教えて!サクラバレエ その67 ~質問コーナー⑰~ | サクラバレエ 

サクラバレエ 

サクラバレエは岡山市にある“大人からはじめる本気のバレエ教室です。
ワガノワメソッドに基づいた大人向けカリキュラムで段階を踏んで上達
出来るよう1人1人丁寧に指導しています。未経験の方ぜひどうぞ!
※スケジュールや料金は“テーマ”から♪

 

毎週水曜日連載中の『教えて!サクラバレエ』シリーズ。

 

今週も、

 

『サクラバレエ』や『大人からはじめるバレエ』に関する

素朴な疑問・質問にお答えする、Q&Aコーナー

 

です音譜

 

Q.

桜先生、いつも素晴らしい内容のブログをありがとうございます。桜先生ほど真摯に詳しく大人向けバレエ について語って下さっているサイトを他には知りません。桜先生のブログを読むと、大人になってバレエを初めてもいいんだ!大人バレエだって頑張れば上達するんだ!とすごく励みになります。このような素晴らしいブログを続けて下さってありがとうございます。 

 

私はアメリカに在住の40代です。現地で大人のバレエクラスを取ってます。大人になってから始めたバレエ、かつ身体が硬く、O脚気味、背格好も小さく、運動能力も高くなく、レッスンは英語なので先生から指示されたことを瞬時に理解するのに時間がかかり、の6重苦(もっとあるかも)です。手脚が長くまっすぐ、小顔で、生まれつきターンアウトがちゃんとできてそうな体型の白人に混じってレッスンをしていますと、鏡に映る典型的な日本人体型の己の姿があまりに醜く、なんで私こんな自己肯定感を低めるようなことをわざわざしているのだろうか、とよく思います。クラスのティーンの子供達は特にすらっとしていて、バレエにおける白人の容姿の優位性、というものをつくづく感じます。このように単に容姿に関することで、向いてないんじゃ、、と、めげそうになることもしょっちゅうです。こんなちんちくりんな私が、よろよろしながら一生懸命レッスンを受けてることを先生(皆白人です)は一体どう思っているのだろうか、などと考えなくてもいいようなことまで考えてしまいます。桜先生は海外でバレエを習ったことがおありで、以前先生がバレエは白人のもの、という趣旨のことを書かれていたのを記憶しています。海外でプロになるならないは別にして、日本人が容姿のハンデを乗り越えてバレエを続けていくって大変なことだと思われますか?逆に日本人であることが優位に立てることってバレエの世界ではあるのでしょうか?海外でバレエダンサーをしている日本人てなんてすごいんだろう、と思います。もちろんその方々と私の体型、才能が違うすぎることは承知の上ですが、それでも、同じ日本人として、心からすごいなあ、と思います。漠然とした質問ですみません。答えにくいことでしたらスルーして頂いても構いません。桜先生のブログは私のバレエの生命線といってもいいくらいです。桜先生のブログに巡り会えて本当に幸せ者だ、と思っています。もし私が日本在住だったら、先生のレッスンに参加できるのになあ、と思うと残念です。これからもブログをぜひ続けていただきたいです。毎回楽しみにしています。本当にありがとうございます。

 

Akiko

 

 

A.

はじめまして、Akikoさん。

アメリカからブログを読んでくださって、ありがとうございます。

こちらこそ、励みになりますビックリマーク

 

大人になってからバレエをはじめて、現在アメリカでレッスンされているのですね。素晴らしいですキラキラ

ご質問の、“日本人が容姿のハンデを乗り越えてバレエを続けていくって大変なことだと思われますか?”についてですが、はい、そう思いますビックリマークとってもニコニコ!!

