの『型』に入っているから、『型』に沿っている”から“素敵”で“上手”で“美しい”のです。
バレエを習っている人なら、大人・子供関係なく、
(私の踊り、先生やプロバレエダンサーなどの上手な人と“何か”が違う)
と感じたことがあると思いますが、その“何か”こそが、バレエの『型』なのです。
けれども、とてもとても残念なことに、多くの大人でバレエを習っている人が、その『型』のことに気がついていません。
『型』が何なのかもわかっていません。
なぜなら、先生がそのことを教えてくれないからです。
多くのバレエの先生は、バレエの練習を指導しますが、その練習が“何”の練習であって、“何”を目指していて、“何”をすれば上手になるのかを、明確に言葉で生徒に伝えていないからです。
そして、それがなぜかと言うと、多くの先生は『型』を言葉で説明出来ないのです。
なぜなら、先生方もご自分の先生に系統立てて、言葉での説明をもらっていないからです。
とにかく、言われるままに、見たままに動いて動いて、訓練して、気がついたら『型』をなぞって踊れるようになっていた。
そんな天才たちがなっているのが、今の日本の『バレエの先生』たちであり、『プロバレエダンサー』たちだからです。
だから、多くの先生は、自分の身体に入っている『型』を生徒に言葉ではなく、“見て”学ばせるのです。
例えば、私たちが「歩き方を、一つ一つの動作やポーズ、使う筋肉までを、分解して詳しく教えてください。」って言われても、難しいですよね。
歩くことは出来ても、説明は出来ない。
例えば、「日本語を、発音・文法・単語・表現それぞれをレベル別に詳しく段階を踏んで教えてください。」と言われても、なかなかハードルが高いですよね。
でも、しゃべれます。
無意識に歩いたり、しゃべったりは出来るんです。
でも、それを解説することは出来ない。
それと同じなんです。
大人でバレエを習っている皆さん。
あなたたちが一生懸命練習しているバレエは、まず正確な『型』を知り、その種類を知り、次にそれが出来るようになるのが王道であり、それこそが『上達』なのですよ。
まだ、『型』を意識していない皆さん、正解がわかっていない皆さんは、ぜひ、まずは脚の6つのポジションと腕の4つのポジション、バーの前に立つ正しい位置から始めてみてください。
『型』を意識しない限り、絶対にプロバレリーナみたいには踊れないですし、先生みたいに素敵には動けないです。
上手な人たちは、『型』の中で役を、自分を表現します。
けれど、多くの大人たちは『型』が何かもわかっていない、教えてもらっていないことがほとんどです。
立ったまま、動かずにポーズをする。それだけで、もう『型』から外れていて、しかも『型』から外れたことも気がつかず、正しい『型』もわからず、わかったとしても、どうやったらその『型』が出来るようになるのかもわからないまま、“何か”を練習しているのです。
『型』の答えは先生の身体、または頭の中だけにあります。多くの大人の生徒は、先生に言われるがまま、先生の動きを見たまま、写しとろうとがんばります。でもそれって、すでにお気づきだと思いますが・・とても難しいし、誰にでもは出来ないですよね。特に大人の場合。
また、どんなに素敵にお手本を見せてくれても、その先生のお手本が『型』から外れていたら、生徒は全員『型崩れ』な動きを繰り返し練習して、『型崩れ』なバレエを身につけてしまいます。
ところが、バレエ教室という狭い世界しか知らない生徒は、そこで“動けて”いたり、『型崩れ』しているけど、勢いでダブルを回ったり、高く跳べている自分が上手だと勘違いしていることが、よくありますが、私たち『型』を知っている講師からすると、(残念ながら、バレエになっていない)ことが本当によくあります。
そして、それに気がついて1から積み上げなおせる人は伸びますが、そんな頭が柔らかく、素直で謙虚な人は50人に1人くらいでしょうか。
ほとんどの人は、自分と自分の先生が全否定されたと思って、荒れてやめていきます。
でもごめんなさい。地味なんですが、これが世界レベルの本物のクラシックバレエなのです。
まさかの岡山の、まさかのこんな小さなバレエ教室で、まさかの大人からバレエをはじめた私が、なのですが、だからこそ、きちんとした教授法を求めてさまよったのです。
ついに、整体まで習いに行っちゃって、ボディワークとメンタルトレーナーの勉強までしちゃったのです。
バレエの『型』と知識、指導方については、ゲストティーチャーで来てくださった、ワガノワの卒業生であり、元ロシア国立バレエ団プリマの方も「あなたはとても良い先生です。なんで大人なんかに教えているんですか?もったいない。」と、認めてくださったくらいなので、間違いありません。
私は生徒の時、(私は大人だから、遠回りをしている時間はない)といつも思っていました。
バレエ上達の近道とは、このバレエの『型』を理解し、身体に入れ、自分の意志でその『型』を表現出来る身体をつくること。
バレエ上達の遠回りとは、『型』がわかっていない頭で、『型』が入っていない身体で、『型』から外れた間違えた動きを繰り返しおこなうこと。バレエシューズで『型』が出来ていないのに、トゥシューズをひたすら履き続けること。歩き方さえ『型』が出来ていないのに、ヴァリエーションばかりを踊り続けること。
