気がつけば、もう1月も終わりですね。
1ヶ月が本当に早いです。
さて、サクラバレエでは、今年もアシスタント候補生を募集いたします。
バレエの世界では、かなりめずらしく新しい取り組みだと思いますので、内容を少し説明したいと思います。
通常、バレエの世界でアシスタントおよび講師になるのは、とても狭き門です。
幼少の頃からその教室に所属して、バレエ一筋〇十年。
発表会では主役を踊り続け、先生と師弟関係を築き、先生に気に入られた人だけが、運がよければなることが出来ます。
また、せっかくアシスタントや助講師、講師になっても、先生と考え方や意見があわないと、あっと言う間にお払い箱になってしまったりもします。
例えば、アシスタントが「もっときちんと教えられるようになりたい」とバレエの勉強のために資格を取りに行ったことが主宰の先生の耳に入り、事前に相談がなかったということで先生の逆鱗に触れて勘当されたり・・・。
そうなると、バレエの世界は自分の師匠以外の教室に行って、アシスタントや講師をしたい、バレエを教えたいと思っても、バレエは師弟制度なので、他の教室で育った人は、主宰の先生のライバルが育てた人、ということになりますので、なかなか難しいという状況になります。
アシスタントや講師になるくらいの人は、本当にバレエにすべてのエネルギーと時間を捧げてきていることが一般的なので、そうなると畑違いのお洋服を販売する仕事についたりと、せっかくの特技であり、大好きなもののはずであるバレエとはまったく関係のない仕事についたりすることも少なくないです。(もちろん、お洋服を売ることがいけないことだという意味ではありません。むしろ憧れます。)
また、フィットネスやカルチャースクールなども、教室との契約であることが多いので、そういったところで働くことは難しいと思います。
例外として、県外から引っ越して来た方などの場合は、師匠と師匠のしがらみなどがないことから、即戦力としてアシスタントや助講師に採用されることがありますが、そうなると、今度は主宰の先生が育てた人ではありませんから、その教室の生徒がそれまでに習ってきているメソッドとは違う踊り方や教え方で、そのような色々な先生に習った生徒は踊り方もバラバラ、ポーズもバラバラ、大切にしていることもバラバラ、先生によって「正しい」とされることがまったくちがうので、生徒たちが混乱してしまい、「やっぱりバレエはむずかしい」となり、オーディションやコンクールでは「ちゃんとしたバレエは習っていないな」と初見で落とされ、講師陣は「うちのメソッドはミックスよ

」なんて開き直って言う、よくわからないことになっていたりします。
そういったことからも、苦労してアシスタントや講師になった場合、辞めたら次がありません。他には移れない訳ですから。だから、何があっても、ずーっとその教室に所属しようとし続け、先生のご機嫌を取り続けるしかなくなります。
すると、今度は新しくアシスタントや助講師になりたい人がいても、席が空かないのでチャンスがなくなってしまいます。
そしてそれは、生徒にとっては選択肢がない状態です。
主宰の先生が採用した、気に入った先生に習うしかない状態です。
アシスタントや講師の人たちは、いつも主宰の先生の顔色をみんなで伺いながら動いているので、ストレスもたまりますし、派閥争いなどもおこったりします。
人間3人以上いれば、なんだかんだおこりますからね。
「なによ!私は3歳からずっとこのお教室よ!」
「あら、狭い世界しか知らない人が何をおっしゃっているのかしら?オーッホッホッホ。」
・・・いえ、こんな光景は実際には見たことありませんが、おそらく心理戦はこれに近いものがおこっているはずです。
すると、生徒が置きざりになってしまうんですよね。
前置きが長くなりましたが、バレエが大好きでアシスタントや講師になりたい人たちが、そんなことにエネルギーを使わなくても良いように、また、何よりも習いに来てくれる生徒たちにとって何が良いのかを考えに考えて、私は昨年、サクラバレエ独自のアシスタント育成システムをつくりました。
1番大切にしたことは、主宰の先生の独断、つまり好き嫌いや損得でアシスタントを選ぶのではなく、誰が見ても明確に、
“この基準をクリアしているから、この人はアシスタントです”
“この人はここまでできるから、助講師です”
というのが、明確であること。
次に、アシスタント本人がどこまでを担当するのか、どこまでの責任を負うのかを選べるということ。
ずっとアシスタントでいいから、細く長く、バレエのお仕事をしたいのか。
講師になって自分のクラスを担当して、ゆくゆく発表会の作品づくりにも関わっていきたいのか。
様々なチャレンジが出来るように考えました。