 

そもそも、日本人が“フロリナ”や“ジゼル”という海外の名前の役を演じることは、バレエのみならず演劇やミュージカルなどでも観客にとっては違和感がありますよねにひひ

逆に、日本人と近いアジア圏以外の方たちが歌舞伎を演じようと思ったら、そして違和感なくその場に溶け込もうと思ったら、とても大変だろうということが想像出来るのと同じくらい、大変だと思います。

 

プロでなくても、レッスン場で肌が透き通るように白くて、手足の長い人たちの中に混ざって、自分の体型や踊りを直視するのは、なかなか気合がいりますよね。

私も、日本人で海外でバレエダンサーをしている人はなんてすごんだろう、とまずそこにリスペクトします。

とても強い意志と自尊心が必要ですよね。

 

でもだからこそ、開き直れるといいましょうか。

日本ではよく狭い教室の中で、私の方があの子より上手なのよ、といった空気感を出したり、マウンティングが繰り広げられていますが、海外でのバレエレッスンを経験したことがある人は、(同じ日本人同士でそんなことする意味ないのに!)と広い視野で考えることが出来ますよね。

もう、今の自分のこの年齢、この身体、この人種で踊るしかない!と覚悟を決めることが出来ます。

また、海外では一緒にレッスンしている人たちは、身体を大きく使って踊り、表現力が豊かであることが多いですし、先生方も良く言えば、おおらかと言いますか…割とザクッと指導されますから、のびのび踊ることが出来ると思います。

また、人は苦労して手に入れたものを簡単には手放しません。

ただアジア人だというだけで、そして時に大人だというだけで、悩み、苦しみながら続けているバレエをAkikoさんはきっと簡単にはやめないと思います。

最初からバレエに向いていて、色々なことを簡単に出来て簡単にやめていった人を、私はたくさん見てきました。

バレエは続けてこそです。

続けていれば、何かしら報われる、何かしら成長出来ます。

それに、そんなに苦労しながらでも、やめられないくらい好きなものに出会える人はそう多くはありません。

素晴らしいと思います✨

 

そして“バレエの世界で、日本人であることが優位に立てること”についてですが、これは海外で踊られているプロのバレエダンサーの方たち、日本人もそうでない人からもよく聞くのですが、日本人のバレエダンサーで本当に素晴らしいところは“勤勉”なところだそうです。

…がっかりしました?

実は私も、初めてこれを聞いた時は(なーんだ、そんなこと?!)と思いました。

 

けれど、容姿や身体条件の悪い日本人たちが、今、これだけ海外で、ハンディだらけの中で、プロとして活躍しているのは、やはりこの“勤勉”のなせる技かと思います。


また、プロのバレエダンサーたちは、

プロになるまで、ひたすら、レッスン・レッスン・レッスンビックリマーク

プロになってからも同じです。

来る日も来る日も、バレエ・バレエ・バレエバレエ

それにプロはリハーサルと本番もあるので、肉体的にも精神的にもスケジュール的にもめちゃくちゃハードになります。

さあ、今日のこれは人生で何万回目のプリエ?

プリエやタンデュからはじまるバーレッスンなんて、飽き飽きしています。

有名なバレエ音楽も、正直もう聞き飽きていたりね。

だから、海外のバレエ団の朝のレッスンはみんな手を抜きます。

遅刻してきたり、お休みしたり。

レッスンを受けていても適当にやって、適当に終わりなんて、いつものこと。

プロなので、それでケガをしても自己責任ですから、誰も何も言いません。

それでも、日本人ダンサーは、毎日レッスン開始前にきちんと来て、真剣に今日もプリエ。今日もタンデュ。

チームメイトには「よく飽きずに出来るね!」とちゃかされても、毎回汗をかいてキッチリとレッスンするそうです。

だから、プロの中ではケガをしにくかったり、プロダンサーとして長く活躍出来るし、何よりもバレエ団の中で日本人たちはみんな尊敬されているのだそうです。

これは、アメリカのバレエ団の方も、ヨーロッパのバレエ団の方も、口を揃えて言われますので、本当にそうなんだと思います。

人は自分の良いところって、自分にとっては当たり前すぎて、わからないじゃないですか。

それと同じで、日本人であることの良さって、自分ではなかなかわかりにくいんですよね。

 

