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スタイルの良い、欧米人に混ざってのレッスンは、とても刺激になりました。
様々なレベルの、様々な先生のバレエクラスを受けました。
メソッドも経歴も教え方も実に様々です。
(なるほど、こういう教え方もあるんだ。)
(なるほど、こういうやり方もあるんだ。)
目からウロコがポロポロと落ちて行きます。
しかし、NYに来てから思ったのは、日本の先生ほど、1人1人を丁寧に見てくれる先生はいないということです。
これは、海外で踊る人達から聞いてはいたのですが、実際に行ってみて、そして、後にロシアやフランスの先生達のレッスンを受けてみても、そう感じました。
ただ、海外でも『バレエ学校の先生達』は皆一様に細かい指導だったという感想ですが。
◇
そうやって、一通りの先生のレッスンを受けてみて思ったことは、沢山の先生に習うことは、刺激にはなるが、バレエが実際に上達するかと言うと、そうでもないんだなということでした。
やはり、1人の先生にじっくり見ていただいくことが何よりも上達への近道だなと実感しましたので、最後の方は、NYではめずらしく?教え方がとても丁寧な、ジョフリーバレエスクールから来られていた先生のクラスを受けることにしました。
この先生は90分のクラスのうち、毎回60分くらい私につきっきりで教えて下さったので、他の人達に申し訳ないと思いつつも、嬉しくて、次の日までに言われたことをきちんと全部なおして行こうと、夜は家で遅くまで練習して、朝は早くスタジオに行って練習していたのを憶えています。
今にして思えば、NYはみんな黒タイツなのに、いい大人が1人で白タイツを履き、シニヨンを結い、30分前にスタジオに入ってストレッチをし、先生の言葉を一言も聞き漏らすまいと必死に耳を傾けていた私から、上手になりたいオーラをヒシヒシと感じ取って下さっていたのでしょう。
この先生からはポワントでの動き方を特に丁寧に教えて頂きました。
あなたの身体はまだポワントが履ける身体ではないから、もっとしっかりと身体をつくりなさい、とも。
日本ではすでにポワントを履いて5年以上経っていましたが、そうか、私の身体は実はまだポワントが履ける身体じゃないのか、とかなりのショックを受けました。
でも、不思議と腑に落ちる言葉でもありました。
まだ身体が引きあがっていない時からポワントを履いていたので、それがクセになり、自分が正しくない立ち方をしている自覚があったからです。
・・・じゃあ、ポワントが履ける身体って何だろうと思って、日本に帰ってからそのあたりは勉強しなおしましたね。
本当に良い先生は、『出来ていない』ことをわからせてくるし、『わかっていない』ことをわからせてくれます。
その時は涙が出そうになるくらい辛いですが、
趣味でバレエを習っている大人に、厳しく教えてくれる先生はなかなかいません。
ほとんどの人がそこまでのことを求めていないからです。
だから、こんな風にハッキリと伝えて頂けたのは、とてもありがたかった。
この先生には今でも感謝しています。
◇
・・・ちなみに、その後、日本に帰ったら、それまで履いていたポワントが全部履けなくなっていました。
足裏を正しく使って踊ったため、足裏の筋肉が鍛えられすぎて、シューズのサイズが変わってしまったんですね。
シューズの中で足が落ちて、指先が床に直接ついてしまうんです。
当時、10足以上持っていたトゥシューズは、どれも履けなくなり、全てサイズを変えて買いなおししました。
どれだけ、踊ったねん、私。
と自分に突っ込みつつ、泣く泣くお財布をはたいたのでした。
つづく
すぐ近く。いつ見ても、キングコングはぶら下がって
いませんでした。
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