それから、うちは仕事をしながらアシスタントや講師をしてもOKとしました。
こんなご時世です、いつ何がおこるかわかりません。
バレエだけにすべてをかけてきて、先生が気に入らなかったら、すべてがおわる。
そんな危険な賭けをする必要はないと、私は思っています。
働きながら、もうひとつの選択肢として、バレエ講師という道にもチャレンジ出来るように。
こっちの道が何か違うと思ったら、いつでも別の道に進めるように。
自分にとって、より良い道を何度でも選び直せるように。
また、どんな仕事でもそうですが、実際にやってみないとわからないことが沢山あります。
バレエを習っている人の中には、バレエの先生に憧れる人も少なくないと思います。
けれど、実際のバレエ講師の仕事と言うのは、見た目の華やかさと違って、裏方のお仕事です。
生徒のために、あれこれ準備をして、あちらこちらに頭をさげて、時には言いたくないことも言わなくてはいけません。
レッスンの準備や勉強も、一生やり続ける必要があります。
悩みがあって夜眠れなくても仕事中にぼんやりしたり、ちょっと居眠り・・なんてできません。
なってみて、(こんなはずじゃなかった)と思うこともあるでしょう。
実際にやってみてから考えて自分で選べるように。みんなの選択肢が増えるようなシステムに。
さらに、うちは例えば公務員や副業NGの会社に勤めている人でも、アシスタントや講師を目指すことが出来ます。
ルールなので、お給料をお渡しすることは出来ませんが、その代わり、学べること、得られる経験、やりがいがたくさんある仕事です。
また、(お金をもらっていないから手を抜こう)なんて人は、うちにはいないと思っていますし、もしそんな気持ちだったら、生徒はすぐに見抜きますからあっという間に誰もクラスに参加してくれなくなります。
それに、よく近所の公園やグラウンドで日曜日に子供たちにボランティアでサッカーや野球を教えているお父さんがいますが、あのお父さんたち、自分の仕事の合間を縫って、めちゃくちゃ勉強しています。
教えも、アツイです。会社は休んでも、コーチの仕事は休みません。
好きだからこそ、手を抜かないのです。
うちの場合はそこに、プロの講師が教え方をしっかりとレクチャーして、実習も沢山して、アシスタントや講師になってからもアドバイスがもらえる訳ですから、何の心配もいらないと思います。
これをやるメリットは、沢山の人が講師になれる可能性があり、生徒が色々なタイプの先生に習うことが出来る、つまりここでも『選択肢が増える』ということ。
例えば、職業が『学校の先生』の方の場合、『カリキュラムにのっとって人にものを教える』プロです。
グループをまとめたり、わかりやすい言葉を使うことも当たり前のように出来ると思います。そこにバレエの正しい知識と、各クラスで必要最低限の正しいお手本が出来れば、素晴らしいバレエ講師になることだと思います。
また、医療関係者の方ならどうですか?彼女たちは常に優先順位をつけて、臨機応変に冷静に客観的に様々なことに対処することが出来ます。
身体の知識も、実際に解剖実習などもしているはずですから、バレエ一筋の先生よりも身体の使い方などイメージしやすいはずです。
そして何より、人の身体に触ることに対するためらいや怖さがほとんどないと思います。
(生徒の身体を触ってなおすことって、実は最初は結構勇気がいるんですよ)
子供を育てた経験のある方ならどうでしょう。
彼女たちはバレエ講師に必要な、『相手が出来るようになるまで待つ』ことだったり、『ダメなものはダメ』だと教えることは日常的に経験していますよね。
また、時間のやりくりが上手であることが多いように思います。
これも、バレエを教える上で役に立つスキルです。
その他にも、
『相手の立場に立って考えることが得意な人』
『理系の頭脳を持っている人』
『音楽に関わる部活や習い事をしていた人』
『演劇の経験がある人』
『バレエ以外のダンスやパフォーマンスの経験がある人』
この人たちの経験もとても役に立ちます。
また、『子供の頃にバレエを習っていた経験のある人』も『サクラバレエでずっとバレエを習っている人』も、どちらもそれを生かした教え方をすることが出来るはずです。
おしゃべりが得意でユーモアのセンスがある方、きっと人気者になります。
穏やかで優しい人柄の方、そういったタイプのバレエの先生はめずらしいので、きっとファンが沢山出来ます。
踊ることが得意な方、ぜひ踊ってお手本を見せてあげてください。
言葉で説明するのが得意な方、大人に教えるにはとても向いていますよ。
バレエの世界だけに身を置いていると、世界が狭くなっていってしまって、人はだんだん“私は神です”みたいになってきます。
そういう人、バレエだけに限らず、たくさんいらっしゃいますでしょう?