そしてこれはバレエだけでなく、おそらくプロの野球選手やサッカー選手などでもそうだと思います。

実直なまでに勤勉にルーティーンを繰り返し、あの年齢まで活躍したイチロー選手も、メジャーリーガー達にとても尊敬されていましたよね。

 

また、この他に日本人は“礼儀正しさ・丁寧さ”でも高く評価されているのだそうです。

こういったことは踊りに直接出ますし、人と人との信頼関係を築きますから、バレエマスターや振付家、スタッフにも可愛がってもらえたり、愛されやすくて、活躍しやすくなりますよね。

さらにバレエ団の仲間や観客にも長く愛されるダンサーになれると言えます。

 

プロではなく、趣味でバレエを習っている場合は、外からのフィードバックがありませんので、なかなか自分では実感しにくいと思います。

また、アメリカのバレエの先生方は日本の先生のように、1人1人を丁寧に育てたリするタイプの方が少なく、椅子に座ったまま最初から最後まであまり生徒の方を見ていない先生もいれば、レッスンが盛り上がって興奮さめやらぬような素晴らしいレッスンをされる先生など、差が激しいように思います。

それでも、海外でバレエを習うということは、“自分は自分”だと割り切り、“私は今のこの身体で踊るのだ”と覚悟を決め、表現やテクニックを磨き、色々なことを自分で考えるようになり、“先生に気に入られようがそうじゃなかろうが、私が私を育てる”と向上心を燃やすことが出来ます。

真面目に丁寧に真摯に踊っていれば、必ず成長できますし、信頼したり尊敬されるようになると思います(別にそれがバレエを踊る目的ではないですけれどね)。

もし仮に、まわりの人達に余裕がなく、殺伐としていたり、誰もあなたを信頼も尊敬もしてくれそうにない環境だとしても、そんな海外の地でバレエを踊り続けた自分を自分で褒めて、認めて、尊敬してあげてください。

 

(私は今日もバレエに行くことが出来たキラキラ

(私は、自分の意思で今日までバレエを続けることが出来たキラキラ

(誰にも評価されなくても、認められなくても、好きなことを自分にさせてあげられたキラキラ

 

続けた月日だけ、レッスンに行った回数だけ、褒めちぎってください。

いつかかならず、続けた意味が見いだせるはずです。

そして、アメリカでレッスンをしていたAkikoさんの踊りは、もし日本に帰って来ることがあってもなくても、Akikoさんにしか踊れないバレエになっているはずです。

 

私も、ニューヨークではAkikoさんと同じように、まわりの人たちのスタイルの良さ、立っているだけで美しい容姿にペシャンコになり、自分がみじめに感じ、また英語というハンディにも苦しみ、(日本人がバレエを習ったってしょせん…)なんて、心がすさみかけたこともありましたが、それでも毎日熱心にレッスンしていたら、ある日、そんな私にとても熱心に丁寧に教えてくださる先生と出会いました。

ニューヨーク・ジョフリー・バレエスクールの講師でもあったその先生は、美しくて上手な現地の生徒達はほったらかして、レッスンではいつも私につきっきりで、手取り足取り教えてくださり、クラスの中の英語が堪能な日本人をレッスン中に近くへ読んで、すべての言葉の通訳を頼んでまで教えてくれた時に、(ニューヨークまで来てよかったビックリマーク)とそれまでの苦労がいっぺんに吹き飛びました。

 

きっと、バレエの神様はこっそり見てくれていると思います。

どうか日本人であることに誇りを持ちながら、大好きなバレエを楽しんで下さい。

 

今は、アメリカも日本と同じように新型コロナウイルスで大変かと思います。

 

どうか一日も早く、世界が平和で安全になり、みんなが笑顔でバレエが楽しめる日が来ることを願っています。

 

遠くアメリカから、とても素敵なご質問をありがとうございましたドキドキ

 

 

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