どんなにがんばっても、絶対にあなたの目指すゴールにはたどり着けない。断言します。
バレエの『型』をおぼえて、その中で踊れるようになるには、どうやっても時間がかかります。
どんなにがんばっても、毎日レッスンしたとしても、8年、10年かかります。
みんなが魅了される『クラシックバレエ』とは、そういうものです。
これが私が、大人になってからバレエをはじめた私が、苦しみ、必死にもがきながら、たどり着いた結論です。
だから、うちでは初心者クラスで基礎をみっちりやります。
1つ1つの『型』を説明し、やってみせて、1人1人触ってなおします。
1年間、繰り返し、繰り返し、根気よくやります。
上手になる人とは、難しい踊りを挑戦し続けたひとではありません。
『型』を理解し、何年も何年も、繰り返し繰り返し、基礎を積み上げた人だけが、少しずつ少しずつ、でも着実に上達していきます。
このことに、バレエを愛する大人のみなさん、どうか少しでも早く気がついて欲しいです。
それから私が、「自分がどんなに上手でも、一生初心者クラスを受ける」理由をもう少し丁寧に説明すると、上のクラスで難しく、早い動きや表現のある踊りを繰り返していると、知らないうちに自己流で動くことが多くなり、身体が『型』から外れていってしまうからです。
自分では、腕はここにあるつもりだったのに、少し前にいっていたり、知らないうちにつま先の位置がずれてしまったりするのを、修正して、自分の中の『型』をメンテナンスするためです。
バレエの世界では、これを“クセ”と言ったり、“基礎から外れる”と言ったり、“クリアではない動き”と表現したりします。
クセをとっておかないと、見た目の美しさにも影響しますし、上手な人は大きな動きが多いですから、身体はケガをしやすくなります。それから技の成功率が下がってしまいます。
初心者クラスでは、初心者はもちろん新しく『型』を習いますが、同じ動き、同じレッスン内容でも、バレエ経験者は自分の身体と向き合ってメンテナンスしたり、『型』と向き合ったり、自分の主観性と先生の客観性をすり合わせたりします。
どちらも大切な作業です。
サクラバレエでは、各クラスで4月~12月の毎月第1週目にバレエの『型』について、1つ1つ言葉で解説してもらえます。
毎月第3週目には、その『型』を表現するための正しい身体の使い方を解説しています。先月は『ターン・アウト(アン・ディオール)』で、初心者も含めた全員が、このつかみどころのない『ターン・アウト』を理解しました。(理解したところから、さらに身体に落とし込んで定着させられるかどうかまでは、個人の努力によりますが。)
先生のお手本を見ただけですぐその通りに出来る、器用で運動神経抜群、先生に二人三脚で手取り足取り10年教えてもらえるラッキーな方は、良いんです。
でも、可能性はゼロではないですが、ほとんどの人は難しいですよね。特に大人は。
だから大人はバレエの『型』を言葉で解説してもらえて、“自分は何から習得していけば、もっとも早く上達するのか”を教えてもらいながら、二人三脚で前に進んでくれる先生や場所が欲しいですよね。
サクラバレエは、そういったことが学べる、バレエに本気で取り組みたい大人のためのバレエ教室です。
県外で毎週は通って来ることが出来ない方のために、チケット・ビジター(非会員制)があり、ビジターは1回からでも受講することが出来ます。
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あなたの本気とやる気を応援したい、桜が1人1人と向き合います。
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こちらのブログでは、桜への質問を募集中です!
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サクラバレエは大人からバレエをはじめる人のためのバレエ教室です。
クラシックバレエを大人向けに、1人1人にレベルを合わせたクラス設定によりきめ細かい対応を図り、1年間のカリキュラムを設定し、一貫したバレエ指導を行います。
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大人からバレエをはじめても、きちんと丁寧にレッスンをすれば、必ず上達します。
バレエ経験がまったくない方、大歓迎です!
私たちが大切にしていることです。
“大人だからこそ、きちんと言葉で説明してもらえること”
“大人も子供と同じように、細かいクラス設定で段階を踏んで学べること”
“教師の思い付きではなく、全クラス同じカリキュラムのレッスンを受けることが出来ること”
“大人を出来るだけケガなく安全にバレエを踊らせてあげること”
“大人を上手にすること”に松岡修造さんばりに情熱を燃やす教師が、ここにいます
そう、一番大切なのは“情熱”です。
私も大人になってからバレエと出会いました。
そして、同じような気持ちを持つ、あなたに出会えるのを待っています
ぜひ、一緒にバレエを楽しみましょう
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