(私も気をつけないと!)
だから、私はバレエだけ踊ってきている人、たとえばプロバレエダンサーよりも、社会に出て色々な経験をしている人が、他に仕事をしながらバレエを教えることに大賛成です!
私たち大人が、これからどこかのバレエ学校やバレエ団へ入ることを目指しているのならもしかしたら話は別かもしれません。
これから、オーディションを受けてプロダンサーになる人を育てる教室なら、元プロバレエダンサーの方などの経験や知識がいきることでしょう。
でも、私たちは大人からバレエをはじめて、人生の喜びのために、仲間づくりのために、生きがいのためにバレエを習って踊るのです。
それなら、社会常識のある、人生経験が豊富な、さまざまな先生を選べた方が良くありませんか!
(もちろん、元プロバレエダンサーの方がうちの講師陣に加わってくださるなら、それも大歓迎です。)
大人の女性ってライフステージが変わりやすいですよね。
フルタイムでバリバリ働く時代もあれば、結婚や出産、親の介護などで働き方も変わってくるはずです。
だから、最初はバリバリ仕事しながら月1回、週1回、アシスタントを続けておいて、結婚して仕事を辞めたら、助講師や講師になって、週2~3回、週5回、とメインの仕事をスイッチしていくことも出来ますよね。
いつか、このバレエを教えるという仕事が「私の天職だ!」「売れっ子すぎて、困った!」ってなったら、その時はバレエをメインの仕事にすればよいだけのこと。
そしてこれは、繰り返しになりますが、アシスタントをしたい人の選択肢を増やすだけでなく、生徒の選択肢を増やすことにもなります。
色々な経歴、色々なスキルの先生の中から、自分とあいそうで、自分が選んだ先生に習う。ついていく。
トヨタ自動車の社長も、テレビCMで言われていますが、「選択肢を増やす」こと。
これが、大人の、女性の幸せを増やすことではないかと、私はそのように思っています。
(え~!私はプロのバレエ団に在籍経験のある先生じゃないとイヤです!)
(私は踊りを極めた人にしか習いたくありません)
(私は今からワガノワバレエ学校入学を目指します)
そういう方は、自然とそういう先生を選ばれると思うんですね。
最初から、うちには来られないと思いますから

『色々な人が集まる場所には、未来がある。』
つまり、『多様性』が大切なんです。
私はそう信じています。
アシスタントに興味があるからサクラバレエに行ってみようかな、という方。
昔、サクラバレエにいて、忙しくてやめてしまったけれど、面白そうだからまた行こうかな、という方。
ぜひ、どうぞ。
他の教室でバレエを教えた経験のある方も、よかったらどうぞ。
生徒に敬語で話すなど、普通のバレエ教室とはあまりにも何もかも違い、なおかつメソッドを完全にうちのものに変えていただく必要がありますので、それがたいへんだと思いますが、1から学びなおすつもりでよければ、ぜひどうぞ。
いつかきっと、これまでバレエを教えた経験が花開く時が来ると思います。
(メソッドがバラバラだと、生徒が迷いますので、大変だと思いますが、よろしくお願いします。)
そして、もちろん、今、サクラバレエでバレエを習っている人も、これからサクラバレエでバレエを習おうとしている方も、興味があれば、ぜひぜひ、どうぞ。
うまくいかなくてもいいじゃない。
挑戦した自分に誇りをもってもらいたいと思います。
やりたいこと、やってみればいいじゃない。
そんな風に思う方、ぜひ、サクラバレエでアシスタントや講師になる未来も含めて、まずはご入会から検討してみてください。
私が重視するのは、テクニックよりも、経歴よりも何よりも、人柄と情熱です!
そこさえ大丈夫なら、私に出来るすべてを教えます。
アシスタントや講師になると、私とは同じ運営という立場になり、身内のような関係になりますが、それでも良いという方は、ぜひぜひ、お待ちしています

現スタジオ生のみなさんも、全力ウエルカムです

サクラバレエ 桜
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