毎週水曜日に連載中の『プリマの条件』シリーズ。
バレエでプリマ(主役)になるために必要なことの中から、“人間力”についてお話しさせて頂いています。
◇
26回目になる今回は、『責任力』についてです。
“責任”と聞くと、「わ~、何だか重たい!」と思う方も多いでしょうし、
「できれば、とりたくない!」という方がほとんどではないでしょうか。
・・・誰だって、責任なんてとりたくない。
・・・誰かに責任をとってもらって、お気楽に生きていきたい。
そりゃ、そうだろうな。と思います。
けれども、“プリマの条件”に上がって来てしまいましたね~。
なぜなら、これはもう、プリマには絶対に必要なものですからね。ふふっ。
では、そもそも、“責任”って、何なのですか?っていうお話しなんですけれども。
「私はこのことに関して、やれることがある」ということでもあり、
「この件に関しては私が引き受けます」と言えることなんだと思います。
例えば、発表会。
参加します、と表明するということは、
「この発表会の、この役については、私が引き受けます」というのと同じことです。
バレエの発表会は、はじめは、目立たない、小さな役から始まって、少しずつ、少しずつ、大きな役を頂けるようになります。
少しずつ、少しずつ、経験を積んで、自信をつけて。
それはつまり、その人が
“舞台の上で“やれることが増えていっている”、
ということでもありますし、その人が、
“少しずつ大きなものを引き受けられるようになっていっている”
“責任力がついてきている“”
という成長の証でもあります。
そうするうちに、どんな役が来ても
「受けて立つ!」 ← 某CMのニノ風に
「受け入れよう!」
と言える自分になっていきます。
責任をとれるようになる、ということは、自分で“やれること”や、“出来ること”が増えていく、ということです。
つまりそれだけ選択肢が増えて、自由になっていく、ということ。
自由・・・好きな言葉だわ( ^ω^)・・・
はっ!( ゚д゚ )!
話がそれました。
自由になった分だけ、どんな風にも踊れる。
どんな役でも踊れる。
つまり、プリマになれる、ということなのです。
ただし!ただ、舞台に立って経験を積むだけでは、残念ながら責任力はつきません。
先生の言うとおりに、やればよかった舞台は、何度経験しても身につきません。
大切なのは、ベストをつくすこと。
自分で考えること。
目的や目標を持つこと。
サクラバレエでは耳タコな言葉ですが、プリマになるならもちろんのこと、舞台に上がったり魅力的に踊れるようになるためには、やはりどれだけベストをつくせたかが、大切なのです。
自分に出来ることはすべてやった。と言いきれるかどうか。
人は油断するとすぐ“甘え”が入ってくる生き物ですが、それをどれだけ入れずに、やりきれたか。ベストをつくせたか。引き受けることが出来たのか。
だから、今年の発表会も、伝える言葉はただ一つ。
「ベストをつくせ」です。
今よりも、もっと自由になるために。
今よりも、もっと魅力的な女性になるために。
どんなに美人でも、スタイルがよくても、何かあった時に責任をとりたくなくて、他人のせいにしたり、逃げ回っていたら、やはり素敵だとは言えませんからね。
この、“責任力”というのは、男性的な能力なので、女性の中には苦手な方も多いと思いますが、バレエをとおして少しずつ身につけていって、より素敵な女性になって欲しいと思います。