プリマの条件3 ~信頼される力~ | サクラバレエ 

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おはようございます。
 

2月に入りました。
岡山にも、少しずつ春が近づいて来ています。
 

 
今回で3回目となる『プリマの条件』
技術的なことや、身体的なことはちょっと置いておいて・・・。
しばらくの間は“人間力”の育て方についてお話ししていきたいと思います。
よければ、お付き合い下さい。 

バレエでプリマになるために、つまりセンターで踊るために必要なもの。
これも、絶対に外せないものではないでしょうか。
 
『信頼される力』
 
・・・誰に?
 
・・・先生に?
 
・・・共演者に?
 
・・・スタッフさんに?
 
もちろんYESです。
 
・・・それから、この人にも。
 
“自分”です。
 
では、どうやって、信頼される人になれば良いのか。
 
その方法は、とてもシンプルで、子供の頃に良く言われたことばかりです。
 
『約束を守る』
『嘘をつかない』
『裏切らない』
『攻撃しない』
 
たとえば、こんな物語はどうでしょう。
 
あなたは、朝起きでむしゃくしゃしていました。
友達との約束をすっぽかして街を歩いていると、途中で道を聞かれましたが、適当にウソをつきました。
近所のパン屋さんに行くと、店員さんが奥に入っていて、売場には誰もいません。
手に取ったパンを床に落としましたが、誰も見ていないので、そのまま元に戻して店を出ました。(※やってはいけませんよ)
それから店の外につながれている犬に向かって小石を投げ(※これも絶対にやってはいけませんよ)「バーカ!」と叫びました。
 
バレエ教室に着くと、次の舞台のキャスティングが発表されていました。
なんと、あなたが次の主役に選ばれました!!
 
・・・さあ、あなたは嬉しいですか?
・・・心の底から喜べますか?
 
また、あなたはこのような人のために、コールド(群舞)として、後ろに立ちたいですか?
この人が主役の舞台を成功させてあげたいと思いますか?
この人の一世一代の晴れ舞台を観に行って、お客さんとして応援してあげたいと思いますか?
 
 
次に、こんな風ではどうでしょう。
 
あなたは、朝起きでむしゃくしゃしていました。
友達と約束をしていましたが、行きたくない気分だったので、友達に電話をしてお願いしました。
「今日の買い物、今度じゃだめかな?昨日、失恋しちゃってさ、とてもじゃないけどそんな気分じゃないんだ。会ったら八つ当たりしちゃいそうだからさ。ごめんね。」
友達は、「えー?!もう出かけるところだったよ?!」と文句をいいながらも「しょうがないなぁ、じゃあ、また今度ね。元気だしてね。」と笑ってOKしてくれました。
 
気晴らしにと近所を歩いていると、途中で道を聞かれました。
ちょっと面倒でしたが、知っているところだったので、教えてあげました。
相手は「ありがとうございました」と何度も頭を下げて、嬉しそうに立ち去りました。
近所のパン屋さんに行くと、店員さんが奥に入っていて、売場には誰もいません。
手に取ったパンを床に落としてしまったので、奥の店員さんを呼んで、正直に事情を話してお金を払おうとすると、「いいですよ~、いつも買ってくれてますし。それより、これ試作品なんです。よかったらどうぞ。」とパンをひとつくれたので、お礼を言ってお店を出ました。
 
お店の外に出るとそこにワンちゃんがつながれていました。
「今日はお散歩日和だねぇ。ご主人、すぐ戻ってくると良いねぇ。」と話しかけて、お店をはなれました。
 
バレエ教室に着くと、次の舞台のキャスティングが発表されていました。
なんと、あなたが次の主役に選ばれました!!
 
・・・さあ、先ほどと比べて、どうでしょう。
今度は、素直に喜べるのでは、ないでしょうか。
この人なら、応援してあげたいと思うのではないでしょうか。
 
他人はだませても、自分はだませません。
 
ささやかな嘘や、小さな裏切りでも、その人の心に少しずつ積もって、その人の生き方を曇らせます。
 
バレエは顔を上げて、前を向いて、心を開いて踊るもの。
いつも太陽の方を向いているひまわりのように、いつも顔が上げられる自分でいなくては、舞台の中央には立てません。

自分にスポットライトが当たった時に、とっさに下をむいてしまうような生き方をしていると、舞台の上でも、下を向いてしまいます。
自分で意識していなくても、気がついたら、暗い影を身にまとい、後ろへ後ろへと隠れたくなります。
 
舞台の上で、いつも嘘つきの裏切り者(自分)と一緒に踊る道を選ぶのか、
それとも、正直者で誠実な人(自分)と一緒に踊り続けることを選択するのか。
決めるのは、自分自身です。
 
・・・とはいえ、人間は神様でも仏様でもないので、間違えることがあります。
いつも理想通りにはいきません。
また、相手のためにつく嘘もありますし、(小さい子供さんに、お母さんが病気の場合などは、必ずしも本当のことを言うことが相手のためになるとは限りませんから。)
また、NOが言えなくて、結果的に裏切ってしまうこともあります。
それはそれで、自分を責める必要はないと思いし、間違えたら、きちんとあやまればいい。
ゆるしてもらえるかどうかはわからないけれど、自分が大切だと思う相手や、やり直したい相手、自分が居場所だと思っているところでは、きちんとごめんなさいと頭を下げる。
ゆるしてもらえたら、喜べばいいし、ゆるしてもらえなかったら、そこから学んで、また次に進めば良いのではないでしょうか。
 
先日、稀勢の里が横綱に昇進されましたけれども、言葉を聞いていると、やはり同じようなことを言われていました。大切なのは人間力だと。人に見られる立場なので、人間力を磨きたいと。きちんとした人柄の方だなぁ、だからこそ、横綱まで昇りつめることが出来たんだろうなと思いました。
 
パリオペラ座のエトワール(プリマのことをオペラ座ではこう呼びます)達も、すばらしい人柄の方が多いことで有名ですよね。
 
バレエでもお相撲でも、真のトップ(人間力がなくても一瞬ならトップになれるかもしれません)になるためには、またはその場所で輝き続けるためには、人間性を磨いて、信頼される人柄でいることが大切です。
 
という訳で、今回のプリマの条件は、人間力と信頼についてのお話しでした。
 
・・・ウソがすぐバレる、フクちゃん