プリマの条件8 ~自立する力 前編~ | サクラバレエ 

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毎週水曜日に連載中の『プリマの条件』シリーズ。

バレエでプリマ(主役)になるために必要なことの中から、“人間力”についてお話しさせて頂いています。

 

 

8回目になる今週は、『自立する力』について。

 

少し長くなりそうなので、前編・後編の2回に分けてお話しさせて頂きますね。

 

これは、“プリマの条件④ ~意見を言う力~”でもお話しした、“自分で考える力”がベースになっています。

 

バレエを踊るためには、とっさの判断力が必要です。

レッスンの時でも、本番中でも、想定外のことというのはおこります。

 

 

振付を間違えた

出番になっても舞台上に現れない

ケガをした

相手役がアドリブを入れはじめた

衣装が破れた

髪飾りが落ちた

小道具があるはずの場所にない

照明がつかない

音楽が流れない

舞台装置が変わっていない

客席で携帯電話が鳴った

子供が泣き出した

 

舞台では、このようなアクシデントがおこらないように万全の注意を払いますが、舞台は生ものですし、演じているのが人間である以上、絶対に何もおこらないという保証はありません。

 

そのような時に自立した人はとっさに自分で考えて、自分で判断して、とっさに対応することが出来ます。

 

ところが自立出来ていないと、アクシデントが起こったら、誰かに指示をしてもらわないと動けません。

とっさに助けてくれる誰かをキョロキョロ探したり、素に戻ってエヘヘと照れ笑いしたり、ボーゼンとその場に立ち尽くしてしまったりします。

 

舞台の上でダンサーが立ち尽くすと、お客様は白けます。

 

“妖精達”は“妖精のコスプレをして踊る人達”になり、

 

“お姫様”は“お姫様役の人”になります。

 

お客様は夢を見るために劇場に足を運んで下さっているのに、これでは台無しです。

 

はじめて発表会で踊る4歳の子供ならともかく(とはいえ、たいていのバレエ教室は舞台の世界のお約束とプロ意識を身につけさせるために、4歳の子供でも舞台袖に入るまでは素にもどらないように、自分で考えて行動するように指導されます)

 

では、そうならないために、自立する力を身につけるためにはどうすれば良いのか。

 

まずは、普段のレッスンの時から緊張感を持ってレッスンを受けること。

練習で間違えて笑う人は、本番でも必ず同じことをしてしまいます。

 

また踊っている時だけでなく、スタジオに来たら、出来るだけ自分で考えて自分で行動すること。

 

自分で考えて、今の自分にどんなことをさせてあげれば成長出来るだろうか、上達するだろうかと考えてみる。その結果、例えば、レッスン前に早く行ってストレッチをしたり、振付の確認をしたり、苦手なところを予習復習してからレッスンに挑んだり。

 

レッスンを休まないために、仕事や家事のペース配分を自分で考えて調整したり。

 

以前、クリスマス会でセンターを踊った生徒が、「はじめての主役だから、少しでも踊り込んでおきたいので、自分が1人で踊るパートだけでも、振り写しのスケジュールを早めてもらえませんか。」と相談に来たことがありました。

これは見事だと思って、すぐに次の週から振り写しに入り、スタジオ全体の振り写しスケジュールも1ヶ月前倒しにしたことがありました。これは本当に素晴らしかった。

 

また、クリスマス会の練習のために、自分で考えてクラスを増やしたり、基礎を強化しようと、初心者クラスを追加で受けてみたり。プライベートレッスンを受けて、自分の弱点を克服しようと努力したり。

自立している人達は、自分を育てるために、教師と相談しながら説教的に動くので、効率よく上達することが出来ます。

 

自立している人がプリマになりやすい理由:

 

普段のレッスンから集中して1回で振りを憶える練習をする

   ↓

発表会の練習が始まる前に作品の予習をしておく

   ↓

振り写しの時期は絶対に休まない。むしろこの時期だけレッスンを増やし、しっかり集中して出来るだけ早く振り付けを憶えてしまう

   ↓

振りを憶えた人からなおしが入るので、沢山アドバイスをもらって、踊りを上達させていく

   ↓

振付には気を取られなくなるくらい踊ったので、表現力やちょっとしたところまで気を配れる

   ↓

本番はベストをつくして踊りきる→評価される→次はさらに1つ上のステージの主要な役を任される

 

この繰り返しでプリマへの階段を駆け上って行きます。

 

・・・では、自立出来ていない人の場合はどうなるでしょうか。

 

自立出来ていない人がプリマへの道が遠い理由:

発表会の練習が始まっても、「どうにかなる。」と考えていて、振り写しの時期にレッスンを休んだり、集中してレッスンを受けていない

   ↓

当たり前だが振りが憶えられない

   ↓

それでも誰かが何とかしてくれる、どうにかなると思っている

   ↓

毎回先生や上手な人に一緒に踊ってもらって練習しているつもりになる

   ↓

本番直前になってもまだ振付が入らない

   ↓

本番直前になって、舞台に出演するか、出演をやめるかの判断を迫られる

   ↓

慌ててここから本気でやりはじめる

   ↓

本番で、大きなミスがなかったので、ほっとする

   ↓

振付がギリギリまで憶えられなかったので、次回本番に出られなくなる可能性を考えて、より目立たない役、振付が少ない役を任される。

 

これが、自立出来ていないとプリマへの道が遠くなる理由のうちの1つです。

 

でもこれってね、実は学校の勉強とよく似ているんですよね。

夏休みの宿題なんかとね。

 

バレエの世界では“頭が良い子はバレエが上手”と言われているのですが、結局は突き詰めると同じなんですよね。

 

やるか、やらないのか。

自分で考えるのか、考えないのか。

そこで甘えるか、甘えないか。

 

でもね、どちらにしたって、自分のためなんですよね。

 

今の自分のために、甘える方を選ぶか。

未来の自分のために、頑張るか。

 

どっちでも良いんですけれどもね。

出来れば、ミックス出来るのが最強かもしれません。

 

甘々でもいけないし、ガチガチになっても面白くないですからね。

 

そして、これって実は、習慣だったりするんですよね。

 

プリマになれるかなれないかって、実は習慣づけが出来るか出来ないかが大きな意味を持っていて。

 

だから、世の中のバレエ教室は、習慣づけが出来るように月謝制でしょう?

 

チケットでレッスンして、プリマになった人はいないんですよね。

 

行ける時だけレッスンに行って、プリマになった人はいないんですよ。

 

なぜなら、バレエは良い習慣を身につけられるかどうかが、バレエが上手になるかどうかに大きく関係するからです。

 

・・・バレエも

 

・・・勉強も

 

・・・美もね、

 

成功するためには、すべて習慣から、なのです。

 

つまり、バレエを習うということは、成功するための習慣を身につけることを習うのと、同じことなのです。

 

フッフッフ。

 

・・・ねっ?バレエって奥が深いでしょう?

 

だからね、好きなんですよね、私はバレエがね。

 

噛んでも噛んでも味があるのですよ、バレエはね。

 

・・・ニヤリ。 ← 深い意味は一つもありません

 

 

